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66ハジマッテシマウ



「ミカエラ、色々聞いたのだけど。」


ヘラルドが隣に座って肩を抱いて目線を向けてくるが目を逸らして、覚えないといけない御令嬢図鑑を派閥ごとに並び替えて顔や特徴横の繋がり父親の仕事などを色々と与えられた情報を覚えようとそちらに目を向ける。

「何をでしょうか???」

「私が頑張って言葉をかけているのに意味を理解できてなかったとか。」

「宿題として持ち帰って後で理解してます…」


 書類を取り上げられてしまった。距離が近い。目の前にとても素敵なおじさまが怖い笑顔を私に向けている。


「それに自己肯定感が低すぎる。私の愛しい人がそれではあまり宜しくない。」

「ちゃんとらしくするから勘弁してください。」

「まぁ、良いけれど。貴族らしい言い回しではなくて直接的な表現を使っていくよ。」

「…やめてつかぁさい…」


 良い声で直接的な表現で褒めないで欲しい。同じようなことを言われただけなのに平民でもわかる直接的な言い方に切り替わったのでミカエラのうなじや耳まで赤くなり、彼の胸に顔を埋めて耳を塞ぐ。


「仕事に支障を来たします…」

「初々しいのも可愛らしいが言われているくらいの余裕も欲しいんだけれどね。3日であらかた覚えるように。5日後に双子の従姉が到着する。」

「!?!?!?!私がこういうの苦手だってご存知ですよね!?!?!?」

「給与分の仕事を期待しているよ。」


 額に唇を落としてヘラルドは出てしまったが…酷くないか????本業をしている暇がなくなった。国宝を眺めてうふふって楽しんでいる時間がなくなった。


「あの手段を使うしかない。」


 イザークにお使いをお願いするしかない。

「お使いをお願いします!!!」

「えぇ、しますのでどうしたのですか、その切羽詰まった顔をして。」

「貴族の御令嬢の名前等など覚えきれないので発注リストと照合してください!!!!」


 大量の貴族の御令嬢の姿絵と身上書、覚えきれないと泣きついた。自分の商品と関連づけてなら覚えられるからせめて商品と関連づけて覚えたいと縋り付く。


「わかりました。珍しいですね。ヘラルド様ならもっとはやくから対策しているでしょうに。」

「…今までの仕事での口説き文句をほとんど理解せずニコニコして聞き流していたのがバレました。」


 イザークは噴き出すのを我慢して今日預かって夕方には持ってくると下がってくれた。墓穴掘った。イザークはわかりました。と、頭を撫でられた。


「イザーク様は私に貴族らしい言い回しされませんよね。」

「するだけ無駄なのは邸での姿を見ていたらわかりますから。」

「…ありがとうございます???宜しくお願いいたします。」




 イザークは発注書の写を合わせて持ってきた。それのおかげで何とか全て暗記することができた。


「ミカエラ、私が忙し過ぎるからこちらに来てもらって助かるよ。」

「ヘラルド様…私でお役に立てるなら喜んで。」


恥じらいながら…視線が痛い。それにしても本当に流行っているのか、全員大なり小なり私が納品したものを付けている。私は自分で作ったものばかりだ。見せ付けるようではあるけれど、表現がお貴族様ふわっと表現から直接的になっており顔を赤くする。




小っ恥ずかしい…双子がご令嬢達に将来の相手を決めかねてること、従姉が来るにあたり素質がある人がいい。なのでこちらで決めたグループで予算を割り当てるので従姉をもてなすお茶会を主催して欲しい。その働きで決めるということで、予算は限られているが親を頼ってもいい。と、補足説明をした。3つのグループに別けられて側近が読み上げると空気が一気に重くなった。本当に対立する仲の悪い家同士、個人を固めて割り振ったようだ。


取り敢えず私は外でぼんやりと揉めている様子を見るだけだ。お互い牽制して話進まなさそうだけど。誰が指示をするのか、従うのか従わないのか日付がないのにそんな事ばかりを考えているのだろう。


レオンハルト様が護衛として横にいるけれど私はデザイン画を考えたりしながらお嬢様方がどうしているかの報告書を別で書かないといけない。勿論双子はご令嬢たちにも仕事として命じているので報告書の提出義務もあるし、会計報告もあるらしい。


どこの家も家格が低く、商家に近い人に任命している。そして下の人間に中立や立場の弱い人に雑用を命じている。誰が命じたのか話してくれないだろうけれど誰が何をしていたのか。それをきちんとメモをしておく。


「ミカエラって真面目だよね。」

「サボってるとヘラルド様からの口撃(激甘)が来ますし、ご褒美を頂けないので…」

「色々特別なご褒美あったね。」


国宝触ってよし眺めてよし。職人にとってご褒美。彼女の場合王子の妃選定の手伝いをやらされているとは思ってないようだけど…よくここまで情報遮断されているな…

レオンハルトはその事に驚いていた。未だにヴィルフリート様とギルバート様、ヘラルド様の身分を知らないのは周りが凄いのか、彼女が鈍いのか…



                                                                                     

鈍い、興味が無い、関わりたくないだけです。

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