22-(1) 鹿島の危機
――アハハ、すっごいにらまれてます。
とかわいた笑いの鹿島容子は、いま、電子戦司令局の女と通信中。
鹿島の目の前のモニターには無表情のジト目が……。
――すっごい気まずい。なにか喋って欲しいんですけど。
が、そんな鹿島の願いも虚しくモニターのなかの女性は相変わらず無言だ。女性は黒い長い髪にウエーブがかかった中々の美人。が、そのジト目と無言はいただけない。
鹿島は取りあえず自分から話しかけることにした。このままだと千日手。永久的に話が進まない。
「あの……」
「なんですか」
あ、無視はないんだ。と鹿島はホッとした。相手からのあまりの険悪な感情に、無視もあり、と気構えていたのだ。
「笑ったほうが美人ですよ」
「……はぁ?」
「ですから千宮氷華司令局長。せっかくの美人さんなんですし笑ったほうがいいですよ。女は愛嬌っていうじゃないですか、ほらこうやって――」
鹿島はあざとくニッコリ。笑ってみせたが相手からでた態度は強烈だった。
「わかりました。鹿島さんはお馬鹿なんですね。かわいそう」
氷華のジト目がさらに細まりさげすんだ色。鹿島は完璧に見下された、と心で感じても、頭では理解しがたいものだ。
「えっ!?」
「主計部の至宝といわれている鹿島容子も所詮は戦後派ですか。残念な女です」
「はぁ?! 残念な女?!」
「とんだスイーツ女子といってさしあげましょう」
「スイーツは好きですけど。氷華司令局長は、なにか私について誤解をなさってませんか。私って氷華司令局長とは接点すらないんですけど、誰かに私の悪口を吹き込まれたとかされてませんか」
「いいんですよスイーツさん。星間戦争を経験していない軍人は甘ちゃんばかりとわかっていますから。とくだん期待はありませんでしたので」
「ふぁ!?」
「では、本題に入りましょう――」
「ちょっと待って下さい!」
鹿島の掣肘にモニターなかの氷華のジト目がギロリだ。鹿島は、うっ……、と気後れを感じはしたけれど、バカやスイーさんとまでいわれて黙ってはいられない。
「戦闘の経験はあります。それも三回以上ですよ。確かに氷華司令局長の戦歴と比べれば大したことはありませんけど。それにしたってそのいい方はひどいです」
「はっ、なにをいいうかと思えばくだらない。戦歴などどうでもいいのですよスイーツさん」
「え、戦歴がどうのっていいだしたのは氷華司令局長ですよね?」
「元大将軍の横でぬくぬくしている足りない女がいると最高軍司令部では有名なのを知らないようね。艦上勤務は遊びではなく、ブリッジはデートスポットじゃない。わきまえたらどうなのですか」
「えぇ……」
「天儀司令に色目をつかう鹿島容子。有名ですよ。取り入ってるんでしょ?」
「そんなこと……」
「やっぱりそうだったのね。スイーツさん、いえ、スイーツ鹿島、この私の怒りを買って軍でやってけると思っていたら甘いわよ。電子戦司令局は軍三部の一つと知りなさい。私はそのトップ。主計局のサーバーぶっ壊して、いえ、人事部の資料を書き換えて左遷……。これね。おめでとう鹿島さん。明日からあなたの任地はグランダの最果てのマタサイ宇宙基地に決定です。十二時間以内に過ごしにくいミニマムな高速艇で即時出発。自分の犯した罪の愚かさを知るといいわ」
「ひどいです。私あんなの無理です!」
「そうでしょうね。あんな田舎。けど通信インフラすらままならならい、あんな田舎で泥棒猫は一生やってなさい」
「――泥棒猫?!」
と驚いた鹿島はやっと事態を理解した。いや、薄々気づいてはいたが、まさ、そんな勘違いをされているとは夢にも思わないので確信が持てなかったのだ。
