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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第2部・純愛
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第2話 息抜き2(キャラ名版)

 午後7時を過ぎた頃、ライディルの計らいで埋め合わせの人物が訪れた。その人物達を見たウインドとダークH、それにリデュアス・リューア・テュームは顔を青褪める。


 訪れた人物はライディル・サーベン・チェブレの参謀とも言える存在。3人を師匠と仰ぎ、シークレットサービスとしても活躍する。存在的には3人よりも格上なのだろうが、それでも彼らには頭が上がらない状態だとか。


 その人物は坂間幸司・星島幸樹、そして娘の坂間イリュシェア・星島ラオリアだ。




コウジ「お会いできて光栄です、覆面の風来坊殿。」

ミスターT「よ・・よろしく・・・。」


 コウジもコウキも頭を下げて敬礼をする。またもライディルは要らぬ事を・・・。そんなに偉くもないというのに・・・。


コウキ「師匠から何度もお伺いしていますよ。今の我々が存在できるのは貴方のお陰だと。陰の役者として有名ですから。」


 ベロガヅィーブの一件か、ゼラエルの一件だろう。あれで有名になったのだろうな・・・。


イリュシェア「後輩のウインドとダークHもお世話になっているそうで。」

ラオリア「色々とありがとうございます、ミスターT殿。」


 この2人も凄い。イリュシェアもラオリアも身長がリデュアスと同じく長身の巨女である。だが雰囲気はまるでエリシェのようで、お淑やかで切実さが溢れている。つまりは見掛けに寄らず、全てにおいて猛者と言えた。




ミスターT「これで明日は1日フリーだな。」


 コウジ達と雑談に明け暮れるエシェラ達。自然とウマが合うようだ。まあ彼らは根っからの熱血漢に感じられる。それが自分達と相性がいいのだろう。


 それを遠巻きで恐縮気味に見つめるウインドとダークH。警察内部でトップクラスと言われる4人が自分達の代理人という事に、今までにないほど焦っている。


ウインド「で・・ですが・・・。」

ダークH「・・・やはり悪いですよ。」

ミスターT「む~・・・、ならこうするか。」


 胸に抱いているヴェアデュラをエシェラに託し、2人の前へと進み出る。改まった行動に、彼女達は不安そうにこちらを見つめていた。


ミスターT「師匠として命令する。明日1日俺と一緒に行動せよ。拒否権はない、命令は絶対だ。」

ウインド&ダークH「はっ、了解しました!」


 今も形式に囚われている2人の内情を考え、それに見合った発言をした。俺を師匠と慕っている事と、命令には服従するという事を併せた。


 この発言を聞いた彼女達は無意識にその場に立ち上がり、敬礼しながら了承してしまった。職業柄の悲しい応対である。


ミスターT「・・・約束は守れよ。」


 一応最後に念を押す。普段の俺に戻れば決意が揺らぐだろう。今の現状での催促なら、2人は応じるだろう。嫌な役回りだが、彼女達を連れ出すには必要だろうから。




 翌日、丁度日曜日。出歩くにはいい日だ。今回の一件の事をシュームに話し、ヴェアデュラの面倒を見て貰う事にした。彼女は快く応じ、一時の母親役を担ってくれた。


 シューム自身もウインドとダークHの堅物な性格を気にしていたようであり、思う存分甘えさせろとも言ってきた。彼女らしい配慮だろう。


 俺は本店レミセンでウェイターをしながら待つ。今日はシンシア以外に臨時でメルデュラが担当してくれた。シンシアが俺がいなくなった時の埋め合わせに呼んだのだ。



シンシア「モテる男は参るよねぇ~。」

メルデュラ「そうですね。」


 カウンターで一服しながら待つ。この待つという行動は非常に落ち着かない。どちらかと言うと、俺は行動派なのだろうな。


 その中でシンシアとメルデュラが茶化してくる。まあシンシアの場合は幾分か嫉妬が入っているのが分かるが・・・。


ミスターT「メルデュラも今度どうだい?」

メルデュラ「よ・・よろしいのですか?」

シンシア「こらぁ~、弟子を口説くなぁ~!」


 メルデュラを誘って見た所、本人は素直に了承しようとする。そこにシンシアが遮ってくる。弟子と言っているが、間違いなく嫉妬心からのものだろう。何とも・・・。


シンシア「もうっ・・・、最近目を離せば他の女性を口説くんだから・・・。」

ミスターT「野郎としては当然の事だよ。それにメルデュラも最近無理無茶してるだろ。息抜きも大切だ。」

シンシア「まあ確かにねぇ・・・。」


 彼女の母親デュリアと妹のシンシアR・シェイナは息抜きの方法を知っている。特にシンシアと同じ名前で有名のシンシアRは、活発に同僚を誘っての息抜きを行ってくれていた。


