番外編 裏root.ⅰ(後編). 凛×和奏 Side凛 クリスマス当日。聖なる午後の、水着選び。
12月25日、クリスマス当日。
和奏とふたりきりの、街歩きデート。
——昨日は、和奏のマンションで色々な、かわいい服を着させてもらった。
小柄で、背が低いあたしには、ちょっとブカブカな服ばかりだったから、いわゆる彼シャツ状態……、
……いや、もしかして、和奏の彼女シャツ?!
や、ヤバすぎ……!!
そのあと、あたしのためにたくさん用意してくれた、大好きなお菓子を食べながら、たのしくおしゃべりしたりと、夢のような時間を過ごしたばかりだというのに……。
和奏をこんなに独占できるなんて、あたし、明日にでも死んじゃうのだろうか……。
◆◆◆◆
ちょっと遅めの、12時の待ち合わせだというのに、楽しみすぎて、約束の3時間前には着いてしまった。
スマホのニュースを無意味に見たり、お店のショーウインドーに映る自分の姿を見て、髪を直したりしながらソワソワと彼女を待ち続ける。
待ち合わせ時間の、きっかり10分前にあらわれた和奏。
「凛、お待たせ」
「うぅん、あたしも今来たとこだから」
ホントのことを言うのが照れくさて、嘘をつく。
今日の和奏は、上はグリーンのブラウスにコートを羽織り、下はターコイズブルーのジーンズ。
足のシルエット、スタイルのよさが際立って美しい……!
あぁ、鼻血でそう……!!
◆◆◆◆
昼食がてら、喫茶店へと入る。
和奏が、ちょっと早いけどと、バッグからあたしへのクリスマスプレゼントを取り出す。
手のひらサイズの小さなプレゼント。綺麗にラッピングされている。包みを開ける。
「あっ……!」
——腕時計だ。
しかも、このデザイン。すごい見覚えがある……。
「わ、和奏、実はね……」
あたしもポーチからプレゼントを取り出す。
和奏に同じく手のひらサイズのプレゼントを渡す。
「——あたしがあげたものと同じだわ……」
テーブルにふたつ、同じ型の腕時計を並べる。
それぞれ、盤面にイルカのシルエット。イルカの色だけが異なっている。
和奏にあげたのがライトブルー、あたしがもらったのがミントグリーン。
「水泳やってる凛に、イルカのデザインが似合うかなって思ったのだけど……」
まさかのできごとに驚きを隠せない和奏。
ふたりとも色違いで同じデザインの腕時計を買うなんて……。
あたしと和奏は顔を見合わせ、笑いあった。
◆◆◆◆
「今度の大会で着る、競泳水着がほしいの」
「……慣れたものじゃなくて、いいの?」
「あたし、和奏に選んでもらった水着がいい……。
それ着たら、和奏と一緒にいる気がして頑張れると思うから……」
恥ずかしくなり、小声でぶつぶつ呟いてしまうあたし……。
あぁ、なんであたし、こんなにダメダメなのっっ……?!
だけど、そんなあたしを見た和奏は、
「ッッ……! 凛、ダイスキーーッッ!!」
人目を憚らず、ぎゅーっっっ! と抱き着いてきた。
「わっ、和奏、ハズカシイよぅぅ〜〜……」
あたしの心臓はバクバクで今にも死んでしまいそうだった。
◆◆◆◆
スイムショップに入ったあたしたち。
試着のため、あらかじめ、家から水泳用のアンダーショーツを穿いてきた。
——アンダーショーツといえば、和奏は、胸のほうは乳首を見られても平気な顔をしてるのに、下については、あたしとお風呂に入る時ですら、前だけは絶対隠す。
お陰で、いまだに和奏のアソコを見たことはないし、ショーツ姿ですら、なかなか見せてくれない。スカートを脱ぐ時でも必ず、あたしに背中を向ける。
……お陰で、ショーツに包まれた和奏のおしりの形だけは覚えてしまったけど。
(……和奏は、乳首は薄いピンク色だから、
アソコの毛も、うっすら生えてるだけなのかなぁ……?
