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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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38/51

マノンを助けるんじゃなかったの?まあ、トイレがないパリからさっさと脱出しなくっちゃ

なんか芝居がかっちゃってますね、JK旅団。

ジェロント「筆談はかまわないが、そのガラスが光っているような小箱は何ですか?」


桜「これは私たちの国から持ってきた機械です。害にはならないのでお気になさらないように。」


翼「フランス語がわからない私たちを助けてくれる機械だと思ってください。このように画面に言葉が出ます。」


紬「私は最低限のフランス語を話せますが、実用レベルには程遠いのでやはりこの機械を頼ります。」



挿絵(By みてみん)



ジェロント「わかりました。いやはや、外国にはまだまだわからない技術があるものです。」


桜「最初にうかがいます。あなたはマノンさんと婚姻関係にありますか?」


ジェロント「まさか。我々の社会は身分違いの婚姻を許すほど寛容ではありません。彼女はミストレス、愛妾です。」


翼「本気で愛してらっしゃる?」


ジェロント「もちろんです。むしろ家の利害と無関係の、純粋な男女の絆ですから、恋愛という言葉の最も深く最も真摯な意味で私は彼女を愛しています。」


紬「その年齢差から、あなたが彼女より先に天国に行くことになったら、彼女はどうなりますか?」


ジェロント「十分な遺産を相続させて、死ぬまで生活に困らないようにするつもりです。」


桜「それは弁護士や公証人に託された書類によって保証されるということですね?」


ジェロント「はい。もしお疑いなら、ここで見せてもかまいません。」


桜「いえ、今のお言葉だけで十分です。では今のお言葉を前提にして、私たちがここに来た理由をお話しましょう。」


翼「それはマノン・レスコーさんのことです。彼女はあなたに囲われて何不自由なく、いいえ、とても贅沢に暮らしてらっしゃいます。それをあなたに感謝しているかどうか、はなはだ疑問ですが。そして、その自明なものだと思っている物質的幸福を....こともあろうに...」


桜「翼、少し自省しなさい。」


紬「Je vais parler en son nom.(彼女に代わって私が話しましょう)。彼女は、マノンさんがあなたを裏切るのではないかと懸念しているのです。」


ジェロント「何ですと!」


紬「まだ調査は十分ではないので断定はできませんが、デ・グリュー氏とかつて解けてしまった、いえ彼女が自ら解いた絆を結び直しているのではないかという疑念が払拭できません。」


桜「私たちはこの問題を座視できません。そのため、ムッシュ・ジェロント、私たちはここであなたとこの件について話を詰めておこうと思ってやって来たのです。」


ジェロント「私はどうすれば?」


桜「この件、私たちに預からせてください。悪いようにはしません。マノンさんはあなたの元に残る。そしてデ・グリュー氏は...彼女の前から永遠に姿を消します。でも、それにはあなたの全面的な支援が必要なのです。」


ジェロント「何でしょう?金ですか?いくらでも出しましょう。」


桜「いいえ、とんでもない。まあ、必要な場合は必要経費を要求するかも知れませんが。我々が必要としているのは、信頼できて腕の立つ用心棒です。」


翼「私たちは見ての通り小娘です。路地をうろついている酔っ払いにだってかないません。そしてフランス語も喋れません。そんな私たちが舐められることなく交渉の場に立つことを可能とする盾と剣が必要なのです。」


紬「その力に守られながら、私たちは先ほどお話しをした結果を実現すべく作戦を決行いたしましょう。」


桜「どうでしょう?そのような人材を私たちに預けてはいただけないでしょうか?」


ジェロント「わかりました。何人か心当たりがあるので、明日、また来てください。人選を済ませておきます。」



***************************************


女神「何だ何だ何だ~っ!あいつら口調が急に変わったぞ!」


翡翠「まるでサスペンスドラマみたいになりましたね。」


青水「こんなキャラ変してこの先どうするつもりなんだ?」


***************************************


 翌日、3人はゴグルの他に蓄光髪飾りを着用してジェロント家を再訪した。今はまだ昼前の日差しに輝く水色の星だが、その実力を発揮するのは日が落ちてからである。



ジェロント「ボンジュール、メドモワゼル。今朝はまた髪飾りでひときわ美しい。」


桜「ボンジュール、ムッシュ・ジェロント。」


ジェロント「うってつけの人物を見つけました。元近衛騎士のアルフォンスです。まじめな人柄なのですが、賭け事になるとつい熱くなりましてな、私が借金を肩代わりして荒事を任せているのです。」


アルフォンス「初めまして、メドモワゼル、用心棒のアルフォンスです。」


桜「初めまして、私は桜、こちらは翼と紬です。あなたは私たちのミッションの要です。よろしくお願いします。」


ジェロント「何か私にできることは?」


桜「これから作戦を実行するにあたり、人を雇わなければなりません。アルフォンスさんに5人分の人件費...そうですね、ひとり3リーヴルで15リーヴルを渡してください。それで片を付けてきます。」


ジェロント「やつを痛めつけるのですか?」


桜「いえ、少し脅すだけです。ご安心ください。」


***************************************


翡翠「女子高生とは思えませんね。ならず者を雇ってターゲットを暴力で屈服させるのでしょうか?」


青水「最近の女子高生の外面と中身の乖離は計り知れないからなあ。」


女神「はっはっは、それを言い出すと、自分は時代遅れ爺だと宣言しているようなものだぞ、青水。」


****************************************


桜「よろしいですか、アルフォンス、私たちは手を汚す仕事を任せる人間をどのように選べば良いかわかりません。口が硬く命令に忠実で、そしてここが大事なのですが、荒事で手加減ができる人間、私たちが必要としているのは対象を殲滅できる暴力ではなくて無力化できる力です。それを任せられる人間を5人、半日の稼働で3リーヴル、決して少ない額ではないはずです。探していただけますか?」


アルフォンス「お任せください、マドモワゼル。賭け事に狂って裏社会の人間たちと知り合いになった過去がここで役立つときが来ました。」


翼「何だか桜、王女様が憑依したような口調になってるけど。」


紬「ほら、洋画の吹き替えの口調だよ。ふつうの日本語じゃないじゃん、あれ。」



 アルフォンスが探し出した荒くれ者たち5人とJK旅団、そしてアルフォンスは、夜のパリでデ・グリューが潜んでいる場所をすぐに見つけ出した。夜の町に生きる人間のネットワークは侮れない。路地の暗がりで荒くれ者たちに囲まれたデ・グリューは、あっという間にレイピアを取り上げられ無力化され、そして拘束された。


桜「アルフォンス、この男を尋問できる場所はありますか?」


アルフォンス「はい、うってつけの地下室があります。どうぞ、こちらです。」



デ・グリュー「おまえたち、何者だ?私に何の用がある?」


アルフォンス「私ですか?こちらのメドモワゼルの盾にして剣、しがない用心棒のアルフォンスです。その荒くれ者たちの名前はどうでも良いでしょう。そして、あなたへの用事は、こちらのメドモワゼルが告げることになります。くっくっく、言葉ではなくて文字で。」



挿絵(By みてみん)



デ・グリュー「お、おまえたちは何だ?」


アルフォンス「くっくっく、こちらのメドモワゼル、見た目よりかなり恐ろしい方々ですよ。」


桜「私たちですか?ふふふ、そうですね、どうしても名乗れというのなら...」


紬「私たち、T国歌劇団です。」


翼「闇に震える帝都に躍り出る戦士です。」


紬「心まで鋼鉄に武装しているのです。」


桜「悪を蹴散らして正義を示すのです。畏れなさい、デ・グリューよ!」


デ・グリュー「ひっ!」


桜「私たちは正義のために戦うのです。」


翼「デ・グリューよ、おまえに正義はあるか?」


紬「ないのなら、暁に激情を照らし出しますよ。」


桜「衝撃が唸るぞ、その覚悟は?」


デ・グリュー「いえ、お許しを!」


桜「ならば問おう、デ・グリューよ、パリから立ち去り二度と戻らぬと誓えるか?」


デ・グリュー「はい、誓います。」


翼「手紙を含めてマノンへの一切の接触を断つと誓えるか?」


デ・グリュー「はい、誓います。」


桜「ならば今の言葉、今一度この小さな箱に向かって大きな声で述べよ。」


デ・グリュー「私、騎士デ・グリューは、二度とパリへ足を踏み入れず、手紙を含めてマノン・レスコー嬢への一切の接触を断ちます。」


 桜は録音したデ・グリューの言葉をボリュームいっぱいに上げて再生した。


桜「これで約束はなされた。もはや違えることはできない。このまま立ち去れ。」


え、こいつら。。。ふざけてんの?サスペンス劇場の言葉遣いになったと思ったらまさかの王女様ムーブ、そして。。。危なくて言及できない悪ふざけ。

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