戦争
超能力"ギフト"が全世界に広まった近未来の世界で有り余る力で暴走している人たちを特務機関の仲間たちで全世界を救いに行く
登場人物
識名理岳
紫翠誠
紫翠了
神宮皇
紫翠淏葉
那由多優
識名智岳
周防桜火
「あぁーー!くそ!くそ!早く!早く治れ!もっと早く!」
視界が赤い。腕を折られた。ものすごいチカラで。なす術もなく仲間が転がっている。みんな意識がないのか、誰も動いていない。有生さんは、煌葉さんは了さんはどうなってる。
どうなってる。なぁみんな!なぁ!助けるから待ってくれ!
「おい!お前!なんでこんなことしてる!なぁ、なんでこんなことしてるんだよ!この人達傷つける必要ないだろ!なぁ!なぁ!!」
ずっと辛そうに涙も出さず、雨の中まったく濡れていない着物をきた14歳ぐらいだろうか、少女の周防桜炎が立っている。
"神様の体"。絶対に傷つけられず、汚れもせず、自己の事象に概念もチカラも他人に書き換えられない。とても人間とは思えないほどの強く儚いチカラ。僕がチカラに打ち勝てるとは思わない。でも"絶対に助ける""絶対に"。
雨の中、一人で倒れた仲間と歩いていた無関係の人達を巻き込んだ無差別テロ。引き起こしていたのは大きくて長い電灯を片手で掴んで軽々と持ち、全てを一回で薙ぎ払った。人間とは思えない握力であり得ないチカラを持ったこの少女。
周防桜火。ずっと大切な人を。苦しんでいても助けてくれる人を探している。その少女はずっと一人で雨の中濡れもせず、立ちすくんでいたーーーー
「理岳君、ちょっといい?」
了さんに呼び出された。何だろう。
「私の今日の服装はどう見えるの?有生ちゃんに聞いたら分からないって言って笑われたの。何かおかしいところはある?」
おかしいところはないよな。ゆったりした白いレーヨンシャツにチェック柄の濃い緑のプリーツスカートにきて靴は黒色のショートカットのブーツを着ている。
「いや、全然問題ないです。今日はどこかお出かけですか?」
「うん、ちょっとね。」
なんで目を合わさないんだろ。何か隠してるのだろうか、下をずっと見てる。
パッと驚いたように慌て出した。
「私出かけます。夕方まで居ないからね。」
「はい。気をつけて。」
「うん。」
何だろう。
そう考えていると誠さんが歩いてきた。いつもの高級そうなスーツ。手に何か持っている。スーツにスーツ入れ?どういうことだ?
「あ〜理岳君。今日は休みだから。ちょっと出かけてくるね。皇ちゃんもいまは何もしてないから。ずっと思ってたことなんだけどね、仕事ばっかりするわけにもいかないから。少し外に出ていろんなところに行こうと思ってね。それじゃあね。夕方まで戻らないから。」
「はい、お気をつけて。」
「うん。行ってくるよ。」
何だろう。僕も休みか。何しようかな。皇ちゃんのところに行くか。なにもすること無いしな。
「おはよう」
「うん、おはよう。リー君。」
「みんな出掛けてるって。何か外でやることあるのかな?」
「うん、用事があるって。」
「何読んでるの?」
「うん、昔の小説。」
少し分厚い本。カバーには英字で何か書いてある。KUZE。
「そっか。皇ちゃんは今日、それ読むの?」
「うん、マー君に渡されたの。」
「ふーん。そうなんだ。」
「リー君は何かしないの?」
「まだ何するか分からない。」
パタンと本を閉じる。なんかずっと黙ってるけど、なにかあるのか?
「リー君、私とどこか出かける?」
「えっ?うん、いいけど。」
「うん、準備してくるね。」
「うん。」
「リー君も準備してね。」
早足でどこかに出かける。外か。皇ちゃんはどんなこと考えて出かけるって言ったんだろう?
まぁ、準備するか。
理岳は皇と出かけるための服を選んできた。
綿生地の白いカットソーに茶色のカラーストレートパンツ。フード付きの濃い赤のダウンジャケットで
靴は暗めの濃い緑のエンジニアブーツにした。
皇を待つ。時間がかかるのか、何かを準備しているのだろうか。
理岳は下を向きながら待っている。
「リー君。」
皇ちゃんが出てきた。少し恥ずかしそうにしている。
綿生地とレーヨンの白いプラウスで薄い黄色の少し丈の長い幅広のコットンナイロンミディアムスカートで茶色のミディアムカットブーツで部屋から出てきた。スカートに青色のサスペンダーをつけている。
このあと戦争が起こるんだろうな。
理岳はこのデートのことをあまり覚えていない。
戦争って何ですやろ⭐️




