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もしかしてヒロインなのでしょうか?断固拒否ということで(※ざまぁ回避のため頑張ります・本人談)  作者: 桃田みかん


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11.生徒会

 こんにちは。

 生徒会長であるライハート殿下を始め、実は副会長だったアンドリュー、同じクラスのフェルナンド、パトリシアという様々な美形に囲まれているリーリエです。


 なぜ、こんなことになっているのでしょう?

 遠目に眺めるだけなら楽しめる美しさも、至近距離で囲まれると迫力あり過ぎです。

 出してもらった最高級のチョコレートを味わうことができません。

 転生して、初めてのチョコレートなのに!大変口惜しく思います。



「リーリエ嬢、そんなに怖い顔して見つめなくても、チョコレートは遠慮なく食べていいんだよ」

 チョコレートを見つめたまま動かないリーリエを見かねて、ライハートが苦笑しながら声を掛けた。


 リーリエはその声にハッとして顔を上げた。


「で、生徒会入りをお願いしたいんだ」

「生徒会…」

 ライハートの言葉をぼんやりと反芻する。


 で、とは?

 その前から話が続いてる?

 まずい。現実逃避してる間に話が進んでしまったようだ。

 おぉ!なんてこと!

 よりにもよって、ライハート殿下の話を聞いてなかったなんて!

 不敬になる?なっちゃう?


「リーリエちゃん、今、絶対話聞いてなかったよね」

 顔を青くしているリーリエを面白そうにアンドリューが突く。


 余計なことを!

 気づかれてなかったかもしれないのに!


「いやー、チョコレートに負けるライを見られるなんてな!さすがリーリエちゃん」

 アンドリューは楽しそうにライハートの肩を叩いているが、リーリエはそれどころじゃない。


 話を聞いてなかったのはさて置いて(置いていいのか分からないが)話の内容も問題だ。

 前の部分は聞いてなかったが、確か生徒会入りと言っていなかったか。

 生徒会、それは乙女ゲームにありがちな舞台だったはず。

 大体が爵位が高く、成績優秀な者が入るのが生徒会。

 平民で大して優秀ではないわたしになんで生徒会?

 何かの強制力?

 


「とりあえず、どうぞ」

 パトリシアがチョコレートの入ったお皿をリーリエの前に置いた。

 いつの間にやら、紅茶も淹れられている。


「ライハート様はそんな些細なことで怒ったりなさらないから、気にすることないわ」

 パトリシアが笑いながら、アンドリューと戯れているライハートを見た。


「でも、えっと、どうして平民で特段優秀でもないわたしが生徒会に?」

 すぐにでもチョコレートに手を伸ばしたいところだが、まずはちゃんと話を聞かないと。

 断腸の思いで、なんとかチョコレートから目をそらした。


「魔法学院は二年しかないから、生徒会の活動はそれほどないのよ。けれど、初代の学院長が形式上生徒会という組織をつくったの。王族や上位貴族の子息令嬢の社会に出る前の勉強って意味合いでね」

 パトリシアの説明に頷いていると、アンドリューとの戯れ合いを終わらせたライハートがそのまま後の説明を引き継いだ。


「一応、生徒たちの意見を吸い上げて、学院をよりよくしていく役割がある。生徒会長は爵位が高い者が就くのが通例なのだが、その他は色々な立場の者が入って問題ない。と言うか、色々な意見を吸い上げるためには、むしろその方が好ましい」

 一旦、言葉を切ったライハートがリーリエの目を見つめる。


「リーリエ嬢が適任だと思う理由は主に三つだ。一つ目は希少な聖属性持ちであること、二つ目は学院に通うことが決まって一月しか期間がなかったにも関わらず、Aクラスに在籍できる実力があること、三つ目にこのメンバーに擦り寄ることも臆することもないことだ。その内、特に重要なのは三つ目だ」

 ライハートの言葉にこてんと首を傾げる。


 要はライハート殿下たちの権力に擦り寄らず、卑屈にもならないってこと?


 えー、攻略対象者候補と悪役令嬢(仮)の集まっている生徒会なんて嫌なんだけど。

 今から擦り寄ったら、この話なくなるかな?


「リーリエちゃん、今、僕たちに擦り寄ろうか考えただろう」

 アンドリューがまた余計な茶々を入れる。


「そんなこと考えてません。(真剣に考えたけど)」

「嘘嘘。そんな目で睨んだら、バレバレだよ」

「睨んでません。目が悪いから、そう見えるだけです」

「えー、だって、それ、伊達メガネじゃん。いや、魔道具?瞳の色変えてる?」

 繁々とリーリエのメガネを見た後、ひょいとメガネを取った。


「何するんですか!先輩といえど、やっていいことと悪いことがあります!」

 リーリエの顔を見て呆然としているアンドリューから慌ててメガネを奪い返してかけ直した。


「…なんとなく、そのメガネの意味は分かった。それはメルトロー家から貰ったのか?」

 ライハート殿下が微妙な表情になった。


「えぇ、そうですけど…」

 メガネは結構高級品で、リーリエがおいそれと買えるような物ではなかった。


 目立たないために伊達でもいいからメガネが欲しかったので、ニコラスに相談したら、すぐにメルトロー前侯爵からこのメガネが届けられたのだ。


 掛けてみたら、紫紺の瞳が焦茶に変わって、びっくりしたが、焦茶色の瞳は平民に一番多い色で、目立ちたくないリーリエにピッタリなメガネだった。


 こんな高そうな物を貰っていいのか、一瞬躊躇したものの、あまりに理想的なメガネだったから、遠慮なく頂いてしまった。


「もしかして、これ、すごい高級品なんですか?」

 返した方がいいのかと悩み始めたリーリエにライハートが待ったをかけた。


「いや、価格の問題じゃないから、貰っておけばいいよ。どうせ返したって受け取らないだろうし」

 最後の方は声が小さくて何を言ったのか、分からなかったが、貰っても問題ないらしい。


「まぁ、それはともかく、生徒会には入ってもらいたい」

 ちょっと疲れたようなライハートに再度要請されても、渋っていたリーリエだったが、アンドリューが生徒会室にチョコレートを常備するという条件を付け加えた瞬間、陥落してしまった。

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