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第十四章 同感5

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

2時間後、要約水は引き、都市部の機能は完全に麻痺してしまった。



ヘリコプターが複数上空を飛んでいた。



利奈は座り込んでいた、この家のベランダのあるじに保護されていた。



事情が事情だけに、あるじも利奈の事を心配していたが、



利奈はあるじに陳謝して家から立ち去り、水の引いた街で近藤を探していた。



冠水した水はもうすでに、靴が濡れる程度まで下がり、



利奈は必死に近藤の行方を追った。



すると会社の社員達と合流して、近藤の行方を捜す事になった。



利奈は激流で近藤と、別れてしまった道の方に歩いて行くと、



先程近藤が抱きかかえた子供が、地下鉄の階段通路に繋がる屋根に乗り、



しくしく泣いているのを見掛けた。



そして一緒に利奈と探してくれていた、吉川が屋根に手を伸ばして、



子供を屋根から下ろすと利奈はその子に、「ねえ、あなたを抱き抱えていた、



おじさんは、どうしたの」と、尋ねるとその女の子は、



しくしく泣きながら、「流されて行ちゃった」と、答えた。



利奈は吉川に女の子を任せて、近藤を探しに歩いた。



数キロこの道路を、真っ直ぐ歩いて行くと、



道路標識の下に横たわる、近藤の姿があった。



急いで近藤に駆けより、体を揺すっても意識は戻らなかった。



利奈は近藤の手を持って、手首の脈を調べると脈はあった。



利奈は助けを呼ぼうと、あちらこちら辺りを見回すが、



洪水の後の街は、まったく人気が無かった。



すると垣田と石塚が、丁度こちらに歩いて来た。



垣田と石塚は二人の姿を見付けると、急いで駆け寄り、



利奈に近藤の安否を尋ねた。



垣田、「どうだ脈は有るのか」と、利奈に尋ねると、利奈は頷いた。



垣田は利奈なと同じ様に、辺りを見回した。



すると道路の真ん中に、工事用の足場が落ちていた。



空かさず石塚に、「おい、あの足場をタンカ代わりに使えるぞ」と、



足場に指を差すと、石塚は道に落ちていた足場を、



一人で引きずって来て、近藤の前に置いた。



そして垣田と石塚は、意識のない近藤を、



足側を垣田が持ち、石塚が手の脇を持ち持ち上げて、



近藤を足場に乗せて、その足場の両端を二人は持ち、足場を持ち上げて、



会社に運ぶのであった。



近藤を乗せた工事用の足場は、会社に運ばれると、



社員達は近藤のその姿を見て、心配そうに安否を気遣っていた。



利奈も近藤の右手を持ち、意識が回復するのを祈っていた。



近藤は外観からは酷い損傷は無かったが、意識が戻らない近藤に、



利奈は最悪な事態が頭を過ぎっていた。



そう自分の前世と同じく、脳挫傷であった。



だが頭部を強打した後も無く、それは考え難い有様であった。



すると垣田は社員達に、「おい、皆んなで足場を持ち上げて、



近藤を会社の屋上に運ぶんだ。



紗江と恵美子は出来るだけ、何も書いていないプリンター用紙や、



コピー用紙をダンボールに入れて屋上に運べ。



ここに居る皆んなも、屋上に上がれ」と、指示したのであった。



一斉に指示通りに動く社員達、男性社員は皆、



工事用の足場に乗せた、近藤を担ぎ上げて階段を上り、屋上を目指した。



紗江と恵美子は、言われた通りダンボールの中に、



ストックしてあった、印刷用紙をダンボールに、抱えられるだけ入れて、



階段を上り屋上を目指した。



屋上の床に工事用の足場に乗せられた、意識の無い近藤が置かれ、



印刷用紙の入った、ダンボールも床に置いた。



そして垣田が、「いいか皆んな、今上空には複数のヘリが飛んでいる。



こっちに向かっているヘリに向けて、手を振るんだ」。



垣田の指示通り社員達は、空を仰ぎ飛んでいるヘリに向かって手を振った。



その時、利奈は跪いて、近藤の右手を両手で握っていた。



すると垣田が、ダンボールの中に入れられた、印刷用紙にライターで火を付けた。


二つのダンボールは、瞬く間に燃え上がり、火の手が上がった。



すると一台の赤いヘリコプターが、屋上の上空で旋回し始めた。



そして降りて来たのであった。



幸いこのビルの屋上は広く、ヘリが降りられる程、



広いスペースが、確保されていたのであった。



そしてヘリは屋上に着陸すると、神奈川消防のヘリであった。



すぐさま社員はヘリに駆け寄ると、消防隊員が二人ヘリから降りて来た。



消防隊員は、屋上の床に置かれた近藤を見て、「脈はありますか」と、尋ねると、



社員達は一斉に、「はい有ります」と、答えると、



消防隊員は、「外傷はありますか」と、尋ねた。



垣田が、「外傷は見つかりません、意識が無いだけです」と、答えた。



消防隊員は、直ぐに近藤の所に駆け寄り、



首筋に指を置いて脈を調べると、「確かに脈は有るが、



脈の感覚から判断すると、大分衰弱しているな。



血圧も相当低いだろう、直ぐ病院に運ぼう、



東京は無理だ我々の管轄の、神奈川で探すから、



あなた達はヘリにこの方を、乗せるのを手伝って下さい」と、言われると、



社員達は総出で、へりに近藤を乗せるのを手伝っていた。



運良く神奈川消防の、レスキューヘリであった為に、



ヘリの中には応急処置用の、ベッドが備え付けられていた。



そこに寝かされた近藤だった。



ヘリは近藤と利奈、そして垣田の三人を乗せて、飛び立ったのであった。



そして機内の中で、一人の隊員が神奈川消防本部に連絡を入れ、



受け入れ先の病院の確認を取っていた。



ヘリ、[神奈川消防ヘリから、本部]。



本部、[こちら神奈川消防本部、消防ヘリどうぞ]。



ヘリ、[只今品川上空で救難者を見つけ、ビルの屋上で救難者一名、ヘリに乗せました]。



本部、[本部了解、状態はどうだ]。



へり、[意識無し、呼吸有り、衰弱してる模様]。



本部、[本部了解]。



ヘリ、[受け入れ先の病院、そちらで探して貰えますか]。



本部、[災害時である為、病院は込み合っているが、ヘリが降りられる病院は、



神奈川戸塚第三病院である。



よってそこに着陸し待機せよ。



こちらからも、病院に連絡を入れて置く]。



ヘリ、[了解、直ちに向かいます]。



本部、[本部了解]。



ヘリの中で利奈はやはり、近藤の右手を両手で持ち、安否を気遣っていた。



そして隊員は近藤の左手に、天敵を入れながら、「今、東京は大災害に見舞われ、



この大洪水で多くの犠牲者が、出ている模様です。



あなた達は運がいい、我々は神奈川消防本部から飛び立ち、



救難者を見つけ様と、海側から回り込んだら、



丁度あのビルの屋上の炎が、目に入ったんだ」。



すると垣田が、「どのくらい犠牲者が出ているんですか」と、尋ねると、



隊員は、「解らないが、いきなり水かさが増した訳ではなく、



朝からの豪雨で、徐々に街に水が溢れて来た様だから、



大勢の人々は、近くのビルに逃げ込んだ様だが、



地下街に居た人や、地下鉄に乗っていた人達は、



今だ安否は不明です」と、語ったのであった。



依然として回復傾向にない近藤の頬に、自分の頬をよせる利奈。



あの時の悪夢が、今逆転したのであった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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