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観念

 もうこれまでと観念したその時、ズロッシャイをプラズマ・ソードで斬り捨てるべく剣を上に構えた敵兵の動きが止まった。気づくと敵の腹のあたりから、プラズマ・ソードの青い刃が突き出しているのが見える。

 ズロッシャイがフルフェイスのヘルメットをかぶってなければ、焼ける肉の臭いがしたろう。反乱兵は腹から赤い血を流しながらゆっくりとこちらに向かって倒れてきた。

 ズロッシャイがそれをよけると、兵はうつ伏せに大地に落ちた。倒れた反乱兵の背後から、青く光る剣を手にした味方のダラパシャイ兵が現れる。

「助かったよ」

 ズロッシャイが礼を述べた。

「中佐をお救いできて、光栄です」

 兵士が、そう口にする。その時だ。ようやく味方のチャマンカ正規軍の輸送機部隊が現れ、チャマンカ人のバトル・ドール隊が降下作戦を開始した。

 良かったと感じる反面、遅すぎる事に怒りを感じる。すでにダラパシャイ隊はズロッシャイ含め13人しか残ってない。惨憺たる有様だ。

 が、状況はセンティメンタルに浸る猶予を許さなかった。次々に襲いくる反乱部隊と戦わなければならないのだ。

 しかし、正規軍の支援部隊が来たために、敵のゲリラ兵達はじりじりと押される形になっており、ダラパシャイ兵にとって、少しは有利な展開になっている。

 ズロッシャイはプラズマ・ソードをふるい、敵を次々に倒してゆく。チャマンカ兵が1人、2人と斬られる事に、サディスティックな喜びを感じていた。


「わが軍は何をやっておるのだ」

 普段は落ち着きを崩さないバサニッカが、悪態をつく。ズワンカ市にいる彼女は、市を占拠した反乱軍が、侵攻してきた正規軍に押されているのに歯がゆい思いを噛みしめていた。

 そこへ1人の士官が現れ、バサニッカの耳元で囁いた。正確には、耳元というほど近くではない。内緒の話をしているのがバレない程度には離れており、士官はマスク型の指向性スピーカーを使って話していた。 

 この士官はマスク型のスピーカーを常時しており、時には内密の話をしているのを察せられないためと、不特定多数の人物に大音量で何かを告知する時にも使用している。

「バサニッカ様が逃げる手筈をつけました。無論ご主人とお子様もです」

「ありがたい。ズワンカ市は持ちこたえられると思うが、万一があるからな。すでにわたしから援軍の手筈もつけているから、今少し辛抱してくれ」



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