キャラクリよっ!クリクリっとね!
えー、重馬場とか、、、、
そこは、良馬場で頼みたい!
まあ、雨なんですけど…
視界が暗転する。
視界を閉じた訳でもないのに、強制遮断…
急激な白…
Another worlds フルダイブ調整を開始します…
調整完了…
隔離区間への移行成功...
引き続きキャラクターエディットを開始します…
目に優しくないゲームですね。何やら、機械音声が聞こえますけど?キャラクターエディ何っ?唐突過ぎて何が何やら…しかし椿さん達には、重々注意が必要ですね。視力が落ちてしまったら眼鏡を、眼鏡?眼鏡?眼鏡っ!それだっ!可愛いいじゃないですか!おーう、これは素晴らしい発見では!早速買いに行かなければっ!私の買うついでに伊達眼鏡を!いかんいかん、一応注意って、もう遅いですかね?遅いですよねぇ…もうとっくに始めてますよねぇ…
って、ここはどこでしょう?さっきまで仕事部屋にいたのですが…
何でしょう?部屋と言うより、世界に床が浮いた感じですね。かなり高いところにいるみたいですよ。
「いらっしゃーい!貴方がシリアルナンバーAW10000の獲得者だよー!運が良いねー!おめっとー!」パチパチパチ!
くす玉が割れ、紙吹雪が舞う。
なにか目出度い事でもあったんですかね。しかし、目の前のアレはなんなんですかね?
リクルートスーツに身を包んだドレッドヘアの女性がクラッカーを鳴らし、テンションを上げていた。
やたら、うるさい。さらに外見がうるさい!
景色が台無しですよ、全く!
「Another worldsへようこそっ!シリアルナンバーAW10000ーっ!」
「なんだかわかりませんが、有難うございます。ところで、ここはどこでしょう?」
「ロビーだよっ!どしたの?そんなテンション低めでー。アゲて行こうぜっ!」
舌を出し、サムズアップをし、キメ顔のリクルートスーツでドレッドヘアの女性がテンション高めに話しかけてくる。
あー、うぜー、やめて読書でもしたい!
「出口はどこでしょうか?えーと、何とお呼びすれば?」
「切り番当たったのに帰ろうとするとかウケる。私は運営組織委員会営業本部長、睦月でーっす!よろしくねっ!」
右目に横ピースを被せ、決めてきた!
なんでしょう?この腹立たしい感じ。しばきたい!
「初ゲームで初対面が運営なんとか?シリアルナンバー?切り番?何故リクルートスーツ?ドレッドヘア?情報量多いんじゃないですか?」
「考えちゃダメっ!感じろっ!」
本格的に帰りたい。切にそう感じましたが何か?
「Another worldsですか?このゲームの名前と言う認識でよろしいですか?」
「そんな認識で良いよー!そしてーっ!この世界の名前だよっ!地球みたいな感じで捉えてくれたらいいよ!」
これから行く先は、Another worldsと言う場所?世界?惑星?なんですかね?少し興味が出てきましたよ。
「どんな世界なんですか?」
「現地の人とモンスターと大自然溢れる、キャッキャうふふな世界ですよーっ!」
駄目ですね。聞いた私が馬鹿でした。営業向きじゃないのに営業本部長とは恐れ入りましたね。
「さぁっ!キャラクリよっ!キャラクリしましょっ!キャラをクリクリッとクリエートして、メイクしてかーらーのっ!メイクアップ!月に変わってお仕おへぶぅっ!」
危ない感じの人ですかね?思わずチョップ入れてしまいました。不可抗力ですよね、南無ー。
「せ、せめて決めポーズまで待って!」
何のポーズなんでしょうか?まあ、待ちませんけどね!
「すいませんが、他の方に変わって頂くことは出来ませんか?」
「そんなご無体な!オープンしたてなんで盛り上げて行こう的な、私の頑張りを見てっ!」
「そういうの入りませんから。少々うざいので、手が出てしまいました。次からも出していく次第っ!」
清史郎は殺る気だ!
撫子さんなら、見入ってしまう自身がありますが、頭に芋虫付けてる人じゃチョップも出ますよ。当然じゃないですかー!
「手を出す前に言ってくださいよ。そしたら…」
ブツクサ言うのを聞き流して、本題に入りましょうか!
