表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/60

第十四章 同感6

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

ヘリは一路、神奈川戸塚第三病院の、屋上のヘリポートに着陸すると、



ストレッチャーを看護婦達数人が引いて来て、医師一人がヘリに近づいた。



近藤はヘリから降ろされ、利奈と垣田もヘリポートに降り立った。



そして用意された、病院のストレッチャーに近藤は移させると、



建物の中に入り、即座にエレベーターに看護婦と医師、利奈と垣田が乗り、



三階のICUに近藤は運ばれた。



利奈はICUの扉の前で、蘇生する事を願って、



指を組んで、神に祈ったのだった。



ほんの1時間程で、ICUから出て来た近藤は、



まだ意識が戻らない様子であった。



医師が利奈に容態を告げた。



医師、「外傷は有りません、内部にも損傷は見られませんでした。



水も飲んでいませんでしたが、問題はかなり衰弱しています。



長く激流に耐え、この時期の大気とは違い、



冷たい雨の水に浸かっていたせいで、



体力を相当奪われた様で、心臓の脈拍も弱くなっていて、



血圧も低くなっています。



最善の処置は尽くしますが、後は本人の体力次第です。



回復する事を願います」と、言って医師は立ち去った。



利奈は気を落とし、垣田が後ろから利奈の両肩に両手を宛てて、



慰めながら近藤が運ばた、病室に向かうのであった。



何時間経ったので有ろうか、利奈は近藤が寝ているベッドの横の椅子に座り、



近藤を見ていたが、急に近藤の体にすがり付き、



近藤の頬に自分の頬を当てていた。



そして泣きながら、「智彦、智彦」と、名前を呼んでいた。



その光景を病室の入り口で見ていた垣田は、居た堪れなくなり、



廊下に出て行った。



すると紗江と吉川、そして石塚がこの病室にやって来た。



垣田は驚いて、「よくここまで来れたな、



街はパニックで交通も麻痺しているだろ」と、尋ねると、



石塚が、「ええ、大混乱でした。



唯一ここまで来る手立てが有りました」。



紗江は、「そうなんです、やはり持つべき物は友達です」。



吉川、「僕の大学からの知り合いで、



品川のマリーナに、クルーザー置いてある連れが居ましてね。



俺達が途方に暮れて、品川埠頭を歩いていたら、そいつが車で埠頭に現れましてね。



事情を聞かれて訳を話したら、本牧埠頭までクルーザーで、



乗せてくれたのです。



そいつも都内に居ては、暮らせないらしく、横浜の知り合いの家に、



世話になりに行くらしくて、ついでに乗せてくれました。



それから電車とタクシーで、ここまでやって来ました。



何しろ東京は大パニックで、車は大渋滞、人々はライフラインを奪われて、



横浜か千葉まで歩くか、自転車で逃げています」。



紗江、「それで近藤さんの容態は」と、心配そうに尋ねると、



垣田は俯いて、「それがな、処置は済ませて外傷も無く、頭部も内臓も損傷はないが、



激流と冷たい雨の水に長く晒されていた為に、体力が相当落ちていて、



血圧も低く心拍数も少ない状態で、



後は近藤訓の体力勝負と成っているんだ」。



それを聞いた三人は、気を落とした。


そして三人は病室をそっと覗くと、



利奈が近藤にすがり付いている姿を目にして、



そっと病室の扉を閉めたのであった。



すると石川が、「垣田さん、利奈さんと近藤さんの仲間内に、



利奈さんから、居場所か電話番号を聞いて、連絡してみませんか」と、答えると、



垣田は、「よせ、もう一度あの聖菜が死んだ時を、思い出させてしまうだけだ。



良くも悪くも、結果を待ってからにしよう」と、利奈やその仲間達を気遣った。



そして容態が変わらぬまま、時だけが過ぎて行った。



社員達は東京に戻れず、この病院も東京から災害に見舞われた人達の、



搬送支援で多くの人が、運ばれて来ていた。



横浜のホテルは、東京から逃げて来た人で、何処も満室であった。



一部、横浜に近い東京の箇所では、電気の供給が回復していたが、



相変わらずテレビ放送は、一局しか放送出来ない状態が続いていた。



テレビを見ると都内の人々が皆、途方に暮れている姿が映し出されていた。



地獄の様なゲリラ豪雨は、都内全域に襲い掛かり、



人間の予想を、遥かに超えてしまったのであった。



この病院内も騒然としていて、まるで戦火に巻き込まれて、



逃げて来た人々の様に、家族と離れ離れでここに、



辿り着いた人々も見受けられた。






ゲリラ豪雨とは不思議な物で、ある特定の地域だけに被害を齎すが、



隣の都市では雨は、一滴も降らない事が多い。



そしてたちが悪い事に、雲が流れて来て雨を降らすのではなく、



その場で雲が発生しては、豪雨となり何時までも止まないで、



ずっと雲がその場所に留まり続け、気圧が上がらない限り、



降り続く現象であるが為に、洪水を巻き起こすのである。



特にヒートアイランド現象が起き易い、



コンクリートだらけの都会では、陽射しはコンクリートを暖め、



その空気が上空に巻き上げられると、11月の冷たい寒気団が、



暖められた空気とぶつかり、その場所だけ急激に気圧の変化が著しく成ると、



低い高度で雷雲が発生して、大雨を降らすのである。



特にこの時期にそれは起き易い、地球の大気現象にあった。



暑さが長く続き、11月までその暑さを引きずると、



地球は太陽から遠く成る為に、



地球全体の、空気は冷やされて行く。



どう言う現象かは、まだ完全解明出来ていないが、



人工的に地球を暖めてしまうと、自然に発生する寒気団と、



人口的に暖められた空気が対立する。



すると今までにない、おかしな大気が地球の何処かに出来上がり、



世界的に異常現象を起こしてしまう。



これが所謂、温暖化の怖さであった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