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婚約破棄から始まる極寒ライフ

王宮の夜会で、第一王子ミゼルが言い放つ。


「お前との婚約を破棄する!!」

「王族の誇りが汚れる!」


 身に覚えのない罪で、婚約破棄を言い渡されたエレナ。

さらに嫌がらせとして、年中吹雪が吹き荒れる氷点下の最果て……「凍りつく荒野」への追放を命じられる。


「あんな場所に送られたら、数日で凍死だな」

貴族達が話す中、エレナの契約妖精リリィが飛び出した。


「ざ〜こ♡、雪が降ったら寒くて外にも出れないざこ王子、エレナの『温度固定(サーモ・ロック)』の価値も分からず追放とか、ウケるんですけど〜♡自分の頭の温度もマイナスに固定されてるんじゃない?ざ〜こ♡」


「黙れ小娘妖精め!」

「エレナ、さっさとその無能スキルと共に凍え死ぬが良い!!」

ミゼルの怒号を背に、エレナは優雅に一礼して夜会を去った。



……エレナを慕って付いてきた、一握りの領民達は極寒の流刑地に立っていた。

息をするだけで肺が凍りそうな吹雪の中、領民達が絶望に震える。

しかし、エレナは不敵に微笑み、自身の固有スキルを発動した。


温度固定(サーモ・ロック)』発動−−

設定温度:22℃。


 手をかざした瞬間、彼女達を包む半径数キロメートルの空間が、外の吹雪を完全に無視して、春のような快適な22℃でロックされた。


「……えっ?……寒くない!?」


 リリィが、ニヤニヤしながら煽る。

「ほらほら、ざこ領民達ー♡、寒さで震えてる時間は終わりだよ?さっさと荷物下ろして拠点の準備しちゃってよねー!ざ〜こ♡」


 エレナの『温度固定(サーモ・ロック)』という、一見地味だが物理法則を置き換える神チートスキルによる、常識破りの流刑地開拓が幕を開けたのだった。









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