「そしたら、何ですか?聞きはしませんけど。早く本題に入って頂いてよろしいですか?時間は有限ですから」
「ちょっとくらい付き合ってくれても良いじゃなべふぅっ!」
勢い余りました。良いですよね別に。撫子さんなら抱きしめていましたよ!
「失礼!本題へ!」
「もう!ここでキャラクリを、「キャラクリ?」キャラクタークリエイトよっ!自分がAnother worldsで動かす身体を作成することよっ!」
「なるほど、キャラクター作成ですか。では、このままでっ!」
「ふぇっ?」
「このままでっ!」
何度言えば分かるんですかね?頭の中に芋虫詰まってるんじゃないでしょうね?頭の中をうぞうぞ動く芋虫。ダメだ、吐きそうです。
「ふぁっ!種族の変更とかは?たくさん用意してるのにっ!ほら見てっ!この貴方の外見のマネキンを!さあ、色々カスタマイズしてさっ?こう、クリクリっとさ!ステータスも変わるんよ?」
色々変化してる私のマネキンとか、気味が悪いですね。なんかもう、ツノが生えたり、羽が生えたり、あれ私なんですかね?ステータス?時計とか選べるんですかね?付けた事ないですけど。
「このままで!ステータスとかどうでも良いです。一目で私とわからなければ撫子さん達が困るじゃないですか!」
「撫子さん達?誰かわかんないけど…身バレとか気にしなくて大丈夫なん?プライベートとかに支障がでるかもよ?」
「ある程度露出してるのでその辺りは大丈夫です!」
「有名人なの?」
「気にしなくて結構ですっ!さて、次は何でしょう?」
撫子さんたちは、外見を変えるのでしょうか?あー、でも、外見の違う撫子さん達も素敵なのでは?これはこれで、興味がありますね。天使が、天使になったりするんですかね?もう、大天使ですよねコレ!いや、女神か!
「次は名前ですね」
「清史郎で」
「清史郎っと!まさか本名っ?」
「いけませんか?」
「普通は変えるんですけどねぇ。本人が良いならそれで良いですよもうっ!ん?清史郎?清史郎ー?あーっ!うどん王国の人?」
「あー、そう言う認識なんですねーやっぱり…」
「まあ良いや、有名人じゃん清史…国王っ!」
何故言い直した!いや、国王じゃないです、名誉国民なだけですけど。その認識なんですねー。小説家じゃないところが腑に落ちませんよ全くっ!
「うどん王国国王で行ったり?」
「しません。清史郎で!」
何、勝手に名前付けようとしてるんですかね?
芋虫頭は置いといて、撫子さんに清史郎以外で呼ばれるとか意味がわかりませんよ。いや待てよ、清ちゃんとか清さん。良いかもしれませんね。新鮮です。今度頼んでみましょう。史郎とかもありですかね?
「次はっと、国王これどうぞ!」
ベルト付きの小さなポーチが2つですね、革製の。さらっと呼び名が国王になってますが、まあ、どうでも良いですよね。何なら、もう一発…
「有難うございます、もう少しオシャレなのは無いんですか?」
「ただの物に文句言わないっ!初心者セットなんだし。小さい方はお金専用で、中に旅立ちの資金3000リム。それと、少し大きい方に、初心者ポーションが5個と初心者装備が入れてあるから!それと、アイテムは全部で15個まで入るよ。同じ種類なら重ねてはいるから。15種類入る感じね!お金はアイテムに含まないから、小さい方に入れてね。そこんとこ、よろしくー!」
「余り丁寧な説明じゃ有りませんが、わかりました」
旅立ちの資金?リムって何?通貨単位?ポーションって何でしょう?まあ、後で撫子さん達に聞きましょう。芋虫頭に聞くのも癪ですしね。
何っ!急に無い胸を張っただとっ!
「さあ、次よっ!ここからよっ!ここからがほんだーい!!」
ウザさが跳ねましたね。しばきましょうか?
「国王!次はスキルを1つだけ選んで!この一覧から!」パチン!
技術は凄いですね。宙に沢山の文字が浮かんでますよ。国王なのに一個しか貰えないとか、国王って何ですかねぇ?国王では無いんですけどね!スキル?技能?資格みたいなものですかね?個人的には英検とか欲しいですけど。あっ、喋れないなら無いのと変わりませんか...
