第十五話 【俺の知らない非現実的な世界】・
「そんなに驚くな。僕は化け物じゃないから」
女の子はそう言って冷たい笑みを浮かべ俺を見た。
その女の子の身長は145センチくらいで胸はぺたんこ。
顔の幼さからして十二歳か十三歳くらいに見える。
声はアニメでいうロリ系の高く可愛い声で、『僕』という一人称がとても似合っていない。
見た目はとても日本人には見えないのだが、だけど日本語を普通に話している。
それにしても、先ほどの悲鳴の声と似ている。やっぱりさっきの悲鳴はこの子のものだったのだろうか?
というか! 何であそこから落ちてきたのに生きてるんだ!? 普通は死ぬだろ?
俺は再び天井を見上げた。
「あれ? なんで上なんて見てるんだ? あ、そっか、どうして生きているのかって思ってるのか?」
女の子はそう言うと俺の頬から添えていた手を離した。そして腕を組んで行幸を見る。
「あのさ、正直に言うとすっごく痛かったんだよね。僕の意識が飛ぶくらいにね。でもまぁこの世界では死ぬという設定が無いから死ななかった。でも痛かったんだぞ?」
女の子は腕を組んだまま無い胸を張った。
行幸は眉間にシワを寄せて女の子を見た。
こいつ、なにを訳のわからない事を言ってる?
この世界がどうとか、設定がどうとか、死なないとか? なんなんだ?
そういえば今こいつは『僕』とか言ってるけど……
もしかしてこいつは男か?
行幸はそんな疑問を抱いてジロジロと女の子の全身を見る。
しかしどう見ても女にしか見えない。
もしかして、こいつも体だけが女になってるだけ? 俺もこんな格好で中身は男だしな。
行幸がそんな事を考えていると女の子がいきなり行幸の名前を呼んだ。
「高坂行幸!」
突然名前を呼ばれて行幸は焦った。
こいつ俺の名前を知ってる? 何でだ? 教えてもいないのに!
「そんなに驚くなよ」
女の子は行幸の周囲をくるりと一廻りする。
そして、行幸を横目で見た。
「ふーん……元は男の癖にかわいいじゃないか。それにムカつくほど大きい胸だし……お姉ぇもこんなかわいい女にしなくても良かったのに。ブスでよかったんだよブスで」
女の子はすごく不満そうな表情で行幸の胸部をじっと見た。
言っておく、かわいいのは俺のせいじゃないし、かわいくても嬉しくない。
だけど、今この女の子が言った言葉は頭に引っかかな。
『お姉ぇもこんなかわいい女にしなきゃいいのに』って何だ?
この女の子は俺を女にした奴と関係あるのか? そうなのか?
「おい、お前って、もしかして俺を女にした奴を知ってるのか?」
行幸は座り込んだまま女の子に聞いた。
「え? なんの事かな? 僕は何も言ってないだろ?」
女の子は明後日の方向を見る。
「誤魔化すなよ。言っただろ? 俺の質問にちゃんと答えろよ」
行幸が問い詰めると女の子の顔はかなり不機嫌な表情になった。
「何で僕がお前にそんな事を教えないといけない訳?」
「俺も好きでこんな姿をしてる訳じゃないんだ! お前は俺が元は男だったって知ってるんだろ? という事は他にも何か知ってるんだろ? 教えてくれよ。ここは何処なんだよ? お前は誰なんだよ? 俺はどうやったら男に戻れるんだよ」
目の前で女の子の頬がひくひくと痙攣し始めた。そして顔がだんだんと真っ赤になってゆく。
「煩いな! じゃあ答えてやるよ! まずここは魔法で作られた世界だ! そしてこう見えても僕は女だ! 男に戻る方法は別に奴に聞け!」
何だこいつ、何でキレてるんだ? 最悪な性格だな。
しかし、行幸が良く女の子を見ると、怒った顔が妙にかわいい事実に気が付いた。
女の子は結構アニメ顔で、銀色の髪で、目もパッチリと大きくって、見た目は本当にアニメキャラだった。
これで胸がある程度あって大人しかったら完璧に行幸のストライクゾーンだ。
そう思いながら行幸は無意識にじっと女の子の胸を見てしまう。
