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第1話 出会い

この小説で出てくる妖怪、妖、物の怪等は、ほとんど作者の良い通りになっていますので、そこを承知した上でお読みください。

感想、評価、質問まってます。

十年前・・・・・・桜花町に一つの塀で囲まれている伝統ある屋敷が立っていた。そこに一組の母子がやってきていた。


客間で老人と子供の母親が話し合っていた。


「・・・・・・良かろう。妖を助けるために我らがいるのだからな」


「ありがとうございます。炎羅(えんら)様」


炎羅と呼ばれた爺さんは、微笑んでいた。


炎羅に頼んでいるのは水色の着物を着た女性だった。


「それでは(せつ)をお願いします」


「あぁ・・・・っとまて雪菜」


「はい?」


立ち上がろうとしたのを炎羅が止めた。


「お主が戻ってくる頃には、わしはもう、いないだろう。その為、次の当主を教えておこう」


「っツ!?それでは、決まったのですね?」


「あぁ。白夜、入りなさい」


「失礼します」


呼ばれた白夜は雪菜の後ろの襖を開け中に入り炎羅の横に来て正座した。


「お初にお目にかかります。オレ・・・・じゃなかった、私、次期当主の風流白夜でございます。以後お見知りおきを」


頭を下げきちっとしたお辞儀を雪菜にした。


「炎羅さま、この子が?」


「そうじゃ。白夜は我が一族でどの者よりも才を持っている」


「そうですか。」


以前、白夜は頭を下げたままである。


「お顔をお上げください白夜様」


優しい口調で雪菜言うと白夜はゆっくりと頭を上げた。


「ふふ、そうだ雪」


庭に声をかけると外の庭から白夜と同じくらいの年の女の子が現れた。


「入ってきなさい」


「はい」


雪も雪菜同様、着物姿である。着物の色は白色であり、髪型は水色のセミロング。


「うわぁー」


「ん?どうしたのじゃ白夜?」


白夜のこぼした声に気付き聞いてみると、雪を見たまま「きれい」と言った。


聞こえた雪菜は「あらあら」と着物の袖で口元を隠して微笑みながら雪を見ると雪は、顔を真っ赤にして固まってしまった。


「あっ、オ、オレ今口に出した?」


我に返った白夜が炎羅に聞くと、炎羅は「ひょひょひょ」と変な笑いをしている。


「あっちゃー」


手で額を押さえて反省する白夜を見て雪が笑った。


「・・・・・」


スーっと立ち上がり白夜は雪の隣に来た。


「オレ、この家の次期当主で風流白夜って言うんだ、よろしく」


ニッコリと笑い手を差し伸べた。


「わ、私は雪女の雪、です」


顔を赤めている。さっきの事と目の前に男の子がいるからであろう。


雪は、白夜の手を握った。


「ん!冷たい」


「あ、ご、ごめんなさい」


白夜の声に驚き手を慌てて離した。


「え、いや、そう言うことじゃなくて・・・・・」


「白夜・・・・・」


低い声で自分の名を呼ばれ恐る恐る見ると炎羅の目が光っている。


「ははははは・・・・・ヤベッ」


ガックし項垂れて炎羅の下に向かった。


当然、予想した通り白夜の頭に拳骨が落ちた。


「てぇ~、じーちゃんいてぇよ」


涙目の白夜は炎羅を見たが炎羅は、雪を見て歩み寄った。


「我が孫がとんだご無礼をお許しください」


炎羅が雪の前で謝罪をした。


「そ、そんないいですよ炎羅様謝らなくても」


突然の出来事で雪だけでなく雪菜と白夜も驚いた。


「そうですよ、炎羅様。白夜様だって悪気があったわけでは無いですし」


未だに頭を下げている炎羅に必死で訴えている。


「じーちゃん、頭を上げな」


「白夜、おま・・・」


白夜の言葉に炎羅は怒って頭を上げ白夜を見ると、隣で雪に頭を下げている。


「失礼いたしました」


土下座している白夜を見て雪菜と雪は慌てて顔を上げるように頼んだ。


「次期当主になるんだから自分で責任を取るよ」


頭を上げ炎羅の目を見ていった。


「言うじゃないかい、ヒヨッコが」


機嫌を良くした炎羅は、席に戻った。


「え~っと雪・・・・さん?」


「は、はい」


「ごめんね、悪気があったわけじゃないんだ」


「もういいですよ。それより」


雪が握手を求めてきた。


「もう一度いいですか?」


「あぁ!」


「それと、雪で構いません」


手を握り雪は微笑むと白夜は恥ずかしくなって視線をそらした。


「いい当主になりますよ、白夜様は」


「そうじゃの」


二人は白夜と雪を見て和むと雪菜は立ち上がった。



「それでは、そろそろ」


「あぁ」


炎羅も立ち上がり二人は門に向かった。それに続き白夜と雪も門に向かった。


「ここでいいですよ炎羅様。普通の人間には見えないんですから見られたら怪しまれますよ」


「そうはいかんよ」


結局門の外まで見送りに来た炎羅たち。運が良いのか丁度人がいなかった。


「それじゃ、炎羅様、白夜様、雪の事お願いしますね」


「あぁ」


「はい」


二人は返事を返し雪菜は雪の頭に手を当てた。


「私が帰ってくるまで炎羅様に迷惑かけない様にね?」


「は、はい」


涙声で答える雪に笑顔で返すと炎羅と白夜にお辞儀をして歩き出した。


「いってしまったの」


「はい」


雪は今も雪菜の後姿を見ている。


「じーちゃんは中に入ってな」


「そうか?それじゃ、そうさせてもらうかの」


中に入るのを見て、雪が見ている方に視線を向けると雪菜は見えなくなっていた。


「雪、中に入ろうか?」


「はい」


悲しい顔している雪に白夜は語りかけた。


「今日からここが雪の家、だからな」


雪がそれを聞くと泣き顔で「はい」と答えた。


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