手配
翌日にソノマが部屋に来た後、間が3日空いた。
女性の月のものの関係で、今日を外すと暫くは来れなくなるとのこと。
俺はチョーカーについて色々尋ねる事にした。
「外す事は出来ないのか?」
「基本的には出来ないです」
「ここから逃げるにはどうしたらいいんだ?」
「王家の人間ならどなたでも外す事はできます。なので、拉致して、脅して外してもらうしかありません」
「王家の人間を拉致する。そんな事が可能なのか?」
「馬車の用意なら協力できますが、王家の人間をかどわかすのは勇者サイドでしてもらう必要があります」
「高橋っていう勇者が第二王子と紐づいているんだが、そいつごと拉致すれば良いのか・・・・」
「その勇者が第二王子を傷つける事は出来ませんが、別の勇者が第二王子を傷つける事は出来ます。ただ、第二王子はその勇者にあなたたちを殺す事を命令する事もできます。なので、拉致したらすぐにその勇者も拘束して、王子の命令を実行できなくする必要があります」
「なる程」
「王子を拉致したら出来るだけ王都から離れ、物理的に王子を傷つけながら脅すのです。で、あなたたちのチョーカーを外させた後、その勇者のチョーカーも外させるといいです」
「今までにこのやり方で成功した勇者はいるか?」
「いえ。今までどの勇者も乗っ取りから逃れられた者はおりません」
「それは逃れようとしたけれども逃れられなかったのか?それとも乗っ取りを知らず逃げる事すらできなかったのか?」
「私には分かりませんが、今まで100%の勇者が乗っ取りに合いました」
「馬車は何時なら用意できる?」
「一番早くて5日後ですが、山田様はどうやってこの屋敷から出るお心算ですか?」
「夜になるだろうな。で、この部屋に誰も来ない夜にここから出るしかない。窓から出ようと思う」
「分かりました。私たち3人のメイドの月のものの時期は大体似通っていますので、5日後だと丁度誰もこの部屋には来ません。でもお友達の勇者様たちは5日後で大丈夫ですか?」
「うん。そうだな・・・・。5日後を一旦目処にして、ダメそうなら何か合図するので、それに合わせて手配してもらえるか?」
その後は、5日後がダメならば部屋に運ばれてくる料理のコップか皿を割る事で日程の変更を知らせる事にした。
コップを破損していたら1日ズレて、皿なら2日、皿2枚なら4日と言った感じだ。
後、勇者間でのやり取りを簡単にするために、いつものクレヨンと洗って何度も書き込んでいる布をソノマから譲り受けた。
もうクレヨンが見つかったら云々よりも、如何に逃げるかの方が大事だから・・・・。
ソノマには毎晩の夕食の上げ下げに気を付けてもらう事をお願いし、一旦別れた。




