始まり(現世)
ガス体が衝突する当日、白石遊星(後に、赤井遊星
と改名)のアパートに自衛隊の車両が横付けされた。
遊星は自衛隊の車両に乗り込んだ。
既に車の中には、
恋人の黒崎香織、赤木優月、緑川華凛と全員遊星と
同大学の学生で香織とは親友同士の3名と香織の兄
の黒崎流星が乗っていた。
車に乗車したところで遊星が聞いた。
「どこに行くのですか?」
自衛隊員ではなくて優月が答える
「水族館、その後動物園に行きます」
遊星が、
「何のために?」
優月は
「ガス体に向けてロケットが打ち上げられ無事帰還
しました。ロケットが回収されサルが生きていた
事はご存じでしょう」
「世界は混乱を避けるためにサルが生きていた映像
を流して人体には影響ないと放映されましたが、
実際には問題がありました」
「ロケットに乗せた生き物はサルだけではなく
トカゲも乗っていました。ところが、トカゲは
消えていました。驚くことにサルの目を見ると
トカゲの目に、サルの口からはトカゲの舌が
出入りし、サルのお尻にはトカゲのしっぽが
生えていたのです」
「それを研究者達は融合体或いはキマイラ化と
呼んでいます」
「そして一番の問題は、融合したサルは海兵達に
襲い掛かってきました。狂暴化したのです」
更に優月は
「水族館、動物園を廻る事は、他の動物と融合
するためではありません。世界中には、ガス体
に取り込まれる前に未来視をできる女性達が
出現しました。その一人が私です」
「未来視では、動物との融合して狂暴になる者。
動物の力を吸収してスキルを得る者。動物と
スキルを共有する者が誕生します」
「他国でも自国を守るための防衛部隊を編成する
ために選抜した者たちを生き物がいる場所に
集めているはずです」
「選抜した者たちの殆どが吸収出来る動物は単体
ですが、まれに複数の動物の力を吸収出来る
人間もいます」
「その中でも特別に優れている人間が日本に現れる
未来が見えました。それが貴方です。それも吸収
ではなくて共有出来るスキルです」
車が移動中に一行は青白く光るガス体が衝突して
世界は包まれた。衝撃は無かった。苦しくも無く
呼吸は普通にできた。気温は変わらず。そして
無風であった。
何かが体に入って来る感じがした。運動した後
の様に体は火照って力が湧いてくる。体の全てが
健康で何かを引き起こせる感じがした。
一行は水族館、動物園と廻り、園内を一通り歩き
廻った。どちらでも青白い半透明の生き物たちが
自分たちの周りを浮遊あるいは徘徊して、自分の
体をすり抜けたり、足に体をこすりつけて来た。
幻影なのか魂が彷徨っているのかよく分からない。
夢を見ている様だった。
戒厳令なのに水族館にも、動物園にも多くの人たち
がいた。優月が選抜して集められた人々だと思う。
その後、優星達一行はホテルに到着した。
受付以外は人の姿が見当たらない。
ロビーのソファーに一行は座った後、
優月が話を続けた。
「私たちが特別なのは融合でも吸収でもなくスキル
を共有できるからです。共有出来る相手は私達に
好意を抱いた生き物です」
「貴方は更に、女性と交わる事により、相手のスキル
を共有する事が可能です。貴方が、現世でも異世界
でも救世主として皆を救うためには、多くのスキル
を女性と交わり共有する必要があります」
優月は続けて、
「地球を覆ったガス体は、貴方も体で感じたでしょう
が魔素とかマナとか呼ぶべき者です。魔素により
我々は魔法が使えるようになります」
「戦いで大切な魔法の一つとして魔素から武器を
創っての闘いです。やってみてください。
弓をイメージして創ってみて下さい」
遊星も出来そうな気がしてきたので、
目をつぶり深く息を吸い込みゆっくり息を吐き出し、
弓を弾く体形を作り弓と矢をイメージすると、
左手に弓を右手に矢が現れ、いつでも矢を放てる
状態になった。
優月が
「次に剣をイメージしてください」
