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薩摩転移(仮)  作者: タコ


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第一話 薩摩っ子転移する

 挿絵(By みてみん)

ここはとある高校の教室で歴史の授業を行っている最中だ。


「 1863年薩摩藩と大英帝国 (イギリス)の間で起こった戦争を薩英戦争と言う。ここテストにでるぞ」


 教師が黒板に年号を書きながら告げる。


「薩摩ぁーー!!」


 突然、一人の男子生徒が竹刀をもって席を立ち上がり、そう叫ぶ。


「うるさいぞ島津!急に声を荒げて叫ぶな。それに竹刀は片付けろと言っただろう」


「そげんいっても先生!地元のかごんまいえ薩摩がメインの話ですよ?興奮しないわけがなかですよ」


 彼の名前は”島津 勝盛”(しまづ かつもり)薩摩をこよなく愛する少年だ。


「だからと言って声を荒げて授業の邪魔をするな」


 そう言ってクラス全員に笑われる。


「全く薩摩馬鹿かよ」


「どんだけ好きなんだか」


 色々と言われてしまう。


「とにかくだ。今回の授業では薩英戦争の起こったきっかけはなんなのかを教えるぞ」


 話が脱線されたが教師は授業に戻る。


「はいはい!オイ知ってます!」


 だがまたもや勝盛によって止められる。


「えーい!いい加減にせんか。話の途中で口をはさむな!」


 そう言ってチョークを額に投げられ命中し倒れる勝盛。


「薩摩あぁぁ」


 倒れる間際にそう言い放ち気絶する。


「先生!こいつ伸びてます」


 隣の生徒が泡を吹いて倒れて復帰しない勝盛を見てつんつんしている。


「そのまま寝かせとけ授業の邪魔だ」


「はーい」


 そう言って気絶したまま授業が進められ忘れられる夢うつつな勝盛。


 すると突然倒れている勝盛が光出す。


「なんだなんだまた勝盛が何かしたのか?」


 教室全体が眩しくてよく見えないため、また変なことをと思っている生徒たち。


「おい!勝盛いくらなんでもこれは度が過ぎてるぞ」


 教師も激怒し怒鳴ると光が消えていく。


「っておい?あいつどこ行った?」


 先程までいた勝盛がいなくなっており。どこかへと消えていたのだ。


「サボりじゃないっすか?」


「嫌々ないでしょ。あの薩摩馬鹿が薩摩の話で消えるか?」


「まあ確かに」


「怒られてしょげたとか?」


「なにそれ面白い!」


 手品か何かと思って生徒たちは消えた勝盛の心配はよそに笑っていた。


 その後も勝盛は戻ってこず最終的にはずっと姿を眩ませたまま神隠しと言われ警察にも行方不明で捜索願まで出したが行方知れずとなった。



 一方消えた勝盛はというと。


「薩摩ぁああ!」


 昼間の大草原の中一人目を覚ます勝盛。


「あれここはどこよ?確か薩英戦争の話をしてるよかところで記憶が」


 そういって地面に落ちているチョークと竹刀をもって立ち上がる。


「いったいここはどけよ?」


 しばらくしても答えに至らず考え込むが。


「分からん。もうよか考えても分らんか歩いて場所の確認すっか」


 しばらく歩くが何も見つからずにいた。


「なーんもなかね。どげんなっちょとよ」


 なにもないどうなってるんだと言い始める。そうしてまたしばらくまっすぐ進むと遠くに黒煙が上がっているのが見えてくる。


「あいは焚火かキャンプの煙?なら人がいんかもしれんでこけがどこか聞けるかも」


<補足!ここからは鹿児島弁が強すぎるのでそのまま通常言語で表記します>


「あれは焚火かキャンプの煙?なら人がいるかもしれないからここがどこか聞けるかも」


 そう言って煙があるところまで行ってみるとそこには鉄器時代の時にあるような集落の様な物があった。


「ここは鹿児島にある公園に似てるね。新しい観光スポットか何かか?」


 幸い壁などもないためそのまま近寄ると人がいる。見た目は金髪碧眼のものなど背の低いドワーフのような人などがいて多種多様だった。


「すみません道を教えて欲しいんですが?」


 勝盛が何かの生き物の皮を剥いでなめしている青年に尋ねると。


「あん?あんた他所から来たのか?それにその見た目からしてヤーの部族か?」


 金髪坊主の青年がそう答える。


「ヤーの部族?」


「違うのか?少し前にエルの部族にやられた部族にそっくりだったからよ」


「エル?よくわからんけどここはどこか聞きたくてな」


「ああここは見ての通り人とドワで合併したドニの一族の集落だ」


 人が好さそうで説明されるもよくわからない勝盛。


「いやどこの県か聞いてるんだよ」


「剣?剣をつかえるのか。そういえばあんたその木剣?珍しい形だな」


「いや地域名を聞いていてだな」


「地域名?さっき言った通りだが」


 何言ってんだこいつって顔で見られイラっとする勝盛。


「だからああもうここは日本のどこかと聞いてるんだ」


「日本?ニーの部族みたいなもんか?」


 話が全く通じない。


「え?じゃあ外国?そういえばさっきから何の皮を剥いでいるんだ?」


「おうこれかさっき族長がとってきたボアボアだ」


「ボアボア?」


「ほらあれさ」


 そういって指をさしたところを見ると二人の大男が棒一本につないだイノシシの様な動物をつるしてこちらにもってくる。


「よー今日はたくさん獲れるな」


「おうよ族長がはりきってよ」


 大男と話を始める坊主頭。


「てかそいつ見ないやつだな服も変なだし」


 大男二人がこちらをじっと見つめる制服が珍しいのか触られたりする。


「あのもしかしてここ日本って国じゃなくてアