#20 因果応報?
鉢植えにはそこそこ大きな木がまんまるに茂っていて、もう子どもの力では持ち上げられそうに無い。
ジルコは呆然としていたがすぐに気を取り戻した。
……スポナーが高レベルだったら屋根突き破ってたかもな。危なかった。
ただでさえ所狭しと密集した葉は肉厚で、おそらく高レベルの薬草と霊草の系統の2種類があるのだろうが、図鑑でも見たことがない種類だ。葉を掻き分けると太い根っこも増えているのが分かる。どんだけ魔力を吸ったんだ?
「植物系のスキルだったのか……」
違うけど。
「……これは全く予想していなかったな。他人の魔力を使えるならスキルのレベルは何を指してるんだ……?植物系の神聖文字の解読は進んでいる方なのに、神官が読めなかったのも気になる……」
「ねえ、魔力枯渇大丈夫?」
「いや、それは全然……それどころじゃないよ!」
魔力は全然余裕、と。
「この鉢は1つしか無いのかい?」
「無いよ」
「君のスキルで作った?」
「うん」
「なのに君以外も使える?」
「そうみたい」
ジルコは頭を抱えている。
「困ったことになったな。この鉢は貴族も魔法使いもみんな欲しがるぞ」
「だろうね」
「そして、この鉢を使うのにカージ君本人は必要ない」
風向きが怪しくなってきたな。
「この鉢が買われたり、奪われたりしたら君はスキル無しの子どもになる。それならまだいいが……」
実際にはスキル無しにはならないが、俺のことを案じているのが分かる。スキル無しの人間が生きていくのは大変だと以前言っていた。
「所詮平民の子ども1人だ。こんな金の成る木、殺してでも奪い取ろうとする輩だって少なくないだろうよ」
やっぱスキルは内緒にして魔道具だけねだればよかった。
……冷静に考えよう。まだこれを知っているのはジルコだけだ。口封じでもするか?……いや、明らかに勝てない。俺は何を考えてるんだ。全く冷静じゃない。とりあえずこの状態で返しちゃダメだ。
「お願い、秘密にして……?」
「うーん、僕だってそうしたいけどさ。今後一生スキル無しのふりして生きてくつもり?」
「とりあえず俺が子どもの間は黙っててよ!」
「別に黙ってることはいいんだけど、そのうち何かボロがでるよ。……最近、スキル研究の世界では『スキル無し』は存在しないっていう説が主流になりつつあるんだ。あと2、3年もしたら一般にも浸透すると思うんだよね」
2、3年経っても俺はまだ一桁代だ。人生詰んだか?……素直に合成スキルの仕様を話せば良いだけな気もするが。それでも人から利用されるのは間違いないだろう。
「そこで提案なんだけどさ、魔法使いにならない?」
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