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DoomsDay  作者: 文乃絢千
15/17

15.それぞれの思惑④

 本田啓介ほんだけいすけ、三十三歳。武器は金属バット。啓介は元野球選手だ。成績不振の為、所属する球団から解雇通達を受けると、彼は野球を辞めた。啓介は自堕落な生活を送る様になった。気が付けば借金の額は一億円を超えた。啓介は人生を諦めた。だが、ドゥームズデイの話を聞いた時、啓介はこれが最後のチャンスだと思った。


 杉田洋三郎すぎたようざぶろう、三十四歳。武器は安全靴。洋三郎はサッカー選手だった。だが、週刊誌で不倫疑惑が報道されると人生が変わった。何故なら不倫相手の旦那が自殺したからだ。洋三郎はサッカーチームを辞職した。妻と子供は家を出て行った。洋三郎は考えた。(一体、俺が何をしたって言うんだ)生活費に困った彼は最後の手段を思いついた。


「あんたの顔は知ってるよ。洋三郎さん」


「有名だからな」啓介はペットボトルの水を飲んだ。


「相手の旦那が自殺したんだっけ?」


「あぁ、首を吊って死んだよ」洋三郎は遠くを見ている。


「俺も人の事は言えねぇ。一億円程、借金がある」啓介はため息を付いた。


「一億円か」


「ここが正念場だろうな」


「で、どうする?」洋三郎が尋ねた。


「先ずは移動しよう」


「南に映画館があるんだ。そこに行こう」啓介が地図にある映画館を指差した。


「何か理由があるのか?」


「俺は子供の頃から映画館が好きなんだ」啓介は派手に笑った。


「まぁ、行こうか」


 二人は映画館に向けて歩き出した。


 伊藤文江いとうふみえ、五十九歳。武器は【ベレッタ92】扱いやすい自動拳銃。装弾数は十五発。文江は後一年で還暦を迎える。お婆ちゃんになった文江は冒険がしたかった。二十歳で結婚をすると主婦を三十九年間務めた。文江は熟年離婚を選んだ。子供が成長して旦那が仕事を辞めたからだ。もうあの人の面倒は見たくないと思った。友達の早苗さんからドゥームズデイの事を聞いた彼女は、心の奥から冒険を感じた。


 高橋早苗たかはしさなえ、六十二歳。武器は【M26手榴弾】破片手榴弾。爆発の衝撃と金属の破片を広範囲に飛散させる。元システムエンジニアの彼女は独り身だった。もう既に両親は亡くなっている。彼女は前々からドゥームズデイに興味を抱いていた。どうせ死ぬなら華やかに死にたいと思った。友達の文江さんを誘うと彼女も乗り気だった。(文江さん、死ぬ前に沢山、冒険をしよう)そう思いながら二人で成田空港に向かった。


「文江さん、寒くない?」


「早苗さん、大丈夫よ」


「早苗さん、私たちの冒険が始まるのね」


「文江さん、そうよ。様々な冒険が私たちを待っている」


「私、三十九年間は本当に退屈だったわ」


「文江さんは苦労したものね」「私も退屈だったわ」


「さて、どこに行こうかしら?」


 二人は一緒に地図を眺めた。


「北西にある住宅街に行かない?、秘密基地を作るの」早苗が案を出した。


「それは魅力的ね」


「そして悪党を成敗するの」早苗は笑顔で話した。


「それこそ冒険だわ」文江の目が輝いていた。


 二人は北西に向かって歩き始めた。

>>登場人物

本田啓介ほんだけいすけ33歳


杉田洋三郎すぎたようざぶろう34歳


伊藤文江いとうふみえ59歳


高橋早苗たかはしさなえ62歳


>>設定資料

ベレッタ92。扱いやすい自動拳銃。装弾数は15発。


M26手榴弾。破片手榴弾。爆発の衝撃と金属の破片を広範囲に飛散させる。

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