45気分転換のはずが
完全個室のカフェ…それなりにいいお値段に無理矢理連行して軟禁する。
「無礼にも程があるぞ!」
「あーはいはい。お茶でもケーキでも頼んで。レオン様お願いします。」
「分かった。乱暴されそうになったら容赦しなくていいから。」
見た限り私より年上のお貴族様みたいだけど。私的な場だし、レオンハルトが知っている程度。それなら更に上のヘラルド様に頼るのが1番だ。あの件から気軽に相談してもいいみたいだし。贋作の貴族もまだ見つかってないなんて…本物帰ってこないのは困るんだろうなぁ。
本物帰ってきたら見てみたい。技術とか傍で見たい。可能なら手に取ってまじまじと見たい。
「分かりました。」
ミカエラは決めた?と、あくまでも世間知らずの商家が貴族の世間知らず扱いにしておこう。私の心の平穏のために。雑に扱おう、何かあったらヘラルド様にごめんなさいしよう。そう思ってこの人を雑に扱おうと心に決めた。
素敵なティーカップに見た目も美しいケーキが運ばれて来た。
「何のつもりだ。」
「私の知ってる地位の高い方に身元を引き取ってもらいます。」
「はっ誰が来ようが関係ない。」
勝手にケーキお代わり注文しているし…
「普通こんな商業区の広場で金貨なんて使わないし。」
「金貨しか持ってない。」
「なら商業区も来ない事ね。宝石や貴族向けの店でない限りどこも金貨なんて釣り銭出さなくていいのか、店の商品全て買いしめてもお釣りが出せるかどうか。お金の価値知らないの?」
「価値くらいしっている。」
「どーせ単位の繰り上がりや存在くらいでしょ。金貨使って買い物なんて普通しないわよ。こんなところで。世間知らずなのに護衛もつけずになんで??」
「煩い。関係ない。」
「で、何買いたかったの。」
「…なんでそんなことを」
「少しは会話楽しもうと思わないわけ。」
その前にさ、私が立て替えた屋台の串焼きのお礼を言うなりお詫びを言うなりやる事あるでしょ。勝手に食べてたし。こいつどうしてくれようか…
ユーリが王城で仕事をしていたらロズウェル侯爵家の使者が手紙を持ってきた。
「…これはまた…私を伝書鳩にするなんて弟も覚えてきたのかな。ヘラルド殿、あなたへ言伝です。」
ヘラルドも自分宛とは思わなかったのか手紙を受け取りその中身を見るとため息混じりにその紙を燃やした。
「馬車を回してくれ。ミカエラが殴らないだろうか…」
「辛抱強いですけど、価値観が天と地ですからね。」
「ミカエラ、とりあえず手を収めよ。怪我したら仕事に差支える。」
「この世間知らず1回ぶん殴る!!!レオン様見えないところに入れるから放してください!!!!」
ミカエラは立ち上がって殴ろうとするのをレオンハルトが待って!!!と、引き止める。
「こんなクソ野郎養う為に納税してるんじゃないんです!!」
レオンハルトはこらこら。と、引き止めて腰に手を回して宙吊りにしている。体力はあるが対格差がある。
「全くどうなっているんだ?ミカエラが声を荒らげるなんて珍しいが…何をしているんだヴィルフリート。」
「お、伯父上!?」
伯父???ミカエラはぶすっ。と、してヘラルドを見上げるとレオンハルトに降ろされた。
「こんな世間知らずが身内なんですか!?大丈夫ですか!?ご家庭!!」
真剣にミカエラが心配するのでヘラルドはそれがなぁ。と、ミカエラの頭を撫でる。
「で、どうしたんだ?ミカエラ、詳らかにして貰えるか?」
「ちょっと頭冷やしたいので…」
「お茶にしようか。」
熱いお茶を飲みながらヘラルドに遭遇した経緯とついカッとなってしまったというか、感情的になってしまった事を詫びる。
「パンが買えないならケーキ買えばいいとか…まぁ、それは怒って仕方ない。」
「伯父上!この平民を不敬罪で捉えるべきです!」
「お前は護衛を撒いて何をしているんだ?」
ヘラルドは甥のヴィルフリートにいい笑顔を向けたのだが、あっという間に青ざめた。
「ミカエラ、とりあえず私が持ち帰ってもいいかな。親含めて話し合いが必要らしい。」
「それはもちろん…欲しくないですし、いらないです。」
「ここで気が済むまで食べていいよ。私が出しておく。レオンハルトも。」
「ありがとうございます、ヘラルド様。」
ヘラルドは甥の襟首を掴んで引きずって帰って行った。
何食べよう…
ミカエラはお言葉に甘えて気になるケーキを複数個追加注文して食べて帰った。お土産に焼き菓子詰め合わせもあったので上機嫌になった。




