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プロローグ 鏡に触れたら森の中

 人には人生の転機というものがある。

 それは受験だったり就職だったり結婚だったり。

 そんなイベントではなくともちょっとしたこともあるだろう。

 そう、俺の場合はちょっとしたことから人生を根本から見直すことになった。


 大きな仕事を片付け久しぶりにのんびりと迎えた休日、買い物を終えてアパートへ帰ろうとしたときのことだ。

 俺は道端に見慣れない大きな鏡を見つけた。


「反射鏡にしては大きいな」


 よく見ると鏡には俺や道路ではなく森?が映し出されていた。

 このとき何を思ったのか俺はこの鏡がとても気になってしまい鏡に触れてしまった。

 その瞬間のことはよく覚えていないが気がつくと俺は地面に寝転がり空を見上げていた。

 空にはあの鏡が浮かんでおり俺が先程まで居た場所が写っている。

 慌てて俺はその鏡に触れようと立ち上がり鏡に向かってジャンプしたのだが指先が鏡に触れたとたんに亀裂が入り粉々に砕けてしまった。


「うわ!」


 咄嗟に両腕で頭を庇うが腕に何かが当たった感触はない。

 足元をみると小さな光の粒が溶けるように消えてしまった。


「えっ、まって!」


 慌てて光の粒をかき集めようとするが光は俺の手をすり抜けすべて消えてしまった。


「そうだ、携帯!そんな……」


 携帯電話の表示は圏外、周りは奥が見えないほどの森、荷物はサイフと買い物袋くらい。

 しばらく呆然としていたが状況はそうのんびりとはさせてくれなかった。


「Woooo……」


 唸り声と共に俺の目の前には犬の頭をした毛むくじゃらの人間のようなものが現われた。

 反射的に俺は目の前の犬人間から逃げ出した。


「ひぃっ」


 これが悪手だったのは言うまでもなく背中から殴りつけられ俺は近くの木に叩きつけられた。


「ば」


 化物と叫ぶことすらできない。殴られた背中と木に打ちつけた手足が痛い。どこか折れたかもしれない。痛みで吐きそうだがとにかく逃げなくては。

 何なんだよこの状況は。

 さっきまでいつもどおりの道を歩いていただけなのに今はこんな化物に殺されそうになっている。

 いやだ、こんなことで死にたくない。

 いきなり訳のわからない場所で化物に襲われるなんてまるで出来の悪いゲームではないか。

 こういうのは普通倒せる程度の敵から始まって『レベルアップ』しながら少しづつ進んでいくものだろう。

 心の中で悪態をついたそのとき……


「は~い、経験値が十分溜まってますよ~。レベルアップしますか?」


 明るい女の子の声が聞こえた。



まずはこのプロローグをお読みいただきありがとうございます。

初投稿で拙いところだらけですがよろしくお願い致します。

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