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#3 家族構成

この世界に転生してから3年が経った。スキル鑑定の儀は数ヶ月後にあるらしい。平民、特に貧困層は有用なスキルがあればすぐに労働力や金銭に変えられるので、3歳という非常に幼い時期にスキル鑑定を行うそうだ。7歳までは神の子と前世では言ったが、こちらでは3歳までは貴族の子とでもいうような具合である。価値観が合わない……

「カージはね、私の5人目の子どもなのよ」

「……お腹の子で、7人目か」

「カージはきょうだいの中で1番賢いわねぇ」

お腹の大きな母のそばには俺と一歳差の弟がいる。弟は無口で、よくボーッとしている。俺も家族からは無口だと思われているが、この弟は本当に喋らない。

「子ども産むのって大変じゃないの?」

「お母さんは昔冒険者だったからね、身体が丈夫なのよ」

「丈夫だから冒険者になったんじゃなくて?」

「ダンジョンを攻略すると、スキルがもらえるのよ」

そう考えるとうちが子沢山なのは退職後の人生として合理的な選択だ。

「畑の兄さんを手伝ってくるよ」

「カージは本当に働き者ねぇ」


畑に向かおうとすると、弟に服の端を掴まれた。

「キュード、お前もついてくるのか?」

「……」

彼はこくりと頷いた。



「もうすぐ、スキル鑑定の儀だと思うんだよな」

「……」

「お前も多分来年にやると思うけど」

「……?」

「スキルってどんなのがあるんだろうな?母さんがダンジョンでもらったのとは別だろ?」

「……」

「ん?てことは母さんもスキル2つ以上持ってんのか」

「……!」

キュード相手だとついつい喋りすぎてしまう。表情豊かでかわいいのもあるが、母さんや上のきょうだいより価値観の相違がないことが大きい。彼はたった2歳なのだから違える価値観もないが。

しかし喋らないな。本当なら医者に診てもらいたいところだが、医者っていないんだよな。神官も神官でよくわからなくて怖いし。どちらにせよそんなことが叶う身分ではないが……



「兄さん、手伝いに来たよ」

「まだスキルも持ってないガキのくせに、調子乗るんじゃねえよ!」

「俺はいいけど、キュードは怖がらせないでくれよ」

「何でつれて来たんだよ!」

「キュードだって兄さんの役に立ちたいよな?」

「…………」

キュードはどこか遠くを見つめている。

「あれっ?」

「子守りに集中してろよ、ガキ!」

「うーん」

兄さんは口は悪いが働き者だ。というか、こんなに働かされてこの程度の捻くれ度合いで済んでいるんだから聖人の類いだ。俺は、おそらく植物か土に関するスキルを持っているんじゃないかと予想している。でなきゃ家庭菜園にしては広い畑をほぼ1人で世話できるはずがない。もともと植物は好きなんだろうが。親は邪魔だからという理由で追い出された。7歳に負けるなよ、親。大人も働けよ、親。

「水汲んでくるねー」

「おいっ、逃げんじゃねーよ!」

「うん、すぐ戻ってくるよ」

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