「ちょっと多いですね。目がチカチカしますよ!どれが良いのかもわかりませんし…」
何項目あるんでしょうか?文字だらけで酔いそうですよ。
「さあ、選びたまえっ!」
急に見下した感じで指を指して来ましたけど、何様なんですかね?あっ、営業本部長様でしたね。こっちは国王ですけど。いや、名誉国民でしたね。
「取り敢えず、スキルと言うのを頂けるのはわかりましたが、なぜ1つだけなんです営業本部長様?2、3個くれても良いんですよ?」
まあ、決まり事なんでしょうが。一応聞いときましょう。
「自分で探して手に入れるのが醍醐味なんじゃん。それに何で急に様付け⁉️」
そんなの決まってるじゃないですか。媚びたら良い気分になってボロが出ゲフンゲフン。
様付け以前に、私を国王呼ばわりしてきたのに、自分が言われるとこの有様ですか?
なんだかイライラしますね。まだ教育が足りませんか?
「ゲームをやった事が無いんですよ。仕方ありませんね、覚悟は出来てますか?」
よし、殴る準備は万端だ!遠慮しなくても良いぞー!もう、殴っちゃても良いですよね?むしろ殺る!もう色々してますけど!
「すいませんでしたー!」
華麗に土下座を決めましたね。まあ、許しましょう。
「それはそうと、スキルとやらの簡単な取得方法とかあったりしませんかねぇ?」
聞くのはタダですからねぇ。返しはウザいですが。
「ジョブに就けば取得する物も有るよ。剣士とか、魔法使いとか、それはもう色々ですけど。デスクワークから肉体労働まで、唸るほど有りますからねー。無論、国王も有ります!」
ファンタジーかと思いきや、サラリーマンも有りですか!さて、どうしましょうかねー。ん?国王にもなれるんですか?なりませんけど。名誉国民ですら手一杯ですよっ!毎月うどんが送られてくるのは嬉しいですけどね!
「なる程!では、沢山スキルが貰えるスキルを下さい!」
「了かって、無いよっ!そんな物ある訳無いじゃない!」
「もう少しでしたね。失敗失敗!」あははっ!
「危なかった!もう少しで言質を取られる所だった!」ふぅー
ちっ!後一歩でしたね…
「では改めて。冒険に必要なもので、職業に就けば覚えられる物を省いてもらう事は出来ますか?」
「OK国王!はいっ!」パチン!
指を鳴らすと消えるとか、ちょっとかっこ良いですね。何か腹が立ちますけど!
「大分減りましたが、まだ多いですねー。んー、生きてく上で必須な物に絞って下さい」
これで、冒険や生きるのに必要な物が残るんじゃないでしょうか?ゲームでも死ぬのは嫌ですからねぇ!ゲームの中でサラリーマンってのもなんですしね。
「ほい来たっ!」パチン!
これ見よがしに鳴らしてきますねパチンパチンと!昔居ましたよね、そんな芸人…昔はよく見たんですけどね。ネットでですけどね。寂しい限りです。
「減りましたねぇ」
「減ったねぇ…」
残ったのは、
サバイバル
生活魔法
二択じゃないですか!
これは魔法を選択になりますかね?使ってみたいだけですけど。
「生活魔法とは、何でしょう?」
聞く方が早いですよね。
「火を起こしたり、水を出したり、身体を綺麗にしたりと、生活に必須な魔法を覚える便利スキルです!」
あー、サバイバルのファンタジー版みたいな感じですかね?ちょっと違う?
「魚を釣る魔法や、鹿を狩ったり、温泉をだせる魔法ですよね!後、お酒!」
欲望には忠実にですよね!まあ、欲望を入るだけ入れてみましたよ!さぁ!どうだ!
「違うわーっ、後、お酒って何っ?何その斬新な生活魔法!便利過ぎちゃって私も欲しいわっ!」
ですよねー。都合良すぎますもんね。まあ、便利そうなのでこれで行きましょう。水に、火、清潔!最低限は確保出来そうですしね。それに、魔法とやらも使ってみたいですしね。
「生活魔法にします」
「ラジャっ!」
光が上から降ってきて、私のキャラクターに入りましたね。
「これで取得完了。あっ、ポーチもキャラクターに付けといて!付けないと消えちゃうから!」
渡さず付けてから説明なさいな!付けるけども!
「さて、切り番記念行きますかーっ!」
右拳を突き上げ芋虫頭が叫んだ!
「そういえば、そんな事言ってましたね。では、ナイジェリアを頂こうと思います!」
良い機会なので、サラさんに贈るナイジェリアを頂きましょう!
