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第000話 プロローグ

 深い森の中にそびえ立つ巨木の根元に役目を終えた七人のカラクリ人形が座り込んでいた。


 激しい戦闘の末、ボロボロになった衣服に酷く損傷した肢体。

 10歳前後の見た目をした彼らは仲良く手をつなぎ眠るように俯いている。


 その中にいたひとりの少年が微かに目を開いた。翡翠色のポンチョを纏った少年だ。


 何者かが近づいてくる気配に気付き、少年がゆっくり顔を上げると見知らぬ女の子が目の前に立っていた。

 

 金糸のように輝く金髪に薄緑色のワンピース。

 花冠を頭に被せた女の子が微笑みながら少年の顔を覗き込んでいる。


「君は……だれ?」


「私? 私はヨゾラ。ここに住んでるの」


「そうなんだ……ここは危ないから離れた方がいいよ」


 か細い声で少年が忠告すると女の子は口に手を当てクスッと笑い、腰の後ろで手を組むとその場でくるりと回った。


「私はね、君の願いを叶えにきたの」


「ボクの願い?」


「そう、なんでもひとつだけ叶えてあげる」


 女の子の突然の申し出に少年は眉をひそめる。この子はいったい何者なのだろう。


 世界樹の大陸の最奥地、しかも世界樹の根元に女の子が住んでるとは思えない。


 だけどもしも、もしも本当に願いが叶うなら——


 少年は真っ直ぐ女の子の目を見据えると最後の力をふり絞り口を開いた。


「平和な世界で兄弟と仲良く暮らしたい……ボクの願いはそれだけ」


「ふふ、分かった。君の願いを叶えてあげる」


 その女の子の言葉を最後に、少年の意識は次第に遠のいていくのだった。


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