Story.4 メリルと訓練へ
未だ1学年であるメリルを、進級させよう大作戦☆☆
―――始動。
*****
農場から学園への道を二人で並んで走る。
麻収穫に夢中になりすぎたっっ!!
メリルとの約束の時間を、とうに過ぎている。
走りながら、セビルさんに『ごめんなさい』と何度も繰り返しつつ、慌てて訓練施設へ向かう。急げ。
学園の門をくぐり、寮の自室へ収穫した麻を放り込むと、施設へと踵を返す。
そして施設入り口。
メリルは待ちくたびれてる様だ。てか待ちくたびれたよな…。
うわー、なんか雰囲気ピリピリしてるぅ~~……思いっきり睨んできてる。
「遅い。もたもたするな」
案の定、怒られた。
とりあえずセビルさんと二人で、素直に謝っておく。(麻に夢中になったのワタシなのにな。←
「「ゴメンナサイ」」
「……」
無言だったけど、『わかってるならいい』とでも言ってる様な顔だった。
ホッと一息。
その直後、メリルの背後から誰かが出てきた。
「やあ、偶然だな。セビル、ラフィリア。俺も一緒に行っていいか?」
………何が偶然だよ……
思わず、白い目でウィルバーを見てしまった…が、メリルもワタシと同じ様にウィルバーを見ていた。
ウィルバーはその視線に全く気付いてない様だが。
ウィルバーに冷たい視線を送る、ワタシとメリル。
そんな中、いたたまれなくなったのか……
「と、とりあえず、メリル、まだ1学年なんだろ? Lv.1の訓練から行こうか」
気まずそうにしていたセビルさんが言った。
すると驚いたのか、メリルは大きく目を開いて、ワタシ達に問う。
「…お前たち、進級していたのか? 今何学年なんだ」
一呼吸置いて。
「「3学年。」」
セビルさんと二人、声を揃えて言う。
ワタシとセビルさんの後ろで、ウィルバーが『俺も俺もっ』って手を挙げているが、メリルは無視していた。勿論、ワタシも無視した。
そしてそのメリルはというと。
………はぁ、と深い溜息をつきながら、
「仕方が無い。お前たちに追いついてやるから、暫く付き合え」
と、偉そうに言った。
下級生とは思えない態度だった。…まぁ、いいけど。
メリルはいつもこんなモンだし。