 マスターとして活躍するのも大切ではあるが、それ以外の事をしっかりと見定めている。非常に大切な事である。


 しかしメルデュラだけは要領が悪く、決め付けたらトコトン走るタイプだ。誰かが息抜きをしてあげねば、そのうち過労でぶっ倒れるだろう。


ミスターT「善は急げ、だな。今度時間を作ってくれ。一緒に遊びに行こう。」

メルデュラ「は・・はい・・・。」

シンシア「襲われないように注意してね。」

ミスターT「この野郎・・・。」


 シンシアが冗談を言うと、メルデュラは頬を赤く染めて俯く。俺はそれに苦笑いを浮かべて反論した。まあこれも雰囲気の和ませに近い。シンシアには頭が下がる思いだ。




ウインド「こんにちは。」


 暫くしてウインドとダークHが入店する。待ち合わせは午前10時、今は9時50分。機械のような正確さと、余裕を持った行動には恐れ入る。


ミスターT「よう。・・・って、何だその格好は・・・。」


 俺が指摘したのは、ウインドもダークHも警察官の服装で来たのだ。これで出掛けるつもりで来たというのか・・・。


ダークH「その・・・プライベート用の着衣は持ち合わせがないものでして・・・。」

ウインド「正装ならこちらの方がよろしいかと・・・。」

ミスターT「・・・まずは服を買うかね。」


 呆れるしかない。まあそれだけ公務に忠実な現れだが、堅物にも程があるな・・・。遠巻きに見つめるシンシアとメルデュラも、流石に苦笑いを浮かべている。


ミスターT「じゃあ、ぼちぼち行きますかの。」

シンシア「お2人さん、彼に襲われないようにね~。」

ミスターT「また言ってる・・・。」


 冗談を言って見送るシンシア、実に彼女らしい。その言葉を聞いたウインドとダークHは、案の定頬を染めながら俯いていた。勘違いしないで欲しいものだが・・・、何とも・・・。




 本店レミセンを出た俺達。まずは駅ビルのショッピングモールへと向かう。傍らにいる2人が警察官の服装から、周りの視線が痛々しい。まるで俺を護送するかのようだ・・・。


 しかし初めての息抜きとあってか、2人とも表情はとても明るい。無理強いさせてまで行動したのは間違いではなかったな。




ミスターT「好きなのを選びな、終わったら教えて。」


 エリシェの浴衣を買いに来た時もそうだったが、何故試着室の近くがランジェリーフロアなんだ・・・。居辛い事この上ない・・・。


 そんな俺を尻目に、2人は普段着を選び出す。その仕草はしっかりとした女性だ。普段の自分を脱ぎ捨てている証拠だろう。


ウインド「どうでしょうか・・・。」


 ランジェリーに目が行きそうな衝動に駆られる事数十分。試着室から出てきたウインドとダークH。


 ウインドはベージュのズボンに茶色のロング、そして上着にズボンと同じベージュ色を選ぶ。ダークHは茶色のズボンに黒いロング、上着にはズボンと同じ茶色を選んでいた。


 何だか凄い地味だな・・・。まあ彼女達がいいのなら構わないが・・・。


ミスターT「ま・・まあいいんじゃないか・・・。」

ダークH「あ・・ありがとうございます・・・。」


 既に着用したため、名札を持って会計へと足を運ぶ。合計5万を超えたが、この程度なら許容範囲内だろう。もちろん彼女達に買わす訳にはいかない。俺のポケットマネーによる出費だ。


ミスターT「すみません、先に試着してしまって。」

店員「いえいえ、お気になさらずに。」


 店員さんも分かっているのだろう。2人の普段見せた事がないほど明るい表情を見れば、彼女達を擁護したくもなる。歳相応の2人だが、まるで少女の頃に戻ったかのように嬉しがっていた。




ミスターT「その衣服はプレゼントな。」


 俺は2人が購入した服を全額受け持った。掛かった金額が大きいが、今までの2人の功績を考えれば安いものだ。


ウインド「そ・・そんな、悪いです!」

ダークH「しっかりお支払いします!」


 案の定の反応だ。2人とも驚いた表情をしながら服の代金を渡そうとしてくる。だが俺の腹は据わっている。この考えは変えるつもりはない。


ミスターT「3年間周りを守ってくれたお礼だよ。もっとしっかりしたものをプレゼントしたかったのだが、丁度いいだろう。」

ウインド「し・・しかし・・・。」

ミスターT「上官命令だ、拒否は許さない。」

ウインド&ダークH「はっ、分かりました!」


 語ってからしまったといった顔をするウインドとダークH。これも職業柄の悲しい性だろう。この手を使うのは好ましくないが、押し通すなら仕方がないか・・・。




ミスターT「さて、どこいこうか。」


 表に出て一服する。警察官の衣服はリュックを別途購入し、その中に入れてある。彼女達に持たせては悪いと思い、俺が持ってあげている。


ミスターT「行ってみたい場所とかあるかい?」

ウインド「それが・・・思い当たらないのです・・・。」

ダークH「むしろ現地がどうなっているかが心配で・・・。」


 怖ろしいまでの忠実だ。息抜きよりは地域への気遣いの方が大切らしい。これは頭が下がる思いなのだが、あまりにも可哀想なのは事実だ。ここは俺がエスコートしないとマズいか。


ミスターT「なら・・・秋葉原でも行ってみるか。」


 俺は駅ビルから電車に乗り、電気街で有名な秋葉原へと向かった。ここから30分前後と問題ない道程だ。俺も数年振りに秋葉原の街並みを見てみたい。


    第2話・3へ続く。

 アキバへGO!(何@@; 風来坊の執筆当時だと、どんなアキバの様相だったか・・・懐かしいですわ(=∞=) 最近はネット通販が多いので、アキバへ赴く事は超希ですね><;


 ちなみに、第1部では4人のパートナーでしたが、第2部は既に2人の候補が出ています@@; ハーレム化が着々と進行していますね@@;;;

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