——って?! ナニ考えてるんだ、あたしっ!?)
気を取り直し、さっそく、和奏に、あたしに似合いそうな水着を見繕ってもらう。
「あたしは水泳の専門家じゃないから、デザイン重視になっちゃうかもしれないけど……」
いくつか候補を決めてもらい、実際に、あたしが泳ぎやすそうなものを選んでいく。
いくつか試着してみて……。
「あたし、これにする!」
これという水着を選び終えたあたしは、気が緩んだのか、突然、腹痛を覚えた。
「ごめん、会計するまで、ちょっと持ってて!」
水着を和奏に預け、トイレにダッシュ。
——10分ほどして、和奏のもとに戻る。
和奏の手には、先ほどまでなかった紙袋。
「はい、これ、あたしから」
紙袋を差し出してくる。
「え……」
紙袋の中を覗く。先ほど選んだ水着が入っている。
「今度の大会に向けて。あたしから応援をこめて凛にプレゼント」
目頭が熱くなる。
思わずその場で泣き出してしまう。
……和奏がやさしく抱きしめてくれた。
(……和奏、ホントにいつもありがとう……!!)
◇◇◆◇
フードコートでちょっとおそめの昼食をすませ、ベンチで休んでいた。
「凛、あたし、ちょっとトイレ行ってくるわね」
「うん、分かった」
(あたしも、和奏になにかプレゼントしてあげたいなぁ……)
そんなことを考えつつ。
和奏がトイレに入って1分ほど。ぶるるっっ、として、あたしもトイレに行きたくなってきた。
トイレに入る。3つある個室の向かって左。ノブに手を掛けた。
(そうだっ! 和奏は長い黒髪が綺麗だから、ヘアアクセサリーとか喜ぶかも……っ!?)
そうハイテンションに考えながら、扉を手前に引いた。
「「あ、」」
扉を開けた瞬間、あたしと誰かの声がハモる。
開けた扉の先。ほんの50センチほど前ーー、
今まさに考えていた、和奏の顔があった。
驚愕に見開かれる彼女の目。
——シュゥゥーーーーーッ……、!!
無言のあたしたちの間に、和奏の体内から流れる水音だけが響く。
和奏のピンクのショーツは膝のあたりで止まり、ジーンズは、足首まで下りている。
——視線をすこし上方に移すと、
黒黒とした茂みが目に入る。
……まるで、原生林のような、その沃野。
——ソコは、
清楚で美しいカノジョがこれまで
ひた隠しにしてきた、
漆黒の大森林…………!!
「ッッ…………!」
我に返った和奏。
すぐさま、アソコを手の平で覆い隠す。
——しかし、隠し切るまでの、そのコンマ何秒、
あたしの網膜は、ほぼ無意識のうちに全てを記録した。
真っ赤に染まる和奏の顔。
そのまま、あたしの目の前で、
ヒュー……、パタン。
と扉が閉められる音だけが、こだました……。
◇◇◆◇
あたしが女子トイレの前で待っていると、和奏が手を拭きながら出てきた。
「…………見た?」
和奏が珍しく、拗ねたような、じとーっとした目を向けてくる。
……あたしは思わず、こくん、と頷いてしまう。
真っ赤な和奏の顔。頬がリスのようにぷくりと膨らむ。
「————凛の、エッチ」
……そのあとは、和奏と話していてもすべて上の空だった。
◇◆◇◆
夕方。
クリスマスデートを終え、家に帰る。そのまま自分の部屋に直行。ベッドにダイブ。
——網膜に焼きついた、ずっと見たいと待ち望んでいた和奏の陰部……。
リアルに見てしまった、和奏のその黒黒とした陰毛を思い浮かべる。
(凄かった……。あんなだったんだ……!!)
おへその辺りまで黒黒と広がった、その茂み。
網膜に再現されるソレを思い浮かべ……、疼く下腹部へ自然と指先が伸びた……。
◇◆◇◆
——眠れぬうちに、いつの間にか朝になっていた。
「眠い。。。」
◇◆◇◆




