物は試しに
ふと視線をよそへ向けるとハンドルを持つ杉本さんの手が目に入った。
「そういえば気になってたんですけど杉本さんっていつも手袋してますよね。」
「え?あぁ。僕汗っかきだからハンドルびちょびちょとか嫌でしょw生徒さんに気を使った結果だよ。」
「え〜?そんな理由ですか?」
とても汗かきには見えなかった。
でもこんなことで嘘をつくような人にも見えなかった。
「そうそう。嫌でしょ?」
「そんなことないですよ。って言ったらわけ分からない感じになりますけどw」
「むしろ喜んでみたいになっちゃうねw」
そんなたわいもない会話もほんの数分だけ。
そんな短い時間の中でも徐々に距離感が近づいているような気がしていた。
「うん。今日もお疲れ様、うまくいってるんじゃない?この後は?」
「これだけです。」
「橋元さん結構詰めて技能も学科もとってるよね。次からはもう終了検定に向けて準備だね。模擬テストは早めに受けておくように。今日予定ないんでしょ?模擬テストは何回でも受けられるし落ちても料金かからないから今からいてきなさい。」
「え!?今からですか?」
「早いほうがいいよ〜模擬テストパスしてないと修了検定受けられないし。」
「なんの勉強もしてないんですけど。。。」
「物は試しにとかって言うでしょwどんなものなのかを知るだけでもいいしもし落ちたら慰めてあげるからww」
「え、じゃあ。。。」
「はい。決まりね。じゃあ車降りて受付僕がしてあげるからついてきてね。」
「は〜い。」