「そうでしょうに。そのでっかいチチと、あざと言い草で天儀さんを誘惑した。秘書官という立場を利用して近づいてね。鹿島容子、あなたの腹黒さにはあきれます」
画面のなかの氷華が両手で胸を強調する仕草で強烈に罵詈を吐いてきたので鹿島は、氷華さんだって私と変わらないぐらいの大きさじゃないですか! とカッとなったが、それをいってしまったら、お終いというか情けないというか、
――女としてダメな気がします。下品です。
怒る画面内のジト目女に対して鹿島は冷静で頭脳明晰。問題の一撃解決には……。と考えれば、〝誤解を解く〟というのが最良の一手だともう気づいている。すかさず叫んだ。
「ちがーう!!」
「違わないでしょう。艦隊の運営や作戦までに口を挟む秘書官だなんて聞いたことがありません。天儀さんを色仕掛けでたらしこんだ結果が、ありえない異例と特例が許される状況になっている」
「そんなことないです!」
「あるでしょう! スイーツさんの越権行為は部隊の活動記録にもバッチリありますよ」
「ないですって! だって私は背が高くて、童顔の二枚目で、優し人がいいです!」
「……は?」
「天儀司令は全部逆です。だから、あんなの無理っていったんです。全然タイプじゃないのに、そんなふうに思われていただなんてショックです」
「つまり……」
「私は天儀司令に色目なんてつかってません!」
「つかってない?」
「失礼かもですけど、それを承知でいわせてもらいます。天儀司令は全然、私の好きなタイプじゃないです」
「……なるほど」
「どういうお噂をお聞きになったか知りませんけど、断固否定です!」
「……ふむ。そもそも、あの男は色目に気づきそうにない気もしてきたわね。とくに艦上で作戦中では脳内は戦い・戦い・戦いでどこまでいっても戦闘のことばかり、ズルしてでもどうやって戦うか、そんなことしか考えていない……」
なにやら勝手に納得次第した氷華に鹿島は一安心し愛想笑いで、
「そうです。氷華司令局長の心配は杞憂ですよ」
にっこりいったが、氷華からは、
「最初からそういえば、こんなことにならなかったのよスイーツさん。危うくマタサイ行き、首の皮がつながってよかったですね」
という横暴な一言。鹿島は驚くしかないが、ここは目上の者の顔を立てて、
「うぅ……。すみません」
と殊勝に応じた。
なにせ千宮氷華は電子戦を得意とする旧星間連合軍からグランダの六個艦隊を見えなくしたフェイドアウト・ガール。短躯でジト目、けれど美人の容姿から、そう畏怖されている電子戦の第一人者。仮想空間での戦いでは並ぶものなし。その腕は前は、天儀と特戦隊がたのみしてきた電子戦の申し子である天童愛以上。
――そして、このジト目の美人さんの立場は、最高軍司令部の電子戦司令局のトップ。私、鹿島は主計部秘書課で将来を嘱望されているとはいえ、たんなるいち秘書官にすぎないので終始下手にでるしかないのです。
上のものには逆らえない。軍隊とはそういうところだ。
画面のなかでは氷華がコホンと咳払い。仕切り直しだ。
「それに氷華さんのほうが美人じゃないですか。それと比べて私なんて天儀司令の目にも入りませんよ」
もちろんお世辞。いや、おべっかといっていが氷華はにべもない。
「それは知っています。わかりきったことを一々口にするからスイーツなんですよあなたは」
あはは、手厳しい。と鹿島は苦笑いだ。
「やっぱり天儀司令がお好きなんですか?」
「好き?」
「うふふ、隠したってわかりますよ」
「隠してはいません」
「あ、そうですよね。隠してはいません。失礼しました私ったら」
鹿島は、私力になれますよ、と目いっぱいの笑顔を向けたが、
「あれは私のものですから――」
