希莉日記4
9月21日。晴れ。
今日は学校で体育の授業を吾郎が受けていた。
なんでもどれだけ速く走ることが出来るかを計測するのが目的らしい。
だけどそんなことはどうでもいいのだ!
男子の皆は女子の方をずっーっと見ていた。
特に瑠璃は男子全員の注目の的であり、吾郎も彼女に対していやらしい目を向けてた!
それがなんだか……嫌な感じだった。
上手く言えないけれど胸がモヤモヤして。
ついつい吾郎の言い付けを破ってしまった。
この気持ちはなんなんだろう?
9月25日。晴れ。
吾郎のお父さんの郷田幸宏さんと初めて出会った。
私のことを本当に心配してくれているようだったので、嘘を吐くことには罪悪感があったけれど、吾郎に言われた通り、精霊であることは伏せることにした。
咄嗟に昨日の夜にやっていたドラマで自分と同じような境遇の家出少女がいたことを思い出し、同じような演技をやってみたのだが、なんとかうまくいったようだった。
だけどいつまでも隠し通せるものなのだろうか。
幸宏さんは吾郎のお父さんだ。
私には両親がいないから。
家族というのは、血縁上の繋がりである、ということしか分からない。
だけど人間が最も大切にする関係の一つであることは知っている。
幸宏さんは優しい人だった。
吾郎の事が彼も大好きなのだ。
そしてそれはきっと吾郎も同じ。
いつか幸宏さんには本当のことを話せる日が来たらいいと思う。