「おい、お前! 何で僕の胸を見てるんだよ! どうせ無いからだろ! どうせお前と違って僕の胸はぺったんこだよ! で、でもな? お前みたいに饅頭を入れたような無駄にデカイ胸はきっとすぐに垂れるんだからな!」
何でここでまた逆切れするんだよ? こいつマジで性格悪いな。
「なんでお前が切れてるんだよ。俺はお前の胸がどうこうって言ってないだろ?」
「煩い! もう僕は怒ったぞ」
いや待て、だから何で怒るんだ。
「まぁ待てって、冷静になれよ。せっかくそんなに可愛いのにさ、女の子は怒っちゃだめなんだぞ?」
行幸の言葉に女の子の顔がさらに真っ赤になった。
湯気が出そうなくらいに耳まで真っ赤になってしまう。
「か、可愛い女の子とか……馬鹿にしやがって!」
女の子はそう言うといきなり右手を高々と上げる。
「風の精霊よ! 僕に力を貸して!」
「おい、俺はまったく馬鹿にしてないだろ? っていうか精霊って何だよ?」
行幸は気が付いた。
周りの空気が序所に行幸に向かって動き始めている。
押し返せない程に重くなったその空気は行幸の自由を奪った。
そしてその空気に持ち上げられる様に、行幸の体はゆっくりと空中へ浮かんでいく。
「ちょ、ちょっと待った! なんだこれは!? 待て待て! 俺は何も悪い事はしてないだろ!」
行幸は大声で叫んでみる。すると女の子は行幸に向かって怒鳴り始めた。
「煩い! 黙れ! この脂肪乳!」
「え……いや……マジで何で俺が責められる?」
「よし! 僕を馬鹿にしたお仕置きだ!」
「ま、待った! だからお仕置きって何だよ? まったく馬鹿にしてないだろ!」
女の子は右手を自分の頭の上にあげて、くるりと時計回りに回しだした。
「いけえええ! すくりゅうううううどらいばああああ!」
女の子は先ほどとは打って変わり楽しそうに、まるで格闘ゲームの技を出すかのように言葉を発した。
その瞬間に行幸の体が、まるでドリルの如く勢いよく横回転しながら一気に上昇してゆく。
「ひゃあぁぁ!」
キュウウウウウン!
ピタ!
天井ぎりぎりの所で行幸の体はぴたりと止まった。
行幸の額から冷や汗が流れる。
危なかった…こんなの直撃したら死ぬ……っていうか、何だ? 何なんだよ!
これって普通じゃないだろ! あいつオカシイだろ!? って言ってる場合じゃないな……とりあえずここから降りなければ。
「お、おーい……あのさ、降ろしてもらえませんか?」
行幸は大きな声で嘆願するが。
すると下から先程の女の子とは違う女性の声が聞こえる。
しかし行幸は体が完全に硬直していて様子を伺う事が出来ない。
「こら! シャルテ! 何をしているのですか!」
この声は? 最初に返事をしてくれたあの女性の声か?
「うわ! リリア姉ぇ!」
あの女の子はシャルテっていう名前なのか。
さっきの大人びた声の女性がリリア?
しかし、どっかで聞いたような名前だな……っていうか俺の声は届いてないのかよ。
「ちょっとシャルテ! 何でみゆきさんがあんな所に居るのですか?」
どうやら俺の話題のようだ!という事は床に降りれるのか?
「だって! あいつ僕をペチャパイとかチビとかブスとか言ったんだよ?」
な、何を言ってるんだあいつは!
可愛いって言ったんだぞ? チビもブスも言ってねー!
「こら! おいシャルテっていうの! 俺はまったくもって一言もそんな事は言ってないだろ!」
行幸は硬直したまま大声で怒鳴った。
「お、お前、さっき僕に可愛いって言ったろ!」
「それは褒め言葉だろ!」
「嘘をつけ! 可愛いとか思ってもないのに可愛いとか言うな!」
こいつめんどくせぇ……
すっげー素直じゃないっていうか…もう何って言えばいいのか、言葉にならない。
「シャルテ、とにかく降ろしてあげなさい!」
リリアという女性の慌てた調子の声が聞こえる。
「はいはい、解ったよ。降ろせばいいんだろ…降ろせば。せいの! ほい!」
その瞬間、行幸の呪縛が解けた。
やった! 硬直が解けたぞ! ってえ? 何だ? 体が!?