「了かって、了解しないわっ!何故ナイジェリア?いやいや、国王が決めるとか意味わからんし!」
「せっかくの切り番記念ですし、国王なんで!言ったら貰えるかと?」
名誉国民なんですけどね。
「無理無理!どこに、そんな太っ腹な人間がいるのよ!」
ちっ、使えない芋虫頭だこと!
「ここにいるじゃないですか!嫌だなー、営業本部長様!その権力で買い付けて来てくださいよー」
「うわー、心にもない事を…凄い棒読みだし!」
バレましたねー。まあ、バレない訳ないですよね。貰えたらラッキーくらいですよ。言質を取りたかっただなんて、思ってないんだからねっ!
「で、切り番ってなんですか?」
「VRギアの製造ナンバー!キリの良い番号には特典が付いてるんよ」
「ナイジェリアは特典には?」
「あるかーっ!」
煽っていきましょう!少し楽しくなって来ました。切り番記念なので、期待してもいいんですかね?でも、芋虫頭だしなぁ。その前に、ゲームから出る前に口調治しませんとね。もう、普段の私を忘れそうですから。
「では、行きます!じゃじゃーん!」
また、革製のポーチですやん。
「お疲れ様でした営業本部長!」
「ちょ、待てし!帰んなし!」
革製のポーチを腰に付けまくるゲームとか、何なんでしょうね?意味がわかりません!センスも無いですし!
「ここを、こうして、ちょちょいとすると!はいー、革製のポーチから、メディスンバッグへ早変わり!」
これはっ!なるほど、形を変えられるんですね。それを言いなさいな!
「実にいい!見直しましたよ営業本部長っ!」
メディスン型の革製品とか素敵ですよねー。コンチョも後で変えたいですね。そんなお店ありますかねAnother worlds?ん?コンチョも変えられるのでは?後で試しましょう。
「まだまだ青いね国王!これは形をイメージ通りにする他っ、容量無制限っ!個人登録式!時間固定!序盤では絶対に手に入らない逸品なのさー!」
「その言い方だと後半では手に入るみたいに聞こえますが?」
「そうだね。それにお金に糸目をつけなければね!後、ガチャ!」
「ガチャ?」
「現実のお金で回すガチャガチャだよ。これが儲かるんだわー!」
そうですか。この会社の資金源なんですかね?
まあ、私はしないですけど。
良い物を頂きました。流石営業本部長。コンチョは後で変えてしまいましょう。これは、センスがありませんし。何か豚っぽいですし!
「それはそれは良い物を頂きました。有難うございます」
「初めて褒められたー」えっぐえっぐ。
何も泣かんでも。
「素敵な贈り物、有難うございます」
「びえ、どぼいだじまじで」
まあ、良いでしょう。グズグズですけどね。最初から最後まで。落ち着くまで、少しかかりそうですねー。このメディスンバッグも付けときましょう。消えたら嫌ですからね。
ちなみに、サバイバルのスキルは、方角や水場が何となく分かったり、気配に少し敏感になったりするらしいですよ。後、何となくこれは食べれそう?みたいな感じだそうです。
「すいません、感極まりましたぁー!」土下座ー。
「お気になさらず。これで登録は終了でよろしいですか?」
「はい!Another worldsの世界を楽しんでね国王。何でも出来る。出来ない事はない、が売りなんで!」
「ナイジェリアは頂けませんでしたが?」
「欲望丸出しかよっ!」
頬が緩みますね。芋虫頭さんを少し気に入ってしまいました。惚れてませんよ?撫子さん一筋ですから!
「では、明日9時にお待ちしてます!」
おや、一期一会では無いみたいですね。
「では、明日もよろしくお願いします」
差し出される右手。
交わされる握手。
「では、また明日…」
「色々有難うございました。ではまた」
Another worlds格納…格納完了
隔離区間より離脱...
現実世界に帰還します…帰還準備完了
お疲れ様、清史郎!
視界が暗転。
そこは、見慣れた場所だった。
「リアル過ぎません?」
取り敢えず、コーヒーでも淹れましょうか。少し明日が楽しみになりましたね。撫子さん達はもう済んだのでしょうか?いや、キャラクリとやらに手を取られてるのでしょう。仕事でもして、夕ご飯を待ちますか。お昼は期待出来そうにありませんし、適当に作りますかぁ!
この日夕ご飯は、無かった。
皆さんは、熱中するタイプですか?