幾億海底に燻る微光 其の三
『っ、!HPが減ってる····こんな所で紙装甲のデメリットが顕著に出やがった、HPも酸素ももう持たない、ワンチャンにかけて飛び降りた結果がこれだ。だが、俺の推測が正しければ·······!」
ガンマは海底に吸い込まれるかのように意識も無いまま消えていった。
「っ、」
気絶していたのだろうか、飛び込んでから今までの記憶が曖昧だ。HPも酸素ゲージも不足尽き一か八かの博打は無駄に終わったかのように思えた。
「·····残りHP1って、必然か偶然か。どちらにせよ、予想は的中したってことでいいのかな?」
辺りを見渡すと見覚えのない部屋のベットの上だった。誰かに助けられたのだろう。リスポーンしたのであればHPがフルになっていないことの説明がつかない。
ガンマはHPポーションを飲みながら周囲をもう一度見渡した。
「全体的に青色ベースの部屋、壁には銛?それかトライデントの類の武器が飾ってある。極めつけは、」
ガンマはベットの左手側から見える外の景色を不思議そうに眺めた。
「綺麗だな、」
部屋の外に広がるは人魚?魚人?なんて呼べばいいか分からないがヒレが生えた人達と色とりどりの魚や海藻が目に入る。
ガチャ
「!」
「起きた?」
扉を開け部屋に入ってきたのは外の人達と同じ種族の女性だった。この女性がガンマを救ってくれたのだろ。
「あんたが助けてくれたのか?」
「そう。家の中に突っ込んできたから仕方なく。」
「????」
「後で見せるし弁償してもらう」
よく分からないが、助けてくれたのは変わらない。
「よく分からないけど····一先ず。助かった、ありがとう」
その女性は「歩いている」と言っていいのか分からないが、尾鰭を器用に使い部屋に入ってくる。女性はスープのような物を机に置き近くの椅子に腰をかけた。
「私はティア。」
「ガンマだ。早速で悪いんだが、ここはどこだ?」
「ここは海淵王国ネプトーネ、魚人族が住まう国の1つ」
「ネプトーネ、ここに主従の聖杖っていう杖はあるか?」
「·····?なにそれ、分からない」
『まぁそりゃそうか、一般人が知るような内容でも無さそうだしな』
「でも、」
「お?」
なにか考え事をしているティアはなにか思い出したかのような顔で話を続けた。
「あっ、そういえばその杖か分からないけど国宝?ってやつに杖があった気もする」
「なるほど····」
『それがそれかは分からないが、連れてこられたってことはこれはシナリオ通りってことで良さそう?だな。』
「その国宝ってのはどうすれば入手出来るかわかるか?」
「???国の宝だから国宝、国の宝だよ?入手なんてできない、と思う」
「そりゃそうだよなぁ〜」
「なんで欲しいの?杖とか使うタイプに見えない」
「ちょっとな、簡単に且つ事実だけ述べると、世界平和のだな。それを入手できなきゃ地上は恐らく滅ぶ」
よく分かってなさそうな顔をしているが、事実を述べただけだ。メガイストスを止めるためにはその杖が必須、つまり俺はどうにかして杖を爆速で入手するのと同時にここから地上に向かう方法も見つけなければならないようだ。
「何が起きてるかは興味無いけど、とりあえず色々案内しようか?」
ダウナー系の声をしているが仕草は子供っぽいお茶目な感じを出しているティアの言う通りこの国の案内をしてもらうことに。
「ん?何だこの家、随分と開放的でボロボロだな」
「む、それのこと言ってたんだけど」
「あ、これか····」
リビング、?屋根から床まで何かが貫いたかの様な有様の家をに謝罪をし外に出た。
「んっ、」
外はやはり海の中のようだ。だが酸素ゲージが減ったりすることはないらしい。喋れないけど。
「あっ、そういえば人族は水中で呼吸ができない、不便な種族。」
話せないから顔で語るしかないが、たしかに水中は人間が最も弱いと言っても過言では無いかもしれない。
「建物の近くは結界が貼られてて水が無くなるから、とりあえずあそこまで行こ?」
泳ぐのは別に苦手じゃない。そのおかげで移動にはあまり不便しない水中。酸素ゲージが減らないの地上より優れたところもあるだろう。
「ふぅ、なるほどな、たしかに建物の近くは人間も暮らせそうだ」
「ガンマはまず加護を頂くどこらから始めなきゃだめ。」
「加護?」
「うん。私達海淵王国の民はネプトーネ様の加護を授かっているの。いくら魚人だからといっても水中で話せるのは加護のおかげ。」
「加護ね、どうすれば恩恵を受けれるんだ?」
「1番簡単なのは海拓者になること。」
「ん?開拓者?」
「違う。海」
「あぁ、海拓者ってことね?」
「クエストをこなして海拓者としての名声を高めるとネプトーネ様の加護を授かれる。」
「異世界ものとかで出てくるような冒険者ギルド的なやつの水中バージョンか?そんなのもあるんだな」
「それはよく分からないけど、クエストを沢山こなして名声を上げていくとより大きな加護を授かれる。」
『つっても、そんな時間あんのか?いや、多分無い。ゲーム側も俺ならっていう前提でゲーム組んでる可能性はあるんだけど·····そもそもたどり着けない可能性を考慮してない訳ない。つまりそのクエストに何かしらのヒントがあるはず』
ずっと立てていた仮説、それは。
『このゲームは俺を殺す為だけに作られている』
ガンマが来てからの世界の変わりよう、コスモ·アマリリス·メガイストス、ガンマが車で情報の一切が表舞台に現れていないもの達が一斉に顔を出し始めた。自意識過剰、運が良かっただけという可能性も無くはない、無くはないが、
「このゲームの会社が会社だしな〜、」
「ん?何の話か分からない。」
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「どう?PGの現状」
「プレイヤー名ガンマは現在ネプトーネに順調にたどり着いたね。私が急遽用意した救助船が効いたみたいでよかったよかった。」
会社名Creator My God───会社内管制室でモニターに映るプレイヤーを眺めながら会話を進展させる3人。
「でもいいのかよ、ここまでガンマが来てからの進展は創世生物三種だぜ?このまま行っちまえば一年ぐらいでゲームクリアデモされるんじゃねぇか?否、もっと早いかもな」
「それにここまで世界に介入しちゃっていいの〜?ゲーム壊れないの〜?」
「問題ないさ。そもそもこの世界はプレイヤーの進行度によってボスもシステムも異なるからね」
「例の創世生物との遭遇がトリガーになってるやつか」
「そっ、現状最前線はガンマになった訳だね。三体に遭遇してるってだけで」
「メガイストスがやられちまったらその後はどうすんだ?」
「メガイストス後は当分放置でいいかな?ここら辺からシナリオがぐちゃぐちゃになってくし、メガイストスまでは想定内だから。そもそも、メガイストスの役割は、討伐云々ではなくその戦場そのものだからね」
「俺たち11人の総力であの神を堕天させる、目に物見せてやるよ!」
「ライ君怖〜」
テストが終わりついに自由の身、書きまくるしかねぇな!