その後、行幸の体でニュートンの法則が忠実に実行された。
万有引力というのはこういう事なんだ、勉強になるね! ってそうじゃないだろ!
空中で制御も効かずに勢い良く落ちてゆく行幸。
見る見る迫る真っ赤な絨毯。
このままじゃ俺の血で真っ赤な絨毯を更に真っ赤に染める事になるじゃないかああ!
「うわああ! 助けてぇぇ!」
行幸はじたばたと体を動かしながら叫んだ。
お、落ち着け……俺、落ち着くんだ。
考えてみろ、どんなゲームでもそうじゃないか。
主人公がピンチに陥った時はギリギリで誰かが助けてくれるはず。
そして主人公は最終的には助かる。
だから俺が地面に叩きつけられる前に誰かがきっと助けてく……
その瞬間、行幸は凄まじい衝撃に襲われて気を失った。
☆★☆★☆★☆★
「うーん…」
行幸は意識を取り戻した。
少し硬い床に横になっているのが背中から伝わる感触でわかる。
行幸はゆっくりと目を開く。そして倒れたまま周囲を見渡す。
すると視界には天井まで二十メートルはあろうか大きな空間が広がっている。
石造りの建物……赤い絨毯の敷き詰められた床。
ここは何処だ? 俺は確か空中から落下して床に叩きつけられたような気がする。
でも、どう見ても見覚えのある空間な気も……って、さっきと同じ場所じゃないかよ!?
行幸は慌てて立ち上がった。
「おい! 誰か居ないのかよ!」
行幸は大声で叫んだ。
広い空間に行幸の声が木霊する。
「はい、居ますよ! ちょっと待ってください!」
何処からともなく女性の声が聞こえた。っていうかさ、これってさっきと同じパターンじゃないのか?
あれ? さっき俺は確か空中から落下して床に叩きつけられて?
さっきのは夢か何かだったのか? それともデジャブ!?
そういえば服装は? やっぱりさっきの夢と同じメイド服のままなのか?
行幸は慌てて自分の格好を確認した。
確認するとメイド服のままだった。
待て待て! メイド服に真っ赤な血が大量についているジャマイカ!
「な、何じゃこりゃあぁぁぁぁ!」
行幸は太陽に○えろバリには思わず叫んでしまった。
こ、これって血だよな? 何で俺が血まみれのメイド服を着てるんだ!?
よく見れば行幸の足元の真っ赤な絨毯が真っ赤な血でで染まっている。
という事はさっきのは夢じゃなかったのか!?
その時、行幸の目の前にはさっきの女の子とは違う女性が現れた。
女性は銀髪の腰まであるロングヘアで、瞳は透き通るような青色。
身長は170センチくらいだろうか? スタイルも抜群でまるでゲームのヒロインか女神かと思う程に綺麗な女性だった。
誰だろう? もしかしてこの女性がさっきの声の主なのか?
