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龍王国史 序文

はじめての小説に挑戦します。少しでも面白く感じていただければ幸いです。

 この地にはかつて人と人でない者が暮らしていた。


 人は弱かった。


 オークのように荒々しく逞しい身体を持っていなかった。人はオークに熟れた果実のように叩き潰された。


 ドワーフのように器用に金属を扱えなかった。人はドワーフが手伝わなければ剣の一つも作れなかった。


 エルフのように神聖な魂も持っていなかった。人はエルフを目にするだけで自らの卑しさを思い知っていた。


 その他にも無数の人ではない者がいた。彼らはみな、人を見下していた。人には何も持たぬ。人は神に見捨てられた種族。これがこの土地に住むすべての民が持つ常識であった。


 しかし、人は滅びなかった。


 人はよく働いた。ウッドウルフすら住まぬ森を切り開き村を作った。フロッグマンすら住まぬ沼を開墾し畑を作った。


 人はよく学んだ。古代の書物を探し出し自らの知識としてきた。エルフの侮蔑を受けながらも魔法の知識を乞うた。


 人はよく生まれた。余った財があれば取り憑かれたように人を産んだ。多くの子どもたちが病に倒れても人は増えた。


 しかし、人は弱かった。人には神の加護がなかった。神に愛されたこの地で、神に愛された(しるし)をもたぬ人は弱かった。


 人は神を欲した。人は嘆き、人は祈った。長い長い間祈った。


 祈りの果てに、その龍は現れた。


 龍は血を欲した。人は血を捧げることを誓った。


 龍は血を与えた。人は竜の血の加護を受け入れた。


 龍と人の血に染まったこの国の歴史はここに始まるのである。

さっくり書くはずが何度も何度も見直しました。

穴が開くほどに見直しましたが、節穴の目で見てもわからないものはわからない。

勇気を振り絞って投稿する次第です。

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