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幕末時代に迷い込んで人生を過ごす  作者: みかんらーめん
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4.決意の時

すると、武蔵川さんは真剣な表情でこちらに顔を向けた。


「話すと長くなるようやが、詳しく話しとこか」


「頼む。」






「実はわし、前にも一度おまんらによう似たような者たちがおった。服装もおまんらにそっくりや。しかも、そやつらも宿の前で倒れとった。

ほんで、また似たような奴らが来た。それが、おまんらや。

ほんで、俺は前に来たそいつに色々あって、幹部を任せることになった。

やが・・・・・・

幹部を任せようと思とった頃のある朝、そいつは何者かわからん者に殺さとった。なんで、殺されたかわからんがな。

じゃから、複雑かもしれんがお前らにその者の代わりになってほしいんや。

もちろん、今度はわしも守る。

もうあんなことにはさせなくない......」


先程までの武蔵川さんとは違い、少し涙目で話している。

それにしても、俺たちの他にタイムスリップした奴が居たということか・・・・・・

しかも、何者かに殺された....

俺たちにその人の後釜になってほしいってことで入隊しろと言うことなのか?

武蔵川さんの役に立てると言うことなら、入隊するのも悪くはないが・・・・


「ま、まぁ....そういうことな....」


すると・・・・



「お、俺入隊してもいいぜ!よくわからないけど、おっさんに頼まれたんじゃ断れねえや」


和音....お前からそんな言葉が出るとは。

よし、俺もこれで決心はついた。入隊しよう。

きっと武蔵川さんなら大丈夫だ。


「お、俺も入隊させてください。お願いします」


「ほ、ほんまか!そう言ってもらえると助かるわ。」


そう言い、武蔵川さんは少し笑みを浮かべた。

そして、また少し不安げな顔で


「もう2度とあんなことにはさせん・・・・」


またそう言い、深刻な表情をしながら小さく呟いている。どうやら、過去に色々あったようだ。



「お、おし、ほんならこの組織について説明しよか」


「うん、詳しくお願い」


「この組、武徹組は新撰組に対抗するため、局長が個人的に作った組や。

ほんで、元々局長は1人やった。ある日、わしと局長は出会い、剣を交えることになった。

結果、わしは敵わんかった。

せやけど、負けたわしにこう手を差し伸べてくれた。」


「俺と共に組織を作らんか?ってな。そんで、そっから色んな輩と剣を交えてって人は増えてった。

やがて、入隊希望の平隊士が大勢来るようになって今の武徹組や。」


新撰組に対抗するための組・・・・か。

となると、この組織も結構な勢力っぽいな。

俺たちは、その平隊士を超えいきなり幹部に・・・・

平隊士達には、あまりよく思われないかもしれないな。

この組では武蔵川さんは、海賊で言えば副船長って訳だ!



「おっさん副長ってことか!新撰組で言えば、土方歳三だけどそれほどおっさんも強いの?」


和音め!いきなり最強の剣士の名を言いよったな!?土方歳三と言えば俺の一番好きな武士だ。



「土方か・・・・ふっどうやろな。わしの腕が衰えてなければな」


言うこと渋いな〜。侍ってやっぱりかっこいいと改めて思った。それはそうと、階級はどのくらいあるんだろう?


「ねぇ、武蔵川さん武徹組って階級どのくらいあるの?」


「階級は、新撰組に対抗するためできる限り階級を作った。新撰組は10番隊やが、9番隊までしかないがな。

そこで、おまんら2人合わせると11番隊まで作ることができる。」


「な、なるほど。確かに戦力も増えると言うメリットもあるね」


「あぁ。その通りや。まぁ、最初は悪いんやが10番、11番隊から初めてもらうことになる。おまんらの腕次第では、3番隊やら、よっぽど良けりゃ1番隊の座もやることもできる。」


「わぁ!そりゃすごいや。俺早く1番隊になりてえよ。」


おいおい、そりゃ気が早いぞ和音。俺もお前も剣術はあんまり詳しくない。

刀も持ったばかりで、まだまともに戦うことさえできない。

・・・・まぁ、実力次第だが。俺も和音にも負けてられねぇ〜!!


「そ、そう簡単に座は渡さねえぞ!和音!なんちゃってなっ」


「ははっ!望むところだ。てか、マジで頑張ろうぜ」


「ふふっ。お主ら、気合い入ってきたな。それでは、正式にこの武徹組の隊長としてよろしく頼むぞ。」


「はい!」


「おう!」


「ちなみに、10番隊、11番隊にも差は出る。お主らどっちかが、どっちになるかは後の試験で決めさせてもらうことになる。」


「試験?」


「あぁ、まぁそんな難易度は高ない。なんせ、最初やからゆるめでいく、安心せえ」


・・・・試験ってまさか、刀での実技試験か?まぁ、武蔵川さんに考えはあるだろうから、大丈夫だとは思うが・・・・


すると突然・・・・




ブルルッ


ん?着替え終わった洋服から鳴っている。ズボンのポケットからやたら鳴り響いているようだ。

ズボンのポケットに手を入れると、何か入っている・・・・




け、ケータイだ!スマホが入っていた。思わず、何も考えず気になったので出してみると・・・・



「ほ、ほぉぁ!?お、お主!なんやそれは?武器か!?」


武蔵川さんは、かなり大げさに驚いている。少し笑ってしまうところだがそういや、この時代にはスマホどころか、ケータイと言う機械すら無い。


「武器じゃないよ。スマートフォンって言うんだよ。簡単に言えば携帯って言う機械だね。まぁ、こうやって指で画面を動かせるよ」


「すまーとふん?けえたい?なんやら、お主らの持っとるもんは不思議なもんばっかやな」


平成では結構普及してるんだけどな。まぁ、この時代の場合、当然携帯すら珍しいのだろう。


「お、おし、それよりこれから幹部会開こうと思う。お主らを紹介がてらな。お主らも他の幹部の顔も拝見しとくといいぞよ。というか、同じ同士として覚えてもらわなあかん。」


「う、うんわかった。」


ついに幹部の皆がお出ましか。とは言え、少し緊張するところである。道では大勢の侍とすれ違ったが、なぜか組の侍となると緊張してしまう。

とりあえず行ってみよう。

部屋を出て、建物内を少し歩くと・・・・





「よし、ここが幹部会を開く部屋や。」


そこは、やはり幹部会と言うことあって少し広めの部屋な感じだ。

そして、先ほどとは違いさらに強い緊張感が襲ってきた。



ガラガラッ




武蔵川さんが、部屋のドアを開けた。


「お、揃とるなお前ら」























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