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ソワンカ大佐

 3日後ズロッシャイ中佐は、バサニッカと話した部屋に再び招かれた。ただし今回ダラパシャイ人の前にいるのは、白い毛並みにつつまれたソワンカ大佐だ。

 ソワンカとは過去に何度か会っている。温厚な性格で、まさか今回の計画に関わってるとは予想外だ。

 そもそも彼は、地球に派遣されていたはずなのに、いつこっちへ戻ってきたのか?

「バサニッカ総理は、お忙しい身の上だ。総理から計画の件は、聞いている」

 大佐がそう切りだした。

「代わりに自分が、君の回答を確認する」

「わかりました。微力ながら、自分の部隊共々クーデターに参加します」

「それは、よかった」

 巌のように緊張していたソワンカの、顔がほぐれる。

「前金はどういう形で渡せばいいかね。量子テレポート通信を使った口座振り込みだと、アシがつく可能性があるが」

「お札の形で軌道上の宇宙船までマイクロ・ワープで転送してほしいのですが」

「よかろう。今すぐやるので、確認してくれたまえ」

 ズロッシャイは暗号を使った量子テレポート通信で、軌道上の宇宙船にいる部下と、連絡を取る。

 やがてポリマー製の札束がスーツケースにつめられて、転送されたのを確認できた。無論偽札かどうかなのは、船内の機械で瞬時に確認している。

「お札の転送は、確認しました。クーデターに関する詳細を教えていただきたい」

「我々は、こういう形を考えている」

 ソワンカ大佐が切り出した。

「我が国の議会は一院制だが、全部で500人いる議員は常に出席するとは限らない。が、新年最初の1回目の議会には、全員が出る。この日は永遠帝陛下もご出席されるのでな。この日参加する衛兵の制服にナノマシンをしこんでおき、議会開催中にナノマシンから睡眠薬を散布する。全員が眠らされるわけではない。クーデターに参加する衛兵は眠らないので、かれらが議会を占拠する」

「我々は、どう動けば良いので?」

 ズロッシャイは質問した。

「放送局の占拠をお願いしたい。同じ時間帯に民放のスタジオで、君達の録画取材をセッティングしている」

 ソワンカ大佐が説明する。

「対ショードファ戦で、君達がいかに貢献したかの取材だ。議会の占拠と同じタイミングで放送局の警備員も、ナノマシンを使って眠りにつかされる。すぐに我々クーデター派の兵士達も放送局に突入する」

 ズロッシャイは聴きながら、そんなに上手くいくものかとも考えた。が、ここでは、話を合わせる必要がある。

「概要は、わかりました。どのタイミングで放送局の占拠を行えば良いでしょう」

「それは当日脳波通信で、連絡する。そのタイミングで動いていただきたい。通信がない時は、作戦延期と解釈してください」

「わかりました。しかしあなたがクーデターに関わっているとは意外です」

「自分はバサニッカ総理を尊敬しています。チャマンカ帝国をショードファ軍の守るため、さらなる軍事力増強と総理の権限拡大が必要です」

 要はクーデターによって、チャマンカを今以上の独裁体制にするというのだ。ズロッシャイには飲めない話だ。協力すると見せかけて、失敗させねば。

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