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2Eギフテッド 習慣化、できないものはできない

毎朝、同じことを言っている。

「遅刻するよ」

「早くご飯食べて」

「早く着替えて」


毎晩、同じことを言っている。

「お風呂行こう」

「もう動画おしまい」

「これで絵本最後ね」


毎日。何年も。それでも変わらない。


「なんで私の言うことは聞いてくれないんだろう?」


と、ずっと思っていた。でも、今は少し違う。


諦めたわけではないけれど、言っても無駄だし。


この、言っても無駄だしみたいな感覚は、娘と夫にはないみたいだ。



「なんでできないの?」と責めても、娘には響かない。私の声は、いつもスルーされる。だから、私が怒らないために、私が私のために、娘がどうやったらできるのかを考える。



考えても正解にたどり着けることは少ないのだけれど。当たるも当たらぬも八卦。何もしないよりはマシかなと。



まず、娘の一日を細かく見てみる。


朝は起きられる。声をかければ起きてきて、リビングまでは来る。


けれど、朝ごはんを食べ始めるまでにとても時間がかかる。


帰宅後の手洗いうがいは忘れずにやる。


けれど、制服のまま着替えてと何度も言わないと着替えない。



ピアノの練習は始められる。3歳の頃からしているのでルーティンになった。


けれど、発表会前だからもう少しやろうと言ってもやらない。



動画を見る時は、自分でタブレットを準備できる。音量調整も、好きな動画を探すのも早い。


けれど、これで最後と自分で言った動画が終わっても、また次を見る。




ルーティンになったことと、ならなかったことに、どんな違いがあるのだろうか?



娘の一日を4つに分類してみた。



流れに乗れる。


これは比較的スムーズだ。


帰宅したら手洗いうがい。お風呂のあとにモビコール。ピアノのあとに宿題。


流れが決まっていれば、声をかけなくても体が動く。


学校の準備も、ランドセルを開ける、連絡帳を見る、教科書を入れると、流れでやる。


「明日、ペットボトルがいるんだって」


と、いつもと違うものは、一番最初に用意する。


お風呂の後に服を着るのに時間がかかる。何度も言ってやっと着る。その後の薬と歯磨きは毎日できる。


することが固定されていて、前の行動がトリガーになっているもの。これが最も習慣化しやすいようだ。




調整を求められる。


ここから、難しくなる。


発表会前だからと、いつもより多く弾くことは難しい。習慣化できるのはやることだけ。融通は利かない。


宿題やチャレンジタッチは座れば進む。けれど、間違いを見直すことはしない。一度終わったと思ったものに戻る切り替えは、負荷が高いようだ。


流れに乗ることはできても、その流れを途中で変えることは別の力がいる。



切り替えを要求される。


さらに難しくなる。


着替えと脱いだ制服の片付けは、手洗いうがいの流れに入らない。


起きることはできる。でも、食べ始めるには、ぼんやりした状態から能動的に動き出す切り替えがいる。




今いる状態から、次の状態へ。なかなか頭も体も切り替わらない。



夢中になっているのに終了を求められる。


これが最も苦手なようだ。


動画やゲームが終われない。


お風呂は入れば楽しそうに歌う。でも入る直前までは嫌がる。お風呂が嫌なのではなく、お風呂のために、今していることをやめるのが嫌だ。


楽しいものを自分で切り上げるには強いエネルギーがいる。


寝る前、布団に入ることはできる。でも絵本を「あと一冊」の無限ループ。



なぜ「終了」と「切り替え」がこれほど難しいのか。


ADHDの特性として、過集中に入るとその状態から抜け出すことが難しい。


ASDの特性として、今の状態や流れを変えることへの強い抵抗がある。


この二つが重なってしまう娘にとって、切り替えや終了は、富士登山のように感じられるのかもしれない。


それならば、計画と準備の時間が必要なのもわかる。


毎日言っているのに変わらないのは、変わる気がないのでも、能力がないのでもなく、そもそも繰り返しで習慣化できる種類のことではないということなのかもしれない。




なぜできないのかと思っていたとき、私は感情的になった。


けれど、何が習慣化を難しくしているのかと考えたら、冷静にヒントを探せるようになった気がする。




娘は朝から晩まで、ずっと乗り越えている。


だらだらしているように見える毎日の中で、娘は必死で山を登っていたのか。



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