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転生サキュバス9

女性軽視、種族(サキュバス)差別、的な発言がございます。苦手な人は読み飛ばしてくださいませ。


クーちゃんの部屋から出てきたのはクーちゃんじゃなかった。

そもそも性別が違う。

出てきたのは半裸の男の人。ズボンははいているが、上には何も着ていない。

髪もカラフルに染めてあってどことなくチャラい雰囲気の人。


思わず退路を探す。後ろに階段がある。

両手にはお盆があるし、これを投げつけて落ちるように階段を下れば・・・・・・・

とまで考えてからサキュバスの家では半裸の男の人が出てくるぐらいあり得ないわけじゃないことを思い出した。


「あれ、どちらさまっていうか、おねえちゃんか?どうも、おじゃましてまっすー。」

「は、はい。」


じろじろと体をぶしつけに見てくる。

もうそれだけで逃げ出したくなる。

危害を加えてくる男なんかそんなにいるわけじゃない、とは知っている。でも。


「ひゅー。サキュバスだけあってやっぱりレベルたっけーなー。一緒にやってかねー?」


男の人が近づいてくる。

近づいてくるにつれて嫌いな(怖い)匂いがする。

おそらく部屋でサキュバスの食事をいたしていたんだろう。

猛烈に湧き出した吐き気とめまいでぐるぐるになった頭でなんとか返事をする。


「いい、です。」


ああ、言葉ってなんて難しい。

いらない、って意味の「いい」なのに男の表情がにやっと笑ったところを見るに肯定の「いい」って伝わってるみたい。何か言わないと。そんな汚らわしいことするわけないのに。

もう男の中では断られることなんて微塵も選択しに上がっていなかったのでしょう。


どこか自分を客観的に見てるような、ピンチだと分かってるのにどうにも足が動かないような。


「そうこなくっちゃ。妹ちゃんの部屋でいい?それともお姉さんの部屋?」


男がなれなれしく肩を抱いてくる。

怖気と鳥肌が立つ。

何か、言わなくちゃ。何か。何か。

そう考えても役立たずな頭も脳も何も答えをはじき出してくれない。


「あれ、っていうか他にも女の人来てるの?そのお菓子妹ちゃんに持ってきたんじゃないよね?

 だったらその人たちも呼んでさ、一緒にしようよ。」


一緒に・・・・・・あいらちゃん、きゅうちゃん。

二人の顔が頭に浮かんだ瞬間少し力がわいてきた。今なら何か言えそう。


「い、いやです。」


男の人の顔をくっと見据えて・・・・・は怖いから肩の辺りを見て断りの言葉を吐く。


「あん?いやいやいや、急にどうしたよ。さっきまでいいって言ってたじゃん。自分の言ったことに。責任持とーよ。いいじゃん。何気にしてんのか知らないけどさ、やってりゃ気にならなくなってくって。」


おちゃらけ風に言ってるけど分かる。

一瞬男の顔がゆがんだ。自分の思い通りにいかなくていらだっていた顔。そこからもう強引に連れて行こうという魂胆。それがい透けて見えるだけに怖い。


「い、いやだとさっきも」

「いいっしょ。どうせサキュバスなんてやってりゃ満足なんでしょ。人数もいるからさ。十分だよ、お姉さん。」


いらついた男の人の顔がせまる。口びるがせまる。もうこのまま流してしまおうと。



身勝手に

自分勝手に

快楽に流され

思考を停止して

相手の事を考えず

所詮女だと考えてか

物とでも思ってるのか

ただただ欲を貪るために






頭の中でぐるぐると思考は回るけど、体は石になったみたいに動かない。



より優しい書き方をするか迷いましたが、種族(サキュバス)に対する感覚と主人公の感覚のずれがよく分かる話になるかと思いましたのでそのまま投稿させていただきました。また、主人公の男の人に対しての感覚についても書きたかったのでこうなりました。(多分ここまでこの作品を読んできた人の中に今話ぐらいの表現を蛇蝎のごとく嫌う人はいないかな、という予想もかねてます。)

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