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03


 お庭に出てリリアーナとお茶をした日から部屋を出る様になった。

ゲイル様とは朝の見送りと、帰宅が早い時の夕食時のみしか顔を合わせていない。

普段からあまり話をしないゲイル様。当然ながら私が話しかけていないのでほぼ会話らしい会話はしていない。

私が話しかけないと会話がないとは・・・あまりの虚しさに胃がキリキリとして、乾いた笑いが込み上げてくる。涙は、もうでてこない。

オースティンとは夕食の時にしか顔を合わせていない。来たばかりの彼は7才児にもかかわらず、跡継ぎとしての教育に日々を忙殺されているらしく、こちらが避ける必要がない位に顔を見ていない。

夕食時もリリアーナと私の二人がぽつぽつと話す位で、雰囲気が良いとは言えなくて、胃の痛みが増す毎日を過ごしている。

胃が痛む原因は他にもある。私のかわいいリリアーナの将来。このかわいいかわいいリリアーナがあの意地悪な悪役令嬢になるなんてとても信じられないのだけども、もし、もし本当にあの悪役令嬢になってしまったら、と思うといてもたってもいられない。悪役令嬢のリリアーナには追放か平民落ちの未来しかない。貴族として生活しているリリアーナが平民として生活するのは無理だし、ましてや国外追放なんてなったらすぐにでも命を落としかねない。私の考えている未来と違ったら良い。きっと違うと思って色々と侍女達にお話をきいてみるのだけれども、リリアーナの婚約者の第2皇子の名前も先々入学するであろう学園のお話も聞けば聞く程、信憑性を帯びてきてしまう。

先々に目を向けて対策を立てなければ。

ゲームで出てきたリリアーナはかなりひねくれた気の強い、いかにも悪役な感じの女の子だった。似たような取り巻きを引き連れてヒロインをいじめ抜く。どんなルートでも必ず出てきては何かしらの横やりを入れて邪魔をしてくる。最終的にはどのルートでも断罪される。

今のリリアーナからは到底結びつかない。本当に同一人物なのだとしたら今のリリアーナがそうなる要因がどこかにあるはず‥‥‥。

リリアーナが変わる要因?

何か大きな変化がある?でも学園に行くまでの貴族はほとんど屋敷から出ないで過ごすはずで、それは私の故郷もここも変わらないはず。

誘拐や事件で性格がねじ曲がるのならもっと違う方に曲がりそうなもの‥‥‥?子供に影響を与える‥‥‥?身近な何か?家庭環境?・・・親?‥‥‥私?!!!そうだわ!確か裏話的な何かがどうとかって娘が話していた気が!悪役令嬢の母は気を病んでいて、その原因が義理の弟にあったから悪役令嬢は常から義弟をいじめていて、その報復として義弟が悪役令嬢の悪事の証拠を集めて提出する、みたいな。ヒロインの義弟への好感度が高ければ高い程、途中のルート選択時に義弟の助けで色々回避できて、攻略が楽になるとかなんとか!

ありがとう前世の娘!何か、フーンと思ってたけど、今の私にはとっても大事な情報だったわ!

って事は義弟、オースティンと仲良くなる事と私が元気でリリアーナを大事にする事さえできて、尚且つ婚約破棄を学園入学前にしてしまえば!!!ノープロブレムでしょっ!!!

やった!!!解決!!!婚約破棄は考えないとだけど、他は大丈夫!いける!なんとかなる!イエーーー!!!

‥‥‥はっ!!!いけない。また、ですわ。何だか過去を思い出してからというもの、過去の自分の若かった頃の記憶やら気持ちやらに、言葉も思考も行動も引き摺られてしまっていますわ。

この間もお庭にいたダンゴムシっぽい虫をリリアーナと二人でつついているのを見られて侍女にドン引きされたばかりですし、気を付けなくては。

とにかく、私は引きこもらない。‥‥‥ゲイル様の事は許せないし、顔を見るだけでイライラして悔しくて虚しくて悲しくなるけれども、リリアーナの為に、頑張るしかないですわ。

オースティンにも罪はないですし、といっても実際、見かけただけでも悲しいやら悔しいやらと複雑な気持ちになるのですけども、リリアーナの為と思えば、きっと頑張れるはず。

リリアーナが結婚して幸せ

になりさえすれば、私が領地に引き込もってしまえば、ゲイル様ともオースティンともほとんど顔を会わせずに済むでしょうし。

となれば行動よ!とにかく、今日の3時のおやつにはオースティンを誘う!いける!私!がんばれ!

アンナ~アンナはどこ~!

‥‥‥はっ!!!

まただわ。落ち着いて、私。呼び鈴をならせばアンナは来るんだったわ。危うく、またドン引きされるところでしたわ。














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