食事はみんなで☆
シオン達はいったんこの話を終了して、今後の協力体制について話し合った。
「すでにクレスト王国側の国境近くに簡単な野営地のような場所を作ったのじゃ。妾が帰りに住む家を魔法で作るので、スノー王国から移住者と生活に必要な物と開墾に必要な道具を運んで頂きたいのじゃ」
「迅速な対応ありがとうございます」
ユキネは再度頭を下げた。
「それと、この王都シェルの周囲を見て回りたいのじゃが、許可してくれるかのぅ?」
「それは構いませんが何を見るのですか?」
「秋になったとはいえまだ雪はないじゃろ?お主らが知らないだけで価値のあるものが周囲に眠っているかもしれんのでな。少し見て回りたいのじゃ」
これまでその日々を暮らすだけで精一杯だったので、詳しい調査などほとんどして来なかった。スノーガーデンのような危険な物があるならその逆もあるかも知れない。ユキネはよろしくお願いしますと言って許可を出したのだった。
それから交易の話など国同士の話になった。
「なるほど。思った以上に獣人族と言うのは手先が器用なんじゃな」
「こちらからクレスト王国に売り出せるものが少なく申し訳ありません」
「なぁに、これから見つければいいのじゃ。もしくは開発したりのぅ?」
帝国に勇者が召喚されたことで、マヨネーズや醤油などメジャーな調味料がすでにあったのは嬉しい誤算じゃった♪
取り合えず獣人族からは工芸品など輸出することで話がついた。
「綺麗な色合いじゃ。あ、そういえば海に面しておるじゃろう?漁業はしてないのかえ?」
思い付いたようにシオンが聞いた。
「近場で小舟の漁業はしております。塩の採取なども。ただ我々には大型船を作る技術がなく、この近海では冬場は海も凍るので港の建設ができないのです」
「うーむ。海が凍るのでは港を作っての貿易は厳しいのぅ」
なかなかうまくいかないものじゃな。
一通りの話が済んでから人を呼び出して、本日は終了となった。
「到着したばかりでお疲れでしょう。余り多くはありませんが食事を用意致します」
「そう卑屈にならなくて良い。民が飢えているのに我々だけたらふく食う訳にもいかぬ。早速持ってきた食料で民に振る舞いながら食べようぞ」
!?
シオンの言葉にユキネは驚いた。
「平民が食べるものと同じものを姫殿下が食べられるのですか?」
「当然じゃろ?」
何を当たり前なことを?みたいな顔で聞き返した。
それからシオンは吹き出し用の大きな鍋に多くの野菜を切って煮込んだクリームシチューを作った。
「シチューですか?我々の知らない料理ですね?」
「マジかっ!?定番の料理じゃが???」
獣人族を見渡し知らないようだった。
「・・・もしかしてここにはミルクがないのかのぅ?」
「いえ、ミルクはありますよ。乳牛はいますので。ただミルクは幼い赤ちゃんやせいぜい5歳までの飲み物としてが一般的なので」
「ミルクを使った料理もないのか?」
セツナや他の者にも聞いたが誰も知らなかった。
マジなのじゃ!?
この世界では勇者が召喚されて地球の調味料が開発されているのだが、一部の商品など、この世界ならではの風習があるようじゃな。
「これはミルクを使った煮込み料理じゃ。ミルクは栄養が高いので大人でも飲んで問題ないのじゃ」
妾はとろみがあった方が好みじゃ。
そして完成じゃ!!!
「味見をしたので大丈夫じゃと思うのがだ、食べて見て欲しい」
「姫殿下自ら作られた料理・・・」
セツナは感動しながら食べると、某アニメの様に衣服が爆散して少しエロいシーンが入りました。
「これは美味しいです~♪」
「こんな美味しい物初めて食べた!」
「なんと美味!」
「口の中で柔らかい野菜の旨みが溶け出して、なんとも言えない旨味を醸し出している。これはまるで口の中で食材たちが踊っている食のカーニバルやー!」
多くの人々から絶賛の声が聞こえた。
(なんか変なコメントも入っているけど)
「これは大量生産に向いておるからのぅ。しばらくはまとめて作って配給して欲しいのじゃ」
「新しい料理までなんとお礼を言っていいのか」
妾の知識と、この世界の常識がいまいち噛み合っておらんなぁ。
うまく行けばお金儲けもできそうじゃのぅ。
シオンは時間のある時にセツナに色々と質問する時間を作るのだった。




