天日宮雛
前振りが長くて申し訳ありませんが、
ようやく学校編がスタートします。
是非、最後まで読んでいってください。
やば、間に合うかな。
腕時計を見ながら、俺はそう思う。
ここから学校まで約15分、しかしあと10分で学校につかないと遅刻する。
しかし、人がこんなにたくさんいると、急ごうにも急げない。
初日に遅刻すると、そのことがあの人の耳にすぐ入り、多分面倒なことになる。
仕方ない、少しズルをするか。
「跳躍」
そういうと、足がほんのり発光し15メートルほどジャンプする。
近くの屋根に着地し再び走り出す。
「加速」
そういうと、自転車と同じくらいの速度まで加速する。
屋根を飛び回りながら自転車と同等の速度で走る。
これなら、時間の大幅短縮ができるはずだ。
よし、これなら間に合う。
そう思って少し油断し、気づかなかった。
まさか自分と同じ考えを持つやついて、そいつが俺の前を横切ろうとしていることに。
「…は?」
「…え!」
素っ頓狂な声が出たが、その時にはもう避けることは出来なかった。
ドーン
「うっ!」
派手にぶつかったがそんなに痛くはないし、反射的に受け身をとったため怪我もない。
相手の方は…
「いててて…」
まさかの女子だった。
しかし、目立った外傷もなく、痛みも小さそうだ。
…怪我はなさそうだし大丈夫か。
そう思い俺は急いで立ち上がる。
「すいません、急いでいるのでお先に失礼します」
そう言って立ち去ろうとしたが、俺の足を彼女が掴んできた。
「ちょっと待ちなさい!」
「…何か用でも?」
彼女は怒った顔をしながら、立ち上がる。
「そっちからぶつかってきたのに、謝罪のひとつもないの!」
「いや、ぶつかったのはお互い様…」
「なに、この私に歯向かう気?私が誰だかわかっているわよね?」
俺はもう一度よく顔を見る。
髪の色は鮮やかな薔薇色。
ショートボブで、小さい顔は整っている。
体は、胸が大きくバランスの良い男子ウケがいい体だった。
しかし、それ以外の情報がない。
なら、ここは正直にいうことにした。
「誰?」
すると彼女が驚いた顔で動かなくなった。
…何だこいつは?まあ、動かないのであれば好都合だ。
「それじゃ」
一応挨拶をし、腕時計の時間を確認してからまた急いで学校へと向かった。
何とか間に合った俺は、入学式に出席し無事終わらせることができた。
その後、一年A組に配属されその教室へと向かう。
しかし、知らず知らずのうちに自分で蒔いた種が、思わぬところで芽吹いてしまった。
「あー‼︎」
「げっ」
教室に向かう途中に朝ぶつかった彼女が、同じ学校の同じクラスという最悪の形で。
「ここで会うとは思わなかったけど、今こそ謝罪してもらうわ、今朝の愚弄も合わせて!」
「……」
大きな声でそういう彼女に廊下の人の視線が集まる。
そして、彼女が指を刺す俺にも注目が集まる。
やばい、廊下でかなりの注目を集めてしまっている。
その上彼女は有名人らしく、周りでは小さい声で噂話が飛び交っていた。
「あの子ってよ、もしかして白騎士の序列第3位 天日宮十蔵の娘、天日宮雛じゃないか?」
「あぁ、だから今回の入学試験第2位の実力の持ち主なのか」
「そんな子に目をつけられるって、あいつ終わったな」
…なるほどあの人の娘さんか、たしかに性格が似ている。
特にプライド、自尊心が高いところとかが…。
「何黙っているの?さあ、早く謝罪しなさい!」
こういう時の対処方法は…
「今朝は申し訳ありませんでした」
穏便に済ませるのが一番だ。
そういうと、少し満足して口数が増えていく。
「そうよね、あなたの不注意で私に迷惑をかけた、その罪は許してあげる。でも、私を愚弄した罪は許してないわ!」
「は?愚弄?」
「私の存在を知らないという愚弄よ!」
何言ってんだこいつと思ったが、こいつのプライドの高さを考えると、それくらいのことでも許せないのだろう。
だがしかし流石の俺も少し反論しようと思った。
「いや、それは仕方ないんじゃ」
「反論する気!謝罪する気はないってことね!」
嫌な予感がしてきた。
「そうは言って」
「もういいわ、私天日宮雛はあなたに決闘を申し込むわ!」
…反論せずに謝罪しとけばと後悔したが、後悔時すでに遅しだった。
どうでしたでしょうか。
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