表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NO COURAGE   作者: yu→K1
14/18

page@14

地面が強く揺れ、僕らは足元がふらつきっぱなしになった。


天井、壁に張り巡っていた鏡はヒビが入り、割れて落ちてきた。


下りの階段のくぼみに僕たちは避難した。


「あいつは確かに、私の矢で消えたはずなのにどうして声が聞こえたんだ?」


クオンは疑問を隠せない表情で言った。



そして、音が落ち着いて、揺れも無くなった。


その時だ。




「ガルルルルラァーっ!」


雷鳴のように、何かの咆哮が聞こえた。


僕は上を見た。

さっきの天井は突き抜けていた。


先ほどの咆哮が聞こえた方向を見てみると…

黒くてツヤのあるうろこ、鋭く尖った爪、光をかき消すような真っ黒な翼。


黒龍ベラフェルトだ。


「ソラさん、あれはベラフェルトではなさそうです。なにかに乗っ取られ、支配されています。多分、リリスによるものではないでしょうか。」

ベルはただならぬ表情で僕に伝えてきた。


「みんな!ベラフェルトだ!リリスと融合してるみたいで、もっと強力になってるはず。

無理だと思ったら、絶対に逃げてくれ!」


「ソラ、こんなとこまで来たのに逃げるわけないだろ。俺は死なないし、他の奴らも守る。任せとけ!」


僕の言葉にエドワードはとても心強い言葉で返してきた。


「オマエラ、ゼッタイコロシテヤル。」


やはりリリスだ。リリスはベラフェルトを乗っ取っていたのだ。


-GIANT KILLING-


エドワードの体が、どんどん鬼のような体に変化した。肌の色は、赤くなりツノが生えていた。鬼人化したのだ。


「説明しとこか!エドワードは、魔法とか無理やけど、自分の体をいろんな生物と合体した融合体になれんねん!この技にはもう一個すごい所があんねん!相手が自分より優れてれば優れてるほど強くなれんねんよ!逆に相手があんまり強くなかったら、弱いけどな!」


ハクがこんな非常事態にも関わらず、技の説明していた。

僕には半分くらいしか聞こえていなかった。


「倒ス。…行クゾ。」

エドワードの口調が変わっていた。


ドンッと地面に鉄球を落としたような音が聞こえた後、エドワードは瞬間移動したように龍の目の前にいた。


「ドゥオォォっ!」

そして、右ストレートを龍にぶち当てた。


龍はふっとんだが、やはり段違いの強さのようで、あまり効いてなかった。


「ジャイアントキリング状態のエドワードの攻撃が効いてないってどーゆーことなん?ありえへん!」


ハクは龍の強さに少し乱されていた。


「ハハハ、ワタシニカナウワケナイダロ。アキラメロ。」



「あきらめない。絶対に僕は…僕たちはお前を絶対に倒す!」


龍の口から、獄炎の咆哮が飛んできた。


「ブオォォォ!」


辺りは炎に包まれ、僕は1人孤立してしまった。


「ソラっ!大丈夫?私とハクと辛うじて避けたよ」


「僕も大丈夫、エドワードが時間を稼いでる間に、聞いてほしいことがある。」


「無茶はしないでほしい。絶対に。だから、ハクが無理と思えば、クオンと先にこの塔を脱出してくれ。」


僕はこの絶対という約束に対して、反論できないような表情で話した。


「わかった…」


そう言って、2人は頷いた。


エドワードが龍にぶっとばされ、ハクとクオンの近くに落ちた。


だめだ。これは危なすぎる。

僕はみんなを守りたい。


「ハク、みんなを頼むよ。必ず倒して戻る。

ちゃんと僕だって、みんなみたいにすごくなりたい。こんなとこで負けるわけにはいかないしな!みんなを連れて、外に行け!」


「わかった、絶対戻りや!絶対やで!」


-ワールドダイブ-


ハク、クオン、エドワード、ベルを光が包み込み、移動魔法が発動された。


「ハクこんなことしないで!ソラ1人で龍相手になんかできないよ。守れないじゃないか。」


ハクは苦しそうにクオンの言葉を聞き流した。


「大丈夫だよ、クオン!絶対に帰ってくるから。ハク行ってくれ!」


「ソラぁぁぁ!…」


クオンが泣きながら必死に止めようとしていたが、移動は完了した。


ふぅ。さあどうするか。


「オマエヒトリデナニガデキル?シヌダケダ。」


「どうかな?お前なんかに僕は立ち止まれない。ここで倒させてもらう。」


ん?なんだ?左腕が光り輝きだした。


ー冒険者よ、力を授けよう。君に勇気が芽生えた時、さらなる力を得るだろうー


そして、頭に直接話しかけられた感覚で知らない男の声が聞こえてきた。


まったく僕には理解できなかった。

ただ新しいスキルを修得したようだ。


-神打一閃(しんうちいっせん)-


さあ行くか。みんな待ってるし。



僕と龍の一対一の戦いが始まった。

龍からの攻撃はすさまじい勢いでやってきた。

だが、なぜだか僕は全ての攻撃が遅く感じたのである。


「ナゼアタラナイ?」


龍が動揺を隠しきれない様子である。




体が軽い、なぜだろう。


僕はこの勢いで、斬撃をとてつもないスピードで与えた。


「グアァァァ!!」


龍は、ダメージに耐えれずよろめいた。


「さあ、もう終わりにしよう。行くぞ…」


「ナニガオワラセルダ、シネエエエ。」


神打一閃。

光速に近い、スピードで龍の体を貫いた。


戦いは終わった。

ベラフェルトと共にリリスは完全消滅した。


上から龍玉らしい、虹色に光る玉石がゆっくりと落ちてきた。

龍玉を手に入れた。


「僕にもできたよ、メイ……」



僕の意識は遠のいていき、気を失った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