災害三日目 朝 復興へ
~神水市・神水中央駅前~
「やっと着いた……えっと、沙良姉の家は――」
成美は持ってきた地図を開く。
場所を確認すると、姉の家へと向かった。
「ここか……被害は少なそうね」
空きっぱなしで停止した自動ドアを抜け、マンションに入った。
***
~神水市・クリスタルハイツ~
「確か……802号室だったけな?」
エレベーターは停止しているため、非常階段を上る。
姉の二階堂沙良はモデルの仕事をしており、なかなか予定が合わず会えていなかった。
もっとも、電話やLIMEは頻繁にしていたが。
「姉ちゃ~ん! あ~け~て~」
停電でインターフォンが動かないため、扉を殴ってそう叫んだ。
扉を開き、沙良が顔を出す。
「成美? 急にどうしたの?」
「いや~……家が沈んじゃってさ。ちょっと匿って……いや、泊めてほしいな~って」
「それはいいけど……一晩中歩いてたの?」
沙良は、成美の泥だらけの服を見て言った。
「まあ、うん……」
「……大丈夫?」
「大丈夫」
「それならいいけど……とりあえず、入って」
「わかった」
***
~神水市・クリスタルハイツ・802号室~
部屋の中に入ると、ある程度綺麗に整理されていた。
しかし、背の高い家具などは倒れた状態で放置されている。
「なんで立て直さないの?」
「余震が続いてるからね……あっ、まただ」
地面が揺れ、机の上のペン立てが倒れた。
「余震か……」
「そう。まだ水道やガスも復旧してないし――」
「電気は?」
「昨日の夜復旧したよ。ほら」
沙良がスイッチを押すと、電灯がついた。
「もう? 結構早いんだね……」
「私も驚いたわ。まあ、まだつばき区でしか使えないらしいけど」
「へぇ~……」
「……で、成美の背負ってるそのリュックには何が入って?」
「いろいろ」
「いろいろ、かぁ……まぁいいわ」
「ところで、眠いから眠っていいすか?」
「いいけど……」
「じゃあお休みー!」
成美はソファに飛び込み、寝始めた。
「まったくあんたは……」
ため息をつきながら、いびきをかき始めた成美にタオルケットをかける。
「……あっ、水もらってこなきゃ」
沙良は立ち上がり、給水車の止まる駅前広場へと向かった。
***
「はっ」
成美は目を覚ます。
スマホを見ると、もう昼になっていた。
「あちゃ~……」
ソファから降り、伸びをする。
テレビをつけてみると、ニュースが放送されていた。
『昨夜、気象庁はこの地震を「宮葉県南部巨大地震」と命名しました。
復興作業は順調に進んでいますが、いまだ神水市では断続的な余震が続いています。
なお、今夜にはつばき区でガスが、守坂区、宝丘区で電気が復旧する見込みとなっています。
南沢区では陸上自衛隊による給食支援が開始され、
避難所では温かい食事が提供されています。
以下は、行方不明者の中で安否確認を取れた方々です』
「みんな無事っぽいけど……どこの避難所にいるんだろ」
妹たちの名前がリストの中に書いてあったことを発見し、安堵した。
神水市は、復興へと向かって行く……。
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