#9 ジルコ
「いやあ、話がはやいね!君ならどんなスキルでも学園に紹介したいくらいさ」
少々胡散くさいこの魔法使いの名前は、ジルコといい、魔塔という研究機関でスキルについて研究しているらしい。フィールドワークとは熱心なことだ。
「俺を連れて行く気ですか?」
「いや、君の気持ち次第だよ。貴族の介入とかがあったらある程度は止めるけどね。……今日は君のスキルを調べるだけさ」
「どうやって?」
ジルコは色々とあやしい道具を机の上に引っ張り出した。
「とりあえず君の各種能力を測ってみるよ」
「能力?」
「力の強さとか、魔力量とかだね。この石を握ってみてくれるかな」
青色の宝石には紐のようなものが伸びている。コードのようなものだろうか?
「9か……年の割にMP、魔力が多いねえ」
机の上には青色も含めて6つの宝石がある。それぞれ【ステータス】の各項目に対応していそうだ。
「体力は普通、4項目が25,50,40,60……特に異常値はないかな」
「その数字でスキルが何か分かるんですか」
「先天的に200超えてたらスキルにそういう効果が含まれてるのがほぼ確定するけど、特にそういうのなかったからねぇ……ちなみにさっき言った4項目は成人男性の標準値が60だよ」
俺って転生者なのにINT標準より低いの?
「4項目の内容を教えてくれませんか」
「だいたい筋力、賢さ、素早さ、運って訳されるよ。正確にはちょっと違うんだけどね。賢さは魔法を使うための身体の回路の質の話であって、頭の賢さではない、とかね」
秒で解決した。確かに賢さが測れるわけないもんな。
「うーん、しかし手掛かり無しだなぁ。スキルが分かってない子はこの先、生きてくの大変だし、はやめに見つけてあげたいんだけどね」
……?俺は自分のスキル分かってるぞ?
まあスキルが判明しても働かされるだけだし、もう少し様子見るか。
「ええっと、報告書報告書……あ、スキルレベルが儀式中に上がってるのか……あー、なんか心当たりある?」
結構声に出るタイプなのだろうか。
「そんな雑に訊かれても。スキルレベルってなんですか?」
「一部のスキルは成長するんだよ、スキルレベルを持ったスキルなんかはその典型例だね。レベルを上げきればとても強力なのが特徴だけど、それまでが弱かったり、レベルを上げる条件が厳しい、酷い時には分からなかったりすることがある」
俺の場合は合成スキルを2つ手に入れてマージする、だから分かりやすい方だな。
「うーん、神聖力とかかなあ。鑑定の儀で初めてレベルが上がったんでしょ?他のスキルに反応したとかもあり得るかも……」
俺が黙ってるせいで迷走しているな。研究者とは大変な職業だ。
「僕のスキルを使ってみてもいいかい?」
「ぜひ見たいです」
彼はスキルの話をしているときものすごく楽しそうだ。胡散くさい人だが悪い人では無いのかもしれない。
よく見ていてね、というと、彼の手に砂の山が降り積もった。
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