04
思い立ったが吉日!
オースティンからの了承もあった。
いざ!出陣!返り討ちにしてくれるわ!
と意気込んだ私はおバカでしたわ。
オースティンとリリアーナは少し話をした事があったみたいですわ。おそるおそるではあるものの会話が成り立っていて、その二人の様子はまるで映画のワンシーン!!!かわいいおフランス人形の様な二人がもじもじしながら話してる感じは、
(!!!うわ~!!!何この、素敵空間!!!癒されるうううう!!!)
ですわっ!
はっ!正気、正気を保たなければ‥‥‥はあぁぁぁ。やだ顔がにやけ‥‥‥!!!アンナから冷たい視線が!!!
「ルリア様、お茶会のお誘い、ありがとうございます。」
えっ!私?オースティンが私に話かけてますの?私はみてるだけで満足でしてよ。二人でお話しててよろしくってよ。・・・というわけにはいかないですわよね。
「いいえ、急なお誘いにも関わらずご了承してくださって、こちらこそありがとう。」
ふふっと淑女らしく微笑んで、っと。
おや?オーステインは何で悲しそうな顔をするのかな?
「どうかなさったの?オースティン?」
「‥‥‥いえ‥‥‥ルリア様からお誘いを頂けると思っていなかったので・・・その・・・」
?オースティンが何かを言いかけて顔を伏せてしまったけど・・・睫毛長っ!!何か、陽に当たってキラキラしてるっ!!リリアーナと良い勝負だわっ!!
「‥‥‥私は、その・・・嫌われて・・・いるのだと・・・」
あっ・・・。
「・・・嫌ってなど、いませんわ。」
そう、今は!
ごめんね。何となく伝わってたのかしら。今は嫌ってないわ。今は!
前世では孫の婿、嫁辺りから多すぎてよくわからなくなってきたし、歳をとってからは子供は皆可愛い!ってひ孫も他人の子供も一纏めに考えていた影響かしら?
今は本当に、オースティンを見ていても嫌な気持ちは湧いてこない。第一、悪いのは・・・少なくともオースティンには何の非もないのですもの。
それに、リリアーナと二人でお話しているだけでこんなに素敵な空間を作り出すなんて。はぁ、むしろ、癒しですわね。
あら、オースティンの少し安心したみたいな、困惑してますみたいな微妙な笑い方があまり子供らしくないですわね。何かフォローをしなくては。
「私の体調が良くなくて、中々お話しをする時間が取れなかったせいで誤解を与えてしまったのかしら?オースティンはマナーも剣術もお勉強も頑張っていると聞いてましてよ?嫌う理由がございませんわ。」
ごめんね。本当はイライラして、腹をたてて八つ当たりをするかもとか思うと会えなかったのですわ。
「いえ、・・・私は何をしても上手く出来ません。・・・きっと、才がないのです・・・今日も、お叱りを受けるのだと・・・」
又、顔を伏せてしまったわ。睫毛長っ!ってつい睫毛の長さに目がいってしまうわ。
「叱る?私が?」
まぁ、違う意味では気合いを入れてましたけども。空回りしましたけども。
「リリアーナに意地悪したら怒るかもしれませんわ。」
うつむいてしまっているオースティンにわざといじわるそうに言えば、あわてて顔あげたオースティンと目があった。何をそんなに怯えているのかしら?私の顔?何か恐いオーラでも出てるのかしら?
・・・出てたわね、多分。今までは。今は出てないはずだけれども。ここは名誉挽回ですわね。オースティンとは仲良くできる気がしますもの。大丈夫。
「ふふっ。オースティン、お兄様としてリリアーナをよろしくね。大切な私の宝物ですの。オースティンも大切にしてくれると嬉しいですわ。ついでに私とも仲良くして頂けるかしら。」
「・・・はい。」
オースティンが泣き笑いで返事をしてくれたのですけども、本当は嫌とかではないですわよね?えっ?嫌だったらどうしましょう。