アレンの謀略
シキ達に救われた後、俺はシキにいくつかの質問をした。
その結果、わかったことは、
頭をつぶされて死んだと思っていたゼロが無事だということ。
シキの配下はトーカを含め、全員シキの作った人形だということ。
シキは元人間で、今の体に魂を移し替えているがクレアと子をなすことができる。
シキがヤバい奴だということ。
......以上の四つだ。三番目は聞いていてあまり気分のいいものではなかったが、仕方あるまい。
クレアはもう父親の腕の中には戻ってこないのだ。
そして最後に、シキとクレアを結婚させる大義名分の件だが......俺はもう、いろいろ面倒くさくなったのでシキにある提案をした。
要約するとこうだ。
王都付近に土地をやるから好きにしてくれ。文句を言いに来る奴はそっちに丸投げするから何とかして。その代わりこちらの法律は適用しないからそちらの裁量でやっていいよ。
という内容だが、シキは快諾した。そもそもシキは何にも縛られたくないので勝手にできる土地というのは都合がいい。俺はそこに反対してくる腐った変態貴族どもをけしかけるだけ。後はシキが配下を使って適当に処理してくれる。そうして貴族の力を削げば俺の発言権も強まるからクレアの結婚もスムーズに進む。たがいにとって益しかない話なわけだ。
......いや、クレアが結婚する時点で多大な損失だな。
往々にして国王が暴政をした歴史は多いが、シキはクレアの治療に来た時、俺の政治を評価していた。おそらくだが、もしも俺が暴君などになったら強制的に止めてくれるだろう。
そして反抗してくる貴族の勢いをさらに増やすために俺は公式の場でシキに『人形王』という称号を与える予定だ。
すると冒険者が王を名乗ることに不満を抱いた貴族はシキを探し、消そうとして、自滅する。
そうなればシキの力は世界に広まり、シキ自身の権力や影響力も強まるだろう。
ついでに友好関係を築いている俺の立場も上がればなおよし。
......さて、現実逃避はやめて増殖した書類を処理するか。




