表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/59

30.作戦会議!?

「凛津、俺はやっぱりお前が好きだ!」


「ダメっ! 全然ダメ」


有里ねぇが手で大きくバッテンを作る。


「凛津! 好きだーっ!」


「うーん。 もうちょっと優しく?」


「凛津……好きだ」


「なんか違うんだよな〜」


そう言いながら有里ねぇはうーんと唸っている。


「じゃあどうすればいいんだよ! てか、そもそもこれなんなんだよ!」


俺は確かさっきまで、有里ねぇと一緒に凛津を取り戻すとかいう話をしていたはずなんだが……


「さっき言ってた『凛津奪還作戦ver.β』の一環だよ?」


「これのどこが!? てか『凛津奪還作戦ver.β』ってなんだよ!」


「だから! 優太が凛津に『凛津悪かったな……俺はお前のこと愛してるぜ!』って言って凛津のハートを取り戻す作戦の事だよ?」


「そんな簡単にいくものなの!? てか、ver.β絶対いらないだろ!」


「いやいや! 絶対いるよ!」


「はぁ……どうせロクでもない理由なんだろうけど、聞いても良い?」


「ふっふっふっ! それは……ズバリ凛津が怒ってる理由は、私と優太がベタベタしてたから!」


そう言いながら有里ねぇはドヤッとした顔で俺を見た。


「は?」


「まだ分からないの!? ベタベタ、ベータベータ、β?」


「ならねぇよ!」


俺は改めて、有里ねぇの『私に任せて』は、やはり当てにならないという事を思い知らされたわけだが


「……ていうかさ、その前に、物事には順序ってものがあるでしょ」


「順序?」


有里ねぇは全くそんなことを考えていなかったのか、キョトンと首を傾げる。


「そう。まずは凛津に昨日の事をちゃんと説明して……って言ってもなんて言えば……」


実際、有里ねぇとキスしたのは本当だしな……。


すると、そんな俺の考えを読んだかのように有里ねぇが


「優太? あのキスは私からしたんだから、優太は気にしなくていいんだよ?」


そう言った。


「……分かった」


とは言うものの、やっぱり俺としては、少しは意識してしまうもので……


俺は真っ赤に染まっているであろう、自分の顔を隠すように有里ねぇから視線を逸らした。


「ん? 優太どうしたの?」


「なっ、なんでもないよ……で、さっきの話の続きだけど」


「うん」


俺は気を取り直して話を続けた。


「まずは昨日のことを凛津に説明する」


「うん」


「それから、横川が本当の彼氏なのかを確認する」


「えっ? 本当の彼氏なんじゃないの?」


「うーん。俺は正直、あの横川って人は彼氏じゃなくて、彼氏役なんじゃないかと思ってる」


「その理由は?」


有里ねぇにそう問われ、俺は昨日のリビングでの出来事を思い返す。


「昨日さ、凛津が……ずっと暗い顔してたんだ」


「それだけ?」


「……うん」


そう……ただそれだけ。


自分がめちゃくちゃな事を言っていることは十分、分かっている。



「……でも、もし凛津が本当に好きな人と一緒にいるんだとしたらあの時、あんな顔はしてなかったんじゃないかなって……」


有里ねぇは俺の話を聞いてから少し間を置いて


「うん……そうだね。凛津は好きな人といる時は、いつもどこか嬉しそうだったから……」


そう答えた。


「優太」


「ん?」


「凛津も優太の事、大好きだと思うよ……だからさ」


そこで有里ねぇは息を吸い込んでから


「絶対! 凛津を取り戻そうね!」


打算など一切混じっていないような、真っ直ぐな瞳でそう言った。


「うん……」


「て事で……そうと決まれば、練習! 練習! 私に続いて! 『凛津、俺はお前が好きだ!』」


「今の話聞いてた!?」


「え?」


有里ねぇは再びキョトンと首を傾げた。


「……」


本当に有里ねぇに任せて大丈夫だろうか。


そんな不安を胸に『凛津奪還作戦ver.β』の幕が上がった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