と氷華は拒絶の色。取り合ってこない。が、鹿島は余裕だ。この人も天儀司令も恋愛は苦手そう。この拒絶はつまり弱気ですね、と思い鹿島はズイと前にでた。
「そうですか。つまりもう二人は付き合っている?」
「……そんなところです」
「ふむふむ。なるほどぉ~」
「もういいでしょう。そろそろ本題に――」
「氷華司令局長。私、力になれると思います。私って陸奥改にいるあいだは天儀司令につきっきりですから。あ、もちろんこの私が恋愛への発展とか絶対ありませんからご安心を」
「…………」
氷華のジト目の逡巡の色。沈黙は提案に心がかたむいている証拠。
「天儀司令に変な女がよりつかないように厳重監視です。私が適役だと思います」
「……わかりました。任せます。天儀さんに近づくメス豚がいたらすぐに私に知らせなさい。その女は屠殺場送りです」
「あはは、ほどほどに……」
「では、そろそろ本題です。特戦隊の朱雀艦隊との合流の件ですが――」
「あ、わかってます。ファリガまでいって朱雀艦隊と合流して、私たちは任務は終了。特戦隊は解散。特戦隊の艦艇は最高軍司令部へ吸収される。こういう流れですよね?」
「そうですが、問題が発生しました」
「問題ですか?」
「ええ、グランダ皇帝が特戦隊の〝復命〟を要求しています。鹿島さんは特戦隊の成り立ちをご存知ですよね?」
「はい。皇帝が反乱軍に加担した李紫龍を誅殺させるために、天儀司令に与えた戦力で、最高軍司令部からは独立した戦力です」
「なるほどスイーツさんも基本的なところは理解しているようね。安心しました」
「あはは、ありがとうございます……」
鹿島は困った顔で笑いつつ氷華の棘のある言葉に、まだ疑われているのかな、と思ったけれどすぐに、
――いや、これは寂しいのかも。
と考えをあらためた。たしかに鹿島にも氷華の気持ちはわからないでもない。好きな相手が遠く宇宙。とんでもない遠距離恋愛状態。それだけでも面白くないのに、想い人の横には、
――こんな可愛い私ですからねぇ。
寂しいだけでなく浮気の心配も加われば気が気じゃない。ストレスもたまろうというものだ。
「特戦隊は皇帝の意思により発動した部隊。行って帰ってこないでは形式的にまずい。復命は必要です。そこで私が、この件を現最高軍司令部のトップ東宮寺朱雀中将へ打診したところ難色をしめされました」
「ほう、なるほど、朱雀将軍にはダメだっていわれちゃったんですね」
「彼はあくまで特戦隊は朱雀艦隊に合流して解散という主張をまげませんでした」
「ふ~む……。で、氷華司令局長は私になにをして欲しいんです?」
「それはこれからいいます。私が朱雀中将を脅して、なだめて、にらんで、粘り強く交渉した結果、朱雀中将は特戦隊の復命の許可をだすかわりに、ある要求をしてきました」
「ほ~う?」
「天儀元帥が国軍旗艦スサノオに挨拶にくる。これを行なえば特戦隊の復命に許可をだすと」
「なんだ簡単じゃないですかぁ」
鹿島は一安心。ジト目の氷華が重苦しくいうので、どんな無理難題かと思ったら、会って〝こんにちは〟をいうだけ。が、そんな鹿島のようすを見た氷華が、わかってませんね、というよう首を振って嘆息した。
「天儀さんは勝負の結果に異常にこだわります。負かした相手へ挨拶しに行けといわれれば激烈に怒るでしょう。ご存知でしょうが朱雀中将は天儀さんに敗北しています」
あ――。と鹿島も思い当たるふしが、
「勝った俺が挨拶に行くだと? 寝言か冗談か知らんがバカげている。やつがこい!」
と司令天儀は怒りだすに決まっている。
「うぅ困りました。二国の軍が一つになっていくのに、軋轢が生まれては困りますよね……」
「そこで鹿島さんには天儀司令の説得をお願いしたいのです。私がいっても、こういうことだけは天儀さんはゆずってくれませんので」
「そうなんですか。私がいっても聞かないような気がしますけどぉ」
「聞いていますよ。鹿島さんはあの手この手で天儀さんから譲歩を引き出して、戦隊の行動や作戦に口を挟んでいると」
「あはは、申し訳ない」
「天儀さんは、ことに戦いのことになると、他人に口を挟まれるのが大嫌いです。まさに戦場では独裁者。敵にとっても味方にとってもね。それをあたなは上手くやっている。天儀さんを説得できるのは鹿島さんだけと私は見ています。お願いできますか?」
鹿島は逡巡したが、あなたを見込んで、とまでいわれると断れない。というより、
――やっぱりそうですよね~。
と心のなかの顔は完全にゆるみきってしまうお調子者だ……。
「はい! 鹿島容子は宇宙の大船。ドーンと任せちゃってください」
「……このスイーツ、ダメかもしれない」
「え?」
「なんでもありません。くれぐれもよろしくお願いします。仮にですが、もし拒絶されたなら――」
氷華がジト目を鋭くして言葉をためた。思わず鹿島は固唾をのんで次の言葉を待ったが、氷華はそのまま沈黙。鹿島はしかたなしに、
「さすが天儀司令の彼女さん。なにか秘策ありですね。その秘策を私、鹿島へぜひお授けください」
と問いかけたが……。
「――ないですね」
鹿島は思わずズッコケた。あはは、あれだけためておいてないんですね、と苦笑いだ。
「とにかくお願いしましたよ。もし失敗したらスイーツ鹿島さんはマタサイ行きなので覚悟しておくように」
そういうと氷華は通信を一方的に切ってしまった。
鹿島は一応敬礼。もう相手がいなくても、こういうことは大事だ。
「さて天儀司令の説得ですか。とにかく当たって砕けろです。お互い人間、話せばわかる」
難しい課題に鹿島は俄然やる気。電子戦司令局トップからこんなお願いをされるとは実力が認められている証拠だ。普通の秘書官ならありえない。
――それに聞かん坊の将軍の説得というのも名補佐官っぽくていいですね。
鹿島は握りこぶし天儀の説得に向かったのだった。
が、鹿島の気合とは空回り、
「わかった。そうしよう」
と天儀はあっさり了承してしまったからだ。これではむしろ鹿島が納得がいかない。というより〝なにか裏がありそう〟と疑った。
「え、もっとごねるとかないんですか?」
「ごねる? 俺がか? なぜそんな必要がる」
「だって負かした相手に呼びつけられたんですよ。普通なら、お前がこいってなりません?」
「……君は俺を説得したいのか、焚きつけたいのかどっちなんだ」
思ってもない鹿島からの追求に、天儀は不信感混じりの微妙な表情だ。
「むー。そうなんですけど。なんか気合い入れて説得しようって思ってたのに空回りで」
「そうか。そこまでいうなら、いまからでも少し難色をしめしてみるが……」
「もう。ご冗談を――。そんな今更ですよ。……あ、わかった。理由は氷華さんですね。私、知ってますよ。ああいうのって笑わない美人っていう昔からあるジャンルですよ。そんな氷華さんは笑えばとびきりの美人さんになります。氷華さんに笑ってもらいたくて素直に承諾。あっさりOKだなんて、なにか裏があると思ったんです。そうでしょ?」
鹿島は天儀の説得にあっさり説得した気を良くしたのもあり軽口。
が、天儀はとたんに全身から気を発し怒りの表情、
「戦場にいる俺が女に指図されて意見を曲げたと――!」
と鹿島へ激しい怒気をぶつけてきた。
「ち、違いますよね」
「当然だ。誰が、なんといおうと曲げん。帥将の決断は万人の運命を左右する。情にほだされたとか、収賄されたとか、えこひいきだとか、俺とは無縁の話だ。絶対にどんな理由があろうと曲げない」
さらに厳しい言葉を吐いた天儀が全身で不機嫌となって黙り込んでいた。
鹿島は天儀からの思わぬ激しい反応にびっくり、いや、ビビって、
「はい、そうです。失言でした」
としか口にできない。
が、ビビった鹿島は心中では疑問。戦場にいる天儀は、よく意見を曲げている。間違いを指摘されれば潔く認めるし、鹿島や天童愛だけでなく、他のものの提言は採用されることが多い。
――なんやかんやいって結構聞く耳持ってますよね。
と思い天儀の顔をのぞき込んだ。怒ってもあとに引きずらないのも司令天儀の良い点だと鹿島は知っている。
「俺のメンツなどくだらんものだ。朱雀が顔を見せにこいというならいってやるまでだ。いまの彼は最高軍司令部のトップで、対して俺は十一隻の長でしかない。立場は彼のほうが上だ」
「でも朱雀将軍は中将で、天儀司令は元帥ですよね」
「最高軍司令部の枠組みにいない以上、俺の階級はお飾りみたいなもんさ」
「ふ~む。そういうものですか」
「問題の本質は誰のメンツを立てるかだ。我々は勅命軍で、最後の皇軍となるだろう。俺の小さなプライドにこだわっては帝にご迷惑をおかけするだけだ。無事に復命するというのが重要でその過程など実際どうでもいい」
「なるほど……。小信を取って大信を捨ては本末転倒ですね」
「それに最高軍司令部は俺が李紫龍に提案してやらせた組織だ。自分で作ったのに、自分でぶっ壊すような真似をしたら意味ないだろ」
「え!? そうだったんですか! 最高軍司令部は李紫龍の発案で、朱雀将軍と協力して作られた組織だって聞いてましたけど。いえ、ミリオタ御用達の『雑誌戦史群像』にもそうやって書いてありましたよ」
「あのな鹿島。あの紫龍が俺におうかがいを立てずに、なにかやれる男ではないよ。いい意味でも、悪い意味でもな。包括的な考えのなかにない紫龍単独での決断は情熱とか気持ちだけが先走ってろくな結果にはならん」
が、鹿島は納得がいかない。とびきりの疑いの目だ。
「また私で遊ぼうとしてません? そんなに簡単に騙されませんからね」
「……これでも元大将軍なのだが……。その俺が最高軍司令部の発足に一枚噛んでいてもなんの不思議もないだろ」
「むー。ほんとうですかぁ?」
「君も天童愛も俺を本当に尊敬していないというか、あつかいが軽い。これでも戦争の勝利者なのに……」
「尊敬はしてますよ。でも、重くあつかって欲しいなら事務仕事を部下任せにせずにですよ」
天儀の顔は苦い。どう見ても尊敬されていないし、言葉は宿題を放置する子供へのそれだ。いまの言葉からだけでも自分の位置づけの低さがよくわかる。しかも、
――仕事をちゃんとやりましょうね。
などと、日々お小言のようにいわれていることを思えば、完全にやんちゃな子供あつかいである。
「ふん。それにしても挨拶にこいとは東宮朱雀らしいな。じつに政治家的だ」
「政治家的?」
「グランダ、星間連合にあるすべての戦力はあくまで最高軍司令部の支配下にあると誇示したいんだよ」
「あ、なるほど。だから天儀司令が出向いてきて欲しい。天儀司令の国軍旗艦スサノオへの表敬訪問はデモンストレーション的な意味もあるんですね」
「意味も、というより、それ以外の意味なんぞないだろ」
「朱雀将軍にお会いしたときは、ちゃんと笑顔で挨拶してくださいね」
「ま、無視してやってもいいがな――」
「ダメですよ! 大問題になっちゃいます」
「安心しろ鹿島。俺が傲岸に振る舞えば帝が恥をかくことになる。それは俺にとっては自分の名声に傷つくことより痛い」
重くいう天儀に、鹿島は超不安。そんなか特戦隊は朱雀艦隊へ向け進路を取った。さらに到着予定日時や天儀の訪問などの調製が進められたのだった。




