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21.作ってきましたよ。

朝日が昇り始めた頃、私はキッチンに立っていた。私専用のキッチンだ。

もう一つ、厨房があるけれどそこでは料理人の邪魔になると思ったから放置されていたキッチンを綺麗にして使っている。


甘い卵焼きにしようか、だし巻きにしようか。

でも、政はピーマン嫌いだから意外と子供舌ってことだよね。

甘いのにしよう。


おかずを作り終え、あとは弁当箱に詰めるだけ。

少しだけ可愛くしてやろう。チビって言ったことへの復讐だぜ。けけっ。


それと、食べ盛りの男子中学生だから大きめのにしよう。

金欠みたいだから足りなくても買えないだろうし…。


「よしっ、かんせーい!」







──まもなく電車が参ります。黄色い線の内側でお待ちください──


昨日のことを思い出してしまったけれど、仕方ない。

それに、政がどこかにいるみたいだし。大丈夫。


二車両目に乗って、政を探す。

動いていれば痴漢にはあわないだろうし。


「おいっ、千紗」


「……政?」


手首を掴まれ、昨日見たばかりの金髪が視界に入る。


「はよ」


「うん、おはようございます。お弁当です」


自分用より、大きめの弁当箱を取り出す。

よかった、厳重に包み込んでて。お弁当の匂いが漏れることはないでしょう。


「ありがと。ピーマンは……」


「もちろん、いれてません。卵焼きって、甘いの好きですか?」


「あぁ…、卵焼きな。俺はだし巻きより甘い派かな」


よかった~!!

選択ミスったらヤバかった。


「やっほー、政、千紗ちゃん」


明るい声が聞こえる。

この声は…。


「月?」


「覚えててくれてたんだ!」


そりゃあ…。イケメンですし。

昨日会ったばかりですし。やっぱりイケメンですし。


「はい」


そんなこんなで三人で雑談をしながら、時間を潰す。

そして、私が降りる駅に着いた。


「それじゃ。弁当箱はあとで連絡してください」


「おう。弁当、ありがとな」


ニカッと笑う政。月は呆れ顔を浮かべていた。

何でだろう?


私はいつもより上機嫌で学園へと向かった。

次話はまた、他者視点です。

他者視点はとばしてもいいです。

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