龍王2
すいません、また遅れました
二日に一回の更新もキツくなって来ました
毎日更新してる人はすごいですね
龍王ニドルヴァルガード、一切の代替わりをしていない唯一の王
龍を統べる者としてこの世界の最初期に産み出された存在
ここ数百年で面識があるのは先代の魔王のみである故に実在を疑う王もいる
その存在はおとぎ話に近く、曰く王を除く全ての生物を合わせてやっと対等、曰く気まぐれで王すら殺す。
その様に謳われる世界最強の龍が今現在、白い龍に頭を押さえつけられ地に伏していた
「この度は私共の王がご迷惑をおかけして真に申し訳ありませんでした」
「あいすまんかった、許してくれ」
子供の姿をしていても福太郎の中身は90越えのおじいちゃんである。姿そのまま子供の様に感情のままに怒る事は精神年齢の高さ故に出来ない。また老人の様に脳の衰えから感情が制御できず怒るという事も肉体年齢の低さ故に出来ない
この様にきちんと謝られるとつい怒りを飲み込みんでしまう
「……一体何の為にここに来てこんな事をしたのかさっさと話せ。許す許さないはその後だ」
今まで初対面の相手には一定の礼儀を持って対応していた福太郎だが流石に語気が荒い。一旦怒りを飲み込んだだけで許してはいない。話に納得出来なければ続きをする気は満々だ
「この度私共がこちらに参った理由、それは神に拝謁を賜る為でございます」
白い龍、ラユノヤと名乗った龍は龍族の中で外交官の様な役割を持っているらしく、今回の様に他種族との交流が発生する際にはラユノヤが前もって調整を行うそうだ
「それなのに今回は王が先走り一族を率いてこちらに来てしまい…私があれだけ待てと言ったにも関わらず!龍の大移動などどれだけ周りに迷惑をかけるか!案の定精霊王殿にも迷惑をかけ争いになりかける!何を考えてるですか!」
「あいすまんかった、許してくれ」
「…お説教の続きは領土に戻ってからしましょう」
龍王への対応を見るにどうやら苦労している様だ。
対して龍王は謝るのみ、迷惑をかけたという意識はあるらしい
「龍王は世界でも残り少ない神樹様より直接産み出された第一世代、神樹様は親の様なものです。もう会えないと思っていた親と再会する事が出来る、その様に考え今回の愚行に走ったのです。どうか寛大なお心でお許し頂けませんでしょうか?何なら手足の二三本ちぎって頂いても構いません。どうせすぐ生えますので」
手足をちぎるの部分で龍王が驚愕の表情でラユノヤを見るが無言の抗議はそのまま黙殺された
「……では何故攻撃してきた。素直に神樹に会いたいと言えば良かったではないか。あれではワシらを襲いに来たとしかとれんぞ」
「…あれは…攻撃等では無いのです、王は王なりに挨拶をしたかったのです」
「あいすまんかった、同族以外と話すのは数百年ぶりで声の大きさを間違えた」
伝説になるような龍からすればただの挨拶ですら周りに影響を及ぼしてしまうものらしい
言いたい事は色々あるが一応の納得をする福太郎
「…ふぅ……わかった、神樹に会わせよう。但し条件がある」
「何なりと。手足に加えて尻尾もちぎりたいのでしたらご随意に」
またも驚愕の顔で見る龍王、またも黙殺するラユノヤ
龍王への対応がかなり雑だ。今までよほど迷惑をかけられてきたのだろう
「まず全頭小さくなれ、デカイのが大挙して押し寄せたら邪魔だろう。次に壊したものを直せ。最後に怯えさせたウチのグリフォンに謝れ」
この会話が聞こえていたのかグリフォンの巣から奇声が上がった。グリフォンからすれば自分達を一睨みで殺せる様な龍王に謝られるなど恐怖でしかないのだろう
「…それだけでよろしいのですか?私達の秘宝や龍王の手足等は求められないのですか?」
頑なに手足をちぎらせようとするラユノヤだ
「いらん、それらを貰っても使い道がわからん。今回の事をよく反省し今後に活かせ。それに…」
花代の分身たる神樹が親ならその夫の福太郎から見た場合、龍王は義理の子供に当たるのかも知れない。随分と年上の息子ではあるが
そして今回の騒動は花代=神樹に会いたいが為に起こした物だ。妻に会いたい義息子の思いを考えるとそれほど責めるつもりにはなれなかった
「…いや、何でもない。全部終わらせたら神樹に会わせよう。
但しまだ会話等は出来ないからがっかりするなよ」




