不穏な空気
~ルスア中央帝国~
「確かに、巨大地震でニホンの国力は落ちた。
しかしそれでも、我々が追いつけるほどではないな」
「これはもう、友好に切り替えたほうがいいですかね」
「そうだな……しかし、地震のことがばれたら恐ろしい」
「それじゃあ、どうしましょう」
「……よし、装置を開発した奴らを処罰しよう。それだったら、ばれることもあるまい」
「名案ですね!」
中央帝国の指導者たちは陰謀を巡らせ、友好的な関係を模索していた。
その結果として、地震発生装置の開発者や、その関係者を処罰することになったのである。
***
開発者や関係者は軍や研究施設から追放され、拘束される者も現れた。
彼らはかつては国のために技術を尽くしていた人々であったが、
今や国家の敵として扱われてしまっている。
中央帝国は外部に対しては友好的な姿勢を装いつつ、
内部では厳しい監視体制を敷いていた。
国民には地震発生装置の存在やその影響については一切知らされず、
国家の安定と発展のためにはこの情報が秘密とされるべきだという信念が広まることに。
一方で、開発者や関係者たちは秘密裏に結集し、
中央帝国に対抗するための抵抗運動を計画。
彼らは地震発生装置の技術を活用して、
中央帝国の弱点を突いて国家を揺さぶることを企てていたのである。
彼らは地下組織を形成し、情報の収集や同志の訓練を行いながら、
革命の時を待っていたのだ。
そして、そんな革命家たちに、一つの団体が接触しようとしていた。
その団体の名前は『緑の会』……
日本のどこかに本部を持つNPO法人であり、慈善団体である。
志は、志は本当に立派な団体なのだが……それを実現するための手段が
そんな緑の会は、今回も余計なことをしようとしていたのだ。
***
~緑の会本部・会議室~
「諸君。今回の議題は、神水大震災についてだ」
緑の会の会長が、部下の議員たちに向かって会議を開いていた。
「大震災で、多くの人が亡くなった。
これは、我々の信念に基づいて、被災地を支援するべきではないか?
被災地はこれから冬を迎える。
冬を越すにも食料がいるし、 寒空の中仮設住宅で暮らすのも辛いだろう」
「そのとおりです」
「そこで、食料や暖房器具を送るほか――
地震の原因となったものを破壊するべきではないだろうか」
「地震の原因となったもの?」
「ああ。異世界の帝国……ルスアとか言ったかな?
で雇った現地スパイが教えてくれたんだが、
大震災の原因となった機械が、ルスア国内にあるらしい。
そんな物を作ったルスアは、裁かれなくてはならない。だろう?」
「その通りです!」
「はい! 亡くなった方の無念を晴らすべきですよ!」
そう。緑の会の構成員は、いい人なのだ。狂気的なほどに……。
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