12.それぞれの思惑①
伊藤俊介は父親の借金を返済する為にドゥームズデイに参加した。年齢は十九歳。武器は牛刀。事業に失敗した父親の借金額は一億円を超える。父親は自殺を試みたが失敗に終わった。俊介は思う。(俺は自殺なんかしない。生きて見せる)
岩本京子は年齢二十歳。風俗嬢をやっている。京子は稼いだ金をホストに貢いでいた。武器は【グロック17】様々な組織で採用された自動拳銃。即応性、命中性能、安全性を高く評価されている。京子は遊ぶ金が欲しかった。
俊介は黙って地図を眺めている。退屈した京子は【グロック17】を構えると建物の壁を撃った。銃声が辺りに響き渡る。俊介は耳鳴りを起こした。
「何だよ?」俊介は京子を睨んだ。
「ごめん、ごめん。暇だったから」京子は笑いながら俊介に謝った。
「何をしているの?」京子は尋ねた。
俊介は地図の東を指差した。住宅街と記載されている。
「ここに行こうと思う」
「どうして?」
「住宅の中なら雨とか風とか凌げるだろう」
「成程ね」
「京子さんの考えは?」
「俊介の案で良いと思う」
「じゃ、行こうか」
二人は東にある住宅街へと移動を始めた。
佐藤雄二、三十歳。武器はバール。雄二は会社の金を横領している。総額、二億円。医療メーカーに務める経理部の彼は真面目な社員だったが、夜遊びを覚えると湯水の様に金を使った。このままでは遅かれ早かれ会社にバレるだろう。そんな折、会社の先輩からドゥームズデイの噂話を聞いた。雄二は参加を決意した。
川谷純也、二十九歳。武器は出刃包丁。仕事はタクシードライバーだ。純也は消費者金融から八百万円を借りている。同僚からドゥームズデイの話を聞くと純也はその話に直ぐ飛びついた。
二人はスタートポイントの近くにある公園の茂みで潜んでいた。獲物が来るのを待っている。
「誰か来ないか?」雄二は興奮している。バールを強く握りしめた。
「あぁ、煙草が吸いてぇ」純也は煙草を取り出したが火は付けなかった。
すると、男女のチームが公園を横切った。
「良いか?」「あぁ、良いぜ」二人は男女の後を静かに追った。
純也は女性に近づくと背中を出刃包丁で二、三回刺した。女性のブラウスが血に染まった。女性はゆっくりと地面に倒れた。
「死ねや」雄二は男の後頭部を何度もバールで殴った。男は痙攣した後、動かなくなった。
「ふぅ、何とかなったな」純也は煙草に火を点けた。
「これで二千万円だぜ?」雄二は笑った。
二人の上空に撮影用ドローンが浮かんでいる。一部始終を逃さない様に。
>>登場人物
伊藤俊介19歳
岩本京子20歳
佐藤雄二30歳
川谷純也28歳
>>設定資料
グロック17。扱いやすい自動拳銃。装弾数は17発。




