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第21章 問いの消えた地
風は、吹いていなかった。
空は、青かった。
大地は、乾いていた。
だが──
そこには、何も問うものがなかった。
人々は、
決められた道を歩き、
定められた作業を繰り返していた。
顔を上げる者はいなかった。
立ち止まる者もいなかった。
ただ、
終わりなき営みの中で、
誰もが静かに消費されていった。
ノアは、
静かにその中を歩いた。
誰も声をかけなかった。
誰も視線を向けなかった。
誰も、
何も、
問わなかった。
キューブは、沈黙していた。
空気すら、何も告げなかった。
ノアは立ち止まり、
わずかに振り返った。
そこに広がるのは、
沈黙だけだった。
──問いは、
もはや、
世界から消えていた。
ノアは、何も言わず、
再び、乾いた大地を踏み出した。