と言ってきたので、優星は右手を突き出し剣を
イメージすると右手に剣が現れた。
優月が異世界転移の話をして来た。
「異世界転移ですが、魔素がある事で、異世界に
転移する魔法を使える者が現れました。ここに
いる緑川華凛には転移するスキルがあります」
「転移は魔素のある世界の中で、あるいは魔素の
ある世界同士で転移する事が可能です。地球を
これから現世と呼びますが、現世には魔素が
無かったので魔素のある異世界から現世に転移
する事は出来ませんでした。ところが現世が
魔素に覆われたことから、異世界からいつ
誰かが転移してきて、その者に侵略される
かもしれません」
夕月は続ける
「ただし異世界から直ぐには襲撃はないと考えます。
現世は我々で守ります」
「貴方は異世界から攻略して下さい。貴方の言語理解
能力があれば異世界でもすぐに話せるでしょう」
「すでに、貴方は水族館と動物園で現世の生き物と
スキルを共有しています。異世界に行けば、現世
にはいない生き物、例えば魔獣とか、ドラゴンと
かがいるかもしれません。これらの生き物とスキル
を共有し味方にできれば、こんなに心強いことは
ありません」
「また女性ですが、異世界にはいろいろな種族が
いるかもしれません。エルフとか、獣人族とか、
魔女とか、魔人とか、精霊とか、人魚とか、
アマゾネスとか、ハーピーとか。是非色々な女性
と交わってスキルを共有してください。 結婚して、
子供を産んでくれれば将来も安心です」
「それから、名前を変えて登録してください」
「日本の防衛のために働いていただく人達には実名
とは別の名前で登録する事にしました。防衛行動
とはいえ殺害が必要になるはずです。実名が出る
事を避ける為です」
「但し、名前が重複しては混乱が生じます。早い者
勝ちで名前を付けていき重複しないようにします」
「因みに私の名前は夢見羽衣で登録済みです」
「香織と兄の流星は、銀河香織と銀河流星としました」
「緑川華凛は祇園神楽で登録しました。
そこへ、遊星の両親と妹の白石薫が側に現れ妹が、
「私は白雪姫としました」
優月が
「これからは、その名前で呼んでください」
貴方はどうしますか?
白石遊星は
「白井遊星だと実名と変わらないので、赤井遊星に
します」
ホテルのスタッフと金髪の美人が、何故か犬の
グレイトハウンド、猫のアビシニアン・ソマリ、
ベンガル・シンガプーラを連れて現れた。
それらの犬と猫は遊星のもとに近づいてきた。
遊星はグレイとハントの頭を撫で、猫たちには
喉元を撫でてあげた。その後、グレイトハウンド
は銀河流星の足元に、アビシニアンは夢見羽衣
の足元に、ベンガルは祇園神楽の足元に、ソマリ
は銀河香織の足元に、そしてシンガプーラは遊星
の妹である白雪姫の足元に戻って行った。
その後、結婚式場に移動して銀河香織と赤井遊星
の結婚式が行われる事になった。
遊星の両親と妹白雪姫、銀河の母親(金髪美女)と
兄の流星、香織の親友である羽衣と神楽らが見守る
中で銀河香織と赤井優星は結婚した。
神父が
「新郎優星よ、あなたは健やかな時も、病めるときも
富めるときも、貧しき時も、死が二人を分かつまで
新婦を愛する事を誓いますか」
遊星は
「誓います」
次に神父が
「新婦香織よ、あなたは健やかな時も、病めるときも
富めるときも、貧しき時も、死が二人を分かつまで
新郎を愛する事を誓いますか」
香織は
「誓います」
その後、二人は指輪交換を済ませ、誓いのキスを行った。
銀河香織と銀河遊星はホテルの部屋にいた。
入浴を済ませ、ベットの上でキスをした後、
部屋を暗くした。
翌朝、朝食会場には昨日の面々がビュッフェスタイルの
朝食を堪能していた。4人掛けテーブルで香織と遊星は
食事を済ませ。コーヒーを飲んでいると、夢見羽衣が
近づいてきて向かい合わせの香織の横に座った。優星の
隣には祇園神楽が座ってきた。
羽衣が口を開いて
「香織にはすでに話をしていますが、遊星が世界を
救うために動物や魔物とのスキルの共有と、数多く
の女性達と交わって結婚しスキルを共有していく
必要があります」
「昨夜、遊星が香織から共有したスキルは
ジャッジメントスキルです」
「ジャッジメント?」
香織と遊星が二人してと聞くと、
「香織は、とても優しいけれど、強い正義感の持ち主
で悪人を許さない芯の強い女性です。それがスキル
として開花したのが香織の得たスキルです」
「これは、非常に有用なスキルです。害を与えない者
たちには安らぎを与え命は奪わない天使の剣と天使
の矢となり、悪人は絶対許さない破滅の剣と破滅の
矢となり最後を迎えるスキルです」
「遊星をはじめ日本を防衛する者たちは人を殺した事
がありません。最初に人系の敵に出会った時に躊躇
が生まれます。同族系の相手を初めて殺すのは怖い
ですから」
「ただ躊躇すれば逆に自分の命を失う事になります。
それが、ジャッジメントの剣や矢なら生かすか殺すか
はジャッジメントの剣や矢に任せればよいのです」
「もしかすると、害をなす気のない魔人や魔獣達に
対しては戦意を失わさせ安らぎを与え、仲間に
なるかもしれません」
と言った。
【赤井遊星(改名前:白石遊星)】
年齢21歳、身長182cm、黒髪ヘア、妻1人
オリジナルスキル:短期間で理解出来る言語能力、
多数の生き物とスキル共有。
妻から得たスキル:ジャッジメントの剣・弓
スキル共有生物:
(現世)サメ、ライオン、黒豹、チータ、リス、タカ、
犬、猫
(異世界)未
【銀河香織(改名前:黒崎香織)】
年齢21歳、身長162cm、金髪ミドルヘア
遊星と共有スキル:短期間で理解出来る言語能力。
多数の生き物とスキル共有。
オリジナルスキル:ジャッジメントの剣・弓
スキル共有生物 :ライオン、タカ、猫
【夢見羽衣(改名前:赤木優月)】
年齢21歳、身長165cm、茶髪ロングヘア
オリジナルスキル:未来視、言語理解力、善悪認識
スキル共有した動物:ワシ、イルカ、リス、
猫
【祇園神楽(改名前:緑川華凛)】
年齢21歳、身長164cm、黒髪ロングヘア
オリジナル能力:異世界転移、言語理解力、
帯を創り出し絡みつける。
スキル共有した動物:ワシ、黒豹、猫
【銀河流星(改名前:黒崎流星)】
年齢24歳、身長184cm、金髪ヘア
オリジナル能力:銀河流星群(小流星を創り出し攻撃)、
ジャッジメントの剣
スキル共有した動物:ハヤブサ、ライオン、
犬
【白雪姫(改名前:白石薫)】
年齢16歳、身長160cm、薄茶ショートヘア
オリジナル能力:吹雪、氷結、フィギュアスケート
スキルを共有した動物:シャチ、オオカミ、
猫
夢見羽衣は
「これからですが地球上は世界も日本も大変な事態に
なります。但し、当面は銀河兄弟を含めた日本の
防衛部隊で対応します」
「遊星は異世界で活動してください。異世界で色々
なスキルを共有して、現世にも異世界も守れる
人間になってください」
「その為には、多くの魔物を仲間にしスキルを共有し、
又、多くの女性達と交わって有用なスキルを共有して
ください」
「異世界転移は、ここにいる祇園神楽が出来ます。
それから、同じ動物とスキルを共有したもの同士
は念波で会話ができます」
グレイトハンウンドやアビシニアン、ベンガル、ソマリ、
シンガプーラを何故連れて来たのかの理由が分かった。
一行はテレパシーでやり取りが出来るようになった。
そして、赤井遊星は、祇園羽衣と異世界へ転移した。
赤井遊星が異世界に転移した後、ホテルに残ったメンバーは防衛隊の
制服に着替えた。パトカーのサイレンが鳴り響く。テレビでは戒厳令中
ですので緊急ではない限り外に出ないように伝えている。
「そうもいかないであろう。いよいよ始まった」と羽衣がつぶやいた。
現世での銀河流星、銀河香織、白雪姫らの活躍は別の機会に。