「あ、あの…貴方はどなたでしょう?」
行幸がそう聞くと女性はすぐに返事をした。
「私の名前はリリアです」
聞き覚えのある名前だ。確かさっき空中にいた時に聞いたような…
「リリアさん、俺はどうしてここに居るんですか? そして何で血まみれなんですか?」
リリアは困惑の表情を浮かべた。
「すみません、ちょっとした手違いでみゆきさんは先ほど死ぬ程のダメージを体に受けてしまいまして……」
「え? 死ぬ程のダメージ? でも死んでないんだけど?」
「それはここが普通の世界ではないから」
「意味がちょっとわからないんですけど?」
「ええと、たぶん記憶にあるかと思うのですが、先ほどみゆきさんは空中から落下して床に激突してしまいました。それでみゆきさんは見るも無残に、グロテスクに、複雑骨折、内臓破裂、グチャグチャになってしまいました。そして、思念まで消えてしまいそうに」
女性はそう言うと苦笑を浮かべている。
「ちょ、ちょっと待て下さい。グチャグチャって何ですか!? 思念まで消えてしまいそうって何なの?」
行幸がそう質問すると女性は申し訳無さそうな表情で視線を外した。
「お、おい! 何ですかその態度は!? 何があるんだ? 俺はもしかして死んだりしてるの? 今の俺はゾンビなんですか? それとも幽霊なのか!?」
行幸は女性に向かって叫んだ。
すると女性は視線をはずしたまま話を始めた。
「い、いえ…大丈夫ですよ。私の魔法で思念の再構成をして無事に元の思念の状態には戻りました。ですが…」
「思念とか再構築とか元の状態とか訳わかんねーけどまだ何かあるの?」
「ええと…バストサイズを間違って三センチ小さく構築しちゃいました」
「へ?」
行幸は自分の胸をメイド服の上からじっと見た。
正直どこが変化しているのかまったく解らない。
「ごめんなさい……女性にとっては重要なことなのに……」
「え、えっと……俺は男だし、胸とかそんなのどうでもいいんだけど」
「だ、大丈夫ですよ! 現実世界の貴方のバストサイズは変わってませんから!」
現実の世界? 何だそれ? と言う事は、ここは現実世界じゃないって事だよな? そう言えば、さっきの女の子が魔法世界とか言ってたけど?
これは説明をちゃんとして貰わないとわかんねぇ。
「リリアさん、まずここは何処なのか、貴方は何者なのか、さっき俺を酷い目に遭わせた女の子は誰なのか、俺が男に戻るにはどうすればいいのか、そこらを教えて貰えませんか?」
女性は行幸の質問を受けるとキョロキョロと周囲を確認する。そして話を始めた。
「みゆきさんの質問に答えますね。まずここは私の作った魔法世界です。今の貴方は思念体で、本当の肉体は現実世界の貴方の部屋にあります」
「何だそれ? 魔法世界? 思念体?」
「うーん…どう説明すれば良いのですかね、ええと、魔法世界とは私が作り上げた現実には存在していない夢の世界? のようなものです。人の思念を具体化する事によって現実世界と同じような感覚で存在、行動が出来る世界なのです」
「ようするにこれは夢なのか?」
「近いですが夢ではありません。この世界から出たとしても私も貴方も同じ記憶が残ります」
「じゃあここはリリアさんの作った世界って事なのか? 仮想の世界? ゲームの世界みたいなもんか?」
「そうですね、ネットゲームは仮想空間で皆と遊び、その空間での出来事を他のプレイヤーと共有しますよね。ここはそれがもっとリアルになったという感じですね。肉体は貴方の部屋にありますが、思念はこちらへ完全に移っていますのです」
「なるほどな…って言われても信じがたいけどな」
「そうですね、なかなか通常では経験出来ないですね」
リリアという女性は少し落ち着いたのか、緊張感がいつの間にかなくなっている。
「で? リリアさんは何者なんですか? 正直、さっきの話もまだ信じれないし……あれです、俺は自分の体が女になったという有り得ない事が現実に起こってるんで、だから何を言っても驚かないから説明して下さい」
リリアはおどおどとして少し考えると、突然真面目な表情で行幸の目を見て話を始めた。
「そうですね、ご迷惑をかけたのでお話します。まず、私は…」
「お姉ぇ! ちょっと待った!」
いきなり甲高い声が建物内に響く。
気が付くとリリアの目の前に先程の女の子が立っているジャマイカ。
「シャ、シャルテ!?」
リリアは驚いた表情でシャルテを見た。
そしてシャルテはむっとした表情でリリアを睨む。
並んでみればシャルテとか言う女の子の雰囲気がリリアにすごく似ている。
二人が姉妹というのは本当みたいだ。
「お姉ぇ! 何で正直に話そうとする訳? 今回の目的はそんな事じゃ無いだろ?」
「え? ですが…もうあまり隠すのも悪いかと…」
「何を言ってんだよ? 今話したら折角の作戦が台無しだろ!」
二人が言い合いになっている。それも妹の方が強い。
何の会話をしているんだこの二人は? 作戦とか台無しとか。
俺に関わる事には違いないだろうけど。
「おい! みゆき!」
シャルテは突然行幸の方を向くといきなり呼び捨てにした。
「な? 何だよ」
「僕の名前はシャルテだ! こっちのは僕の姉でリリア! ここはリリアお姉ぇの作った魔法世界。あんたはさっきグチャグチャになった! 以上だ!」
シャルテは『ふん!』と鼻息を噴出し腕を組んだ。
本当に可愛い容姿なのにこの最悪な行動態度と話方は一体何なんだ。
お姉ちゃんに似て無さ過ぎるだろ? 見た目以外のすべてがさ!
