最多量産型の異世界転生、女神に転生したらしいが、突然の最終回
桜「量産型架空戦記はこれでお終いだ。」
翼「うちらもそろぞろお終いでいいかも。」
紬「だってそもそもの前提がもう崩れてるもん。」
桜「そもそもの前提ってなんだっけ?」
紬「ほらね、忘れてるじゃん。」
翼「女神様だよ。女神様の指示で転移させられていた。」
桜「そうだった。女神様で始まったんだった。」
紬「原宿でクレープ食べてたら突然現れて試練を与えるって。」
桜「そうだった。試練の転移だった。すっかり忘れてた。」
紬「で、いつの間にか自由にやって良くなって現在に至る。」
桜「ということは転移しなくても別にかまわない。」
紬「自由だからね。」
桜「ならこれで最終回だ。みなさん長いことどうもありがとう。」
翼「ちょっと桜、それはあまりにも唐突だよ。」
紬「まだたくさん行ってないところもあるんだから。」
翼「量産型ラノベの最大ジャンルに行ってない。異世界転生。」
桜「行ったじゃん、いろいろと。」
翼「転移する人に最初から寄り添って見ていない。」
桜「最初からというと、現世で死ぬとことからってこと?」
翼「そう、そこから。」
桜「むざむざと死ぬとわかってるのに助けないで放置するの?」
翼「それがお約束のスタートだからね。」
桜「トラックと転落はイヤだな。」
紬「納得できる死に方は何だろ?」
翼「これ以上は無駄だからって点滴を止められて死ぬ。」
桜「その場面に臨席できないじゃん。」
紬「幸福の絶頂で死ぬ。」
桜「....おまえがそれを言うとエロの香りが漂うんだが。」
紬「そんなことないよ...まあ、それでもいいけど。」
桜「エロの絶頂死でも臨席できないからね。」
翼「表彰台で雷に打たれる。」
桜「それだ。それなら多くの観客とともに臨席できる。」
翼「うちらも助けられないし、罪悪感ゼロで付き合える。」
桜「では行こう、スタート地点から寄り添う異世界転生。」
桜「ああ、栄光の最中に...」
紬「サンダガ。」
翼「一瞬のショックなので痛くないでしょ。」
紬「本人にしかわからん。」
女「何?ここはどこ?私....優勝したんだけど。」
桜「このあと出るんでしょ、お約束の?」
翼「チートをくれる女神。」
紬「量産型異世界転生ものの作家さんは女神様の造形にあまり関心がなさそう。」
翼「たまに幼女とか出すくらいかな。」
桜「老婆は見たことがない。」
翼「老婆にすると女神じゃなくて魔女になっちゃうからね。」
紬「卒論テーマ:なぜ女神に老婆はいないのか?」
桜「あ、出た、女神。」
翼「うわ、わかりやす~。」
紬「キラキラのエフェクト付ければモブ女神が爆誕。」
桜「いよいよ対決シーンだね。」
紬「うん、ここが作家さんの腕の見せ所。女神ディール。」
翼「ここで決まったルールが異世界生活のQOLを決める。」
女神「顔を上げなさい、女よ。ここは現世と異世界の狭間の地。私はここを司る女神です。」
女「俯いていませんけど。女神って美人なの?ミスコン出場歴ある?」
女神「は?そんな俗世の催し物に出るわけがありません。私は女神です、死せる者よ。超越した美の体現者です。」
女「死んだからって死せる者って言わないでくれる。傷つくんですけど。」
女神「おや、無教養なのですね。これはもう決まった言い方なのです。あなたがたはモータル、私たちはイモータル。決定的な差があるのです。」
女「うちらモータルコンバットなの?まあいいわ。で、女神は私に何かしてくれるのかしら?」
女神「あなたは異世界に転生するのでその説明と何か加護を与えようと。」
女「加護?現世に戻してはくれないの?私、ミスコン優勝者の港区女子として男たちにチヤホヤされまくる勝ち組人生を送る予定だったんだけど。」
桜「うわ、サイテー。」
翼「港区のイメージをダダ下げる。」
紬「港湾で労働しろ。」
女神「死んだ人間を戻すことはできません。ゾンビとして復活なら、いったん地獄の悪魔に引き渡せばなんとかなりますが。」
女「ゾンビですって!ふざけんなよ。ミスコン優勝者だぞ。そんな腐った死体にしたら素材がもったいないだろ。わかったよ。現世に戻るのは諦めた。こっちで無双できるようにしてくれ。」
女神「無双...ですか。要求が雑すぎてどうすればいいのか...」
女「チヤホヤされて誰にも文句を言われない。みんな跪く。周りの人間を好き勝手できる。」
桜「加護なしで村人にしろ。」
翼「ついでにデブ。」
紬「さらにブス。」
女神「これまでの転生者でそのような希望を口にした人はいませんでした。何を与えればそうなるのか思いつきません。」
女「そうだ、思いついた。私が女神になる。おまえが異世界へ落ちろ。はっはっは、最高じゃないか。もう決めた。私とおまえと交替。だって私はミスコン優勝、おまえはノータイトル。勝負は最初から付いてる。」
女神「え...そんな!」
女「ぐだぐだ言ってないでその杖を寄こせ。……よっしゃ、ガッチャ!元女神よ、異世界で村人になれ!」
女神「え~....そんなぁああ...」
桜「あ、女神が落ちた。」
翼「ひどい。何この展開。」
紬「悪役令嬢ならぬ悪役女神の爆誕。」
桜「声を掛けようか。」
翼「うん、行こう。
紬「こんにちは、新しい女神様。」
女「誰?」
桜「転生じゃなくて転移なのでどうぞご心配なく。」
翼「雷に打たれた現場にいたのでこちらまで付いてきてみました。」
紬「寄り添う精霊だと思ってください。」
女「名乗るからおまえらも名前を言え。私は現世では涼宮麗華だった。もちろん本名じゃなくてキャストネームだけどね。本名の佐藤真由美じゃ映えない。弱い。」
桜「私は一条桜、本名です。」
翼「私は二宮翼、同じく本名です。」
紬「私は...いえ、ボケずに名乗ります、三上紬です。あのー、キャストネームって何ですか、佐藤さん。」
麗華「だーっ、佐藤って呼ぶんじゃないよ。キャストネームはお店での呼称だよ。」
紬「ああ、いわゆる源氏名ですね。」
麗華「そんな昭和のキャバレーみたいな言い方をするな。港区らしくないわ。」
桜「女神様ご就任おめでとうございます。」
翼「これから転生者に加護を与えるお仕事をされるのですね、麗華さん。」
麗華「麗華じゃ女神っぽくないな。カタカナにしないと。」
桜「そうですね。アクアとか、アで始まるのがいいんじゃないですか。発音しやすいし。」
紬「アンコとか。」
麗華「おまえ、さっきからバカにしてるだろ。水商売だからって下に見てるだろ。」
紬「いえ、アで始まるの、それしか思いつかなかったんです。」
麗華「ア....アマンダしか思いつかない。なんか安っぽくて悪者っぽい。」
翼「世界中のアマンダさんを敵に回しましたね。」
紬「ではAIに決めてもらいましょう。あまり仲が良くないAIのCopilotくん召喚……ふむふむ、出ました、アウレリア、これは金色の光、アストレア、これは正義の象徴、アマリア、慈愛でしょうか、優しそう。」
麗華「ならアウレリア一択だな。金が好きだ。」
翼「あのー、その漢字の読み、キンですか?それともカネ?」
アウレリア「どっちでもいい。」
桜「女神としても力を得たんですから、まず何をなさいますか?」
アウレリア「この殺風景な光景を変える。港区女子にふさわしい場所に。」
桜「はあ...どんな光景なのでしょう?」
アウレリア「これだ。タワマンの高層階。」
翼「これって港区なんですか?なんか違うっぽい。」
紬「中央区勝どき、江東区豊洲、晴海。」
桜「豊洲がいちばんしっくりくる。」
紬「アウレリアさんって港区在住なんですか?」
アウレリア「違うけど。港区女子っていうのは港区在住女子じゃないの。これだから田舎者は...。港区女子はね、港区を主戦場にしている女子のことなのよ。住所は関係ない。私は大宮だけど、あまり帰らないし。」
紬「はあ、そうだったんですね。うちら、実家が港区だけど、そういえば主戦場は違いました。港区女子じゃありません。実家が港区女子に変えます。」
アウレリア「実家が港区だと?」
桜「はい、私は広尾、翼は麻布十番、紬は白金台です。」
アウレリア「ちっ、お嬢かよ。ふざけやがって。」
翼「あ、転生者さんが来たみたいですよ。アウレリア女神の初仕事ですね。」
転生者1「トラックに轢かれたと思ったらここに飛ばされました。」
アウレリア「まあ、痛かったでしょう。でももう大丈夫ですよ。あなたは異世界に転生するのです。転生先で苦労しないように加護を与えましょう。望みを言いなさい。」
転生者1「働くのが嫌いなので、手を叩けば無限に食べ物が出るようにしていただければ。」
アウレリア「あ、そう。それでいいのね。もう決まったから変えられないよ。では行って来い!」
桜「なんか説明が雑だったような。」
アウレリア「怠け者はずっと手を叩いて臭い飯を食い続ければいいんだよ。」
転生者2「ホストと売掛金で揉めて刺し殺されたらここに飛ばされました。」
アウレリア「まあ大変。痛かったでしょ?でももう大丈夫。あなたは転生するのです。転生先で困らないように加護を与えましょう。望みは何ですか?」
転生者2「すべての男たちが私をチヤホヤして好きなものを与えてくれる力です。」
アウレリア「は?おまえ...ふざけんなよ、このブスが。その性格がクソだわ。よし、性格を優良にして容姿をブスにして10秒ごとに放屁する体質にしてやるから異世界へ行って来い。性格が良くても何もいいことはないって絶望に苛まれながら生きてゆけ。行って来い!」
翼「なんかひどくないですか。さっきの人、麗華さんだったアウレリアさんとほぼ同じじゃないですか。」
アウレリア「私はミスコン優勝者、あいつはホストに貢ぐ底辺風水事業者、格が違うんんだよ。」
転生者3「女神様、自宅マンションの入り口で待ち伏せしていた女に刺し殺されました。」
アウレリア「あら、イケメンじゃないの。ひどい目に遭いましたね。でもも大丈夫。あなたは異世界で第二の人生を歩むのです。異世界で困らないように加護を与えましょう。望みは何ですか?」
転生者3「静かに清らかに暮らしたい、それだけです。歌舞伎町でナンバー1ホストでしたがもうこりごりです。店の売り上げのために複数の姫におべっか使ってデートして、挙げ句の果てに嫉妬で殺されました。畑を耕し神に祈る生活を望みます。」
アウレリア「私を崇拝して祈るのですね。よろしい。たいして働かなくても上質の作物が収穫できる能力と祈ればいつでも私と会える能力を与えます。がんばってね。またすぐ会いましょう。行ってらっしゃーい!」
翼「えこひいきですよね。」
紬「自分が会いに行くって、邪な欲望としか思えない。」
桜「女神には性欲がないはずなのに、元が元だけに。」
アウレリア「は?うるせーな。お子様にはわかんねーんだよ。ああ、三人も処置したらもう疲れた。きょうは閉店。」
翼「まだたくさん待ってますよ。」
アウレリア「ちっ、面倒だな。まとめて落とすか。ほれ、加護を10個投げるからキャッチしたやつを持って落ちろ。行ってこーい!」
桜「もうダメだ。帰ろう。」
翼「これ、物語として成立するのかな?」
紬「作者の人格が思いやられる。」
桜「うちらここまでがんばったんだからもうラストでいいよね。」
翼「最終回だ。」
紬「別れは突然やって来る。涙をふけ。顔を上げろ。」
桜&翼&紬「バイバイキーン!」
長かった。転移先が枯渇した。もうダメです。60万語ぐらいになりましたかね。よくこんなに書き続けられますね。まあ、今だから言いますが、紙媒体出版を7~8個やってるので、大量の文字を書くのはなんとでもなるのです。読者の皆様もお疲れ様でした。




