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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第3章 交錯する刃

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第1話 学校再開、そして400kg

 7月1日


 巨人の原発襲撃事件から1ヶ月ほど経った。


 学校はすでに再開している。

 いつもより早く梅雨が明け、少しずつ暑くなってきたなと思う。


 現在の私のステータスを開く。


⸻


【ステータス】


名前:相沢 天音   レベル:27

ジョブ:【忍者】  種族:人間


体力:60 / 魔力:62 / 攻撃:89 / 防御:40 /

敏捷:115 / 器用:110 / 感知:81 / 運:38


スキル:【気配遮断 Lv.4】 / 【鑑定 Lv.4】 /

    【物真似 Lv.3】 / 【影潜伏 Lv.3】 /

    【雷遁 Lv.2】 / 【罠感知 Lv.1】

ユニークスキル:なし  

称号:【闇纏い】


所持スキルポイント:1


経験値:320 / 2700(次のレベルまで 2380)


⸻

 

 鑑定以外のスキルレベルも、少しずつ伸びている。


 また、スキルの【罠感知】を取った。


 1週間ほど前、ゲート内で床のタイルを踏んだ瞬間、電撃が走った。

 その時は軽く痺れるだけで済んだが、もし初見殺しのトラップなどがあったら——。


 そう考えると、ゾッとする。


 玉野さんからも『最近、ゲート内の罠が増えておる』と連絡があった。


 今のうちにスキルレベルを上げておこうと思う。


 スキルポイントは現在、1つ温存している。

 強敵で対応が難しい敵が現れたとき、以前のように切り札になりうるからだ。


 50m走は1秒切ることができて、あまりの速さに少し笑った。

 

 ……外では、絶対に全力は出せないな。


 父親はすでに退院しており、会社でバリバリ働いている。

 この1ヶ月の間で、私がゲートに入っていることに気づかれた。


 私の帰りが遅い点。

 病院での回復薬の件。

 私の動きが、以前より明らかに良くなっていること。


 それらのことから確信したみたいだ。


 ゲートに入ってるかを聞かれた時は、何を言われるか分からず、かなり冷や汗をかいた。


「こんな時勢だし入るのはいい。しかし、無事にちゃんと戻ってきなさい」


 動揺してる私を、父親は頭を撫でながら、笑う。


 頭を撫でてくれたことに、一瞬思考が止まる。

 以前なら、頭を撫でるなど絶対になかった。


 恥ずかしいが、昔に戻ったみたいで嬉しい。


 父親は重村さんの企業で、最近とても忙しそうに働いている。

 私を見て何か言いたげではあったが、結局何も言わなかった。


 ……なんだったのだろうか?


 でも、昔よりいきいきとしている気がする。

 楽しそうで何よりだ。


 重村さんとも、たまに会っている。


 この前、私の正体を知っている者が増えていないか確認された。

 

 同級生で親しい友人と、父親の二人が増えたことを伝える。

 伝えた後、何故か目を輝かせ、去っていったのが印象的だった。


 暴走する姿が頭に浮かぶ。

 なぜか妙に嫌な予感がした。


 ……きっと気のせいだ。


 そう信じたい。


 学校に行き、教室の窓から外を眺める。


 校庭では、サッカー部が朝練をしている。

 以前と変わらない、いつもの光景。


 でも、よく見ると——

 走っている生徒の中に、明らかに速すぎる人がいる。


 あの人も、ゲートに入っているんだろうな。


 世界は、少しずつ変わり始めていると実感した。


 クラスでもゲートに潜ったという話がちらほら聞こえてくる。


「よー! 俺、学校が休みの間にゲート潜ったんだけど、もうレベル5だぜ。握力も120kgいった!」


「よう! 俺の握力は130kgだぜ! お前より強いな〜」


「くそ、負けた!」


 自慢したクラスメイトが額に手を当てている。

 少し悔しそうだ。


「それよりさ、B国のニュース見た?

 探索者が王様になったんだってよ」


「マジで!? 俺らも強くなったら、王様とかワンチャンあるんじゃね?」


「夢あるよな〜」


 そんな会話が聞こえてくる。

 クラス全体だと3人に1人くらいは入っているみたいだ。


 ……私の握力は400kgをおそらく超えているなぁ。


 そんなことを内心で思う。

 あの二人に、私の握力を伝えたらどんな顔するんだろうと少しだけ想像して笑った。


 想像をしていると、咲がクラスにやってくる。


「天音おはよー! ニヤついているけどどうしたの?

 そういえば天音聞いて!」


 咲が前のめりになり、話しかけてくる。


「おはよ〜。漫画のことで思い出してつい……ね。

 朝からテンション高いけどどうしたの?」 


 顔を引き締め、返事を返す。


「なんか、バイト先の予算が増額されて、私も素材で使えるものが増えたの!

 しかも、自由に作ってレベル上げもしていいって」


 武器や防具の重要性が見直されて、予算が増えたのだろうか?


 ただ、目が輝いていて、楽しんでいるのが分かる。

 咲も鍛治師として頑張っているらしい。


 頷いていると、咲が言葉を続ける。


「また、私が装備とか打ってあげるね!」 


 そう言いながら、咲は少し誇らしそうに笑った。


 ……以前の咲なら、こんな表情をしなかったな。


 そう思うと嬉しくなった。


「ありがと。お願いするね」


 私も笑う。


「ところで、7月22日は予定空いてる? その日、できれば空けておいて欲しいんだけど」


 3週間後の7月22日は私の誕生日だ。今年も祝ってくれるのだろうか。


「多分大丈夫だよ」と頷く。


 他にも色々話していると担任の鳥沢がやって来た。


 もうホームルームの時間か。


 また後で続き話そうと言って席に着く。


 こういう日常生活を送れていいな、となんとなく思った。


 

*******



 放課後、家に帰ってテレビをつける。


 ニュースでは、海外の情勢が流れていた。


『Y国でモンスターの侵攻が止まらず、首都が陥落。

 現地の政府は機能を停止し、国際社会に救援を要請しています』


 画面に映る、廃墟と化した街。

 モンスターが闊歩する光景。


 ——もし、日本もこうなったら。


 そう思うと、背筋が寒くなった。


 以前の魔魂王の件もある。

 強敵が現れたとき、より強い力がなければ守れないかもしれない。


 私はできるだけ空いた時間にゲートに潜り、レベル上げを行っていた。


 そんなときに玉野さんから連絡がくる。


『以前、影殿が調べた東京湾中央原発の近くに、ゲートがまたできたみたいなのじゃ。

 魔魂王の発生場所のゲートと同じ場所だったのが気になっておる』


 メッセージを流し読みする。

 玉野さんのギルドでは調べられないのか疑問に思い、返事を返す。


『今、その地域は氷雪ギルドが担当での。

 ギルド同士では、緊急時以外はなるべく不干渉というルールがある。

 九尾ギルドとしては手が出せないのじゃ。申し訳ないが、また影殿の手を借りられると嬉しい』


 詳しく聞くと、ギルド同士で揉めたところがあり、暗黙の了解としてルールがある。


 手は出せない。

 しかし、玉野さんは似た存在が出るのではないかと思っているみたいだ。

 一応は氷雪ギルドにも懸念を伝えてはいるが、念のため把握しておきたいとのことだ。


 私はどこのギルドにも所属していないので、もし氷雪ギルドのメンバーに見つかっても問題ないらしい。


 ……魔魂王が発生したゲートと同じ場所か。


 ゲート内に麻薬中毒者たちがいた場所だ。

 惨状を思い出し、手が少し震える。


 それでも、行かないという選択肢は浮かばなかった。



——また、何かが現れるかもしれない。



 そんな嫌な予感が、頭をよぎる。


『そのゲート、調査してきます』


 返事を送り、私はゲートに向かった。




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