補足だ! 年齢差を考えてもバストサイズはまったく似てなかった!
リリアは結構ありそうだがシャルテは成長しそうに見えない。って何を馬鹿っぽい事を考えてるんだ俺は……
そうだ、あれを聞かないと。
「おい、男に戻る方法を話して貰ってないぞ」
「煩いな! 今から説明するんだよ! ちゃんと聞けよ!」
な、何だこのガキは! さっき以上だ! って言ってただろうが!
あームカツク! こういう奴はいくら可愛くても大嫌いだ!
「それだったら早く話せよ!」
「ふん! じゃあ話てやる! リリアがな!」
「ぶっ」
お前が話すんじゃねーのかよ!
「お姉ぇ、解ってる? 余計な事を言っちゃだめだからな」
シャルテはリリアにそう言うと、リリアの後ろへと下がった。
「えっと…それでは私からみゆきさんが男に戻るためにやらなければいけない事をご説明致し…」
ジジジジジジ!
リリアが話しをしている途中でいきなり空中から電気の感電するような音が聞こえだした。
その瞬間だった。
ドガーン! ガラガラ!
激しい爆発音が聞こえたかと思うと辺りは霧か煙か解らないもやのようなものが立ち込め、突然世界は真っ白になった。
「え!? な、何だ!?」
「ちょ、ちょと! リリア姉ぇ! 誰か魔力転送してきたぞ! もしかしてみゆきの体に掛かってる転送魔法ってそのまんまなの!?」
「あ、解除を忘れてました」
「ば、馬鹿! それじゃダメじゃん!」
真っ白な霧の中で二人の言い合いが聞こえる。
しかし、何が起こったんだ? 転送魔法とか言ってる?
行幸はゆっくりと霧の中を歩いてみた。
すると真っ赤な絨毯の上に誰かが倒れているジャマイカ。
薄っすらと見えるのはメイド服。
女の子か? 誰だろう?
さっきの二人の話からすると俺の部屋から来た人間って事になるのか?
それにしても何故メイド服なんだよ。あの二人の趣味か?
行幸はその誰かを確認しようとゆっくり屈み始めた。
するとその瞬間だった。周囲の白い霧のようなものが一気に晴れる。
そして、行幸の目の前の絨毯の上には、メイド服姿の行幸の良く知る人物が気を失っていたのだった。
「こ、幸桜!?」
後書き人物紹介!⑩
シャルテ 女の子 一人称は『僕』で口調も男っぽい
年齢不詳 見た目は十二か十三歳
髪の色 銀色で腰まであるストレートヘア(現実世界ではツインテール)
身長 145センチ 体重 35キロ 胸なし?
見た目はおもいっきり異国人っぽいが、行幸に対して日本語を普通に話してきた。
二十メートルの高さから落下しても大丈夫な程に頑丈な思念体を構成出来る能力者。(行幸はぐちゃぐちゃになった…)
魔法も使えるので人間じゃないと確定。
見た目の可愛さとは裏腹に男っぽさ全開で生意気な小娘。
男に褒められる免疫が無い為にちょっとした行幸言動に顔が真っ赤。(女の格好でも行幸は男で認識している)
リリアとシャルテは姉妹で今後?行幸と重要な部分で関わりあうと思います。この子は見た目や年齢以上に考えはしっかりしており、リリアが素直な分シャルテが助言をしてリリアを制御?しています。やはり欠点は我侭。