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3-2話




衆治は智琉の姿を目に映すと徹の方に目を向けた。

衆「徹、こっちは誰だ?」

徹「さっき知り合ったんだがな、結構面白い奴だったからお前さんに合わせたいと思って。お前さんの事を話したらこいつも乗り気だったから」

それを聞いて衆治は再び智琉に目を向けた。

衆「名前はなんて言う?」

智「……智琉だ」

衆「そうか。俺は衆治だ」

智「うん、知ってる」

二人は互いに軽い自己紹介を済ませた。

衆「徹がわざわざ俺のとこに連れて来たって事は」

徹「ああそうだ、こいつも自分のアンノウンを持っている。と言っても、つい数時間前くらいかららしいが」

衆「"ド"が付くレベルの初心者だな」

徹「たしかにそうだが、裏を返せばそれだけ伸び代もあるってもんだぞ」

衆「そういうものか」

智「俺の事置いてきぼりか」

話を進める二人に野次を飛ばす智琉に、衆治は改まって質問した。

衆「で、お前は俺に何の用があってここに来た?」

智「用っていうか、俺ははっきり言ってアンノウンの事をほとんど理解出来ていない。アンノウンの事を知る為にもいろんな相手の戦う必要があると思って。そしたら徹さんにここに連れてこられて」

衆治は智琉の言葉に納得の表情を見せた。

衆「そうか、それだけ分かれば充分だ。いちいち口で説明してやる事も出来るが、まずはお前の力量を測るのが先だ。徹、丁度良いカードはあるか?」

徹「そうだな、これなんか良いんじゃないか」

そう言うと徹は自分のポケットからカードを一枚出すと、それを衆治に手渡した。その行動に智琉は些細な疑問を感じた。

智「あんたは自分のアンノウンを使わないのか?」

智琉の質問に対し、逆に衆治に疑問が生まれた。

衆「何言ってんだ、お前このカードが何か分かってるか?」

二人のやりとりを見て徹が何か思い出したかの様に言った。

徹「あ、そうだった。そのカードの事説明すんの忘れてた」

衆「そういう事か。じゃあいい、もう説明しなくて」

智「いや良くねーよ、そのカードは何なんだ?」

衆「口で説明するより直接見せた方が早い。CC(コンディションカード)"閉ざされた森"」

衆治がそう発した瞬間、衆治の手にしていたカードから眩い光が発せられた。その光は智琉の視界をほんの数秒阻害した。




次に智琉が目にした光景は、元いた屋上とはかけ離れていた。周りに見えるのは無数の木々であり、所々の木と木の間には"KEEP OUT"と書かれたテープが張り巡らされていた。他には目の前にいる衆治だけだった。

智「ここはどこだ?」

衆「知らないのなら教えてやる。これがCC(コンディションカード)だ」

智「CC(コンディションカード)?」

衆「UC(アンノウンカード)がアンノウンという未知の存在を発現させるカードなら、CC(コンディションカード)は未知の場所、領域を発現させるカードだ。UC(アンノウンカード)に比べて数は格段に少ないが、アンノウンを使い続けるなら知っておくべき事だ」

智「アンノウンの空間版みたいなものか」

衆「その認識で間違いは無いだろう。このカードの使用目的は主に邪魔な存在の排除だ」

智「どういう意味だ?」

衆「多人数のいる場所で一対一の戦闘を望む時や、あまり派手に戦えない場所からの移動手段として取られるのがこのカードだ。あいつもこの空間のどこにもいないだろ」

智「あいつって、徹さんか?」

衆「お前にとってはあの場所よりもここの方が戦い易いんじゃないか?まあ、それは俺も同じだけどな」

文字通り、一切の邪魔が入らない空間に自分が今いる事に智琉はまだ信じられないという顔をしていた。

衆「さあ、ここからが本題だ。次はお前がカードを見せる番だぞ」

智「ああ、分かってる」

智琉は自らのカードを出現させ、レッド・ドラゴンを呼び出した。

智「UC(アンノウンカード)"レッド・ドラゴン"」

衆「へえ、ドラゴンか。ドラゴン型のアンノウンは今まで見た事が無い。これはまた新しい対処法を考えないとな」

そう言うと衆治は、カードを自分の手から具現化させると、衆治もまた自分のアンノウンを呼び出した。

衆「UC(アンノウンカード)"シザーハンズ"」

衆治が出現させたのは、黒いロングコートに銀色の長髪、そして右手に大きく鋭いハサミが付いた高身長の男の様なアンノウンだった。

智「お前のアンノウンは人型ってところか。右手がちょっとアレだけど」

衆「ほら、こっちはもう準備は出来てる。いつでも来ていいぞ」

半ば挑発気味に衆治は智琉に対しけしかけた。その呼び掛けに智琉は乗る様に応えた。

智「そうかよ。んじゃ、遠慮無くいくぞ!」

智琉はレッド・ドラゴンの口からエネルギーを大量に放出させると、それをレッド・ドラゴンの周囲にばら撒く様にエネルギーを展開した。しかし、荒っぽい態度とは裏腹に智琉の頭は非常に冷静だった。ばら撒く瞬間、数十発の光弾を衆治に気づかれない様に周りの木々の死角に隠れる形で配置していたのだ。智琉は衆治に自分は熱くなっている様に見せかけていた。

智 (とりあえず、まずは衆治のアンノウンの力を見極めるのが先決だ)

智琉はレッド・ドラゴンの周りのエネルギーを光弾に練ると、それを衆治に目掛けて発射した。しかし、向かってくる光弾を衆治のシザーハンズが右手の巨大なハサミで迅速かつ正確に全てを斬り払った。

衆「面白い攻撃の仕方だな、見た目の割になかなか頭を使う能力を持ったアンノウンらしい。そんじゃ、今度は俺の番だな。行くぞ」

シザーハンズはハサミを構え攻撃の体勢をとった。智琉はシザーハンズの攻撃に備え、グッと体を身構えた。




続く



《人物紹介》

そめがや 衆治しゅうじ

身長167cm 15歳

嫌いなもの:固結びされたレジ袋


《アンノウン知識紹介》

CCコンディションカード:UCアンノウンカードとは似て非なるもの。UCアンノウンカードの空間版と称される事が多い。また、UCアンノウンカードの様な特定の人物との同調は行われない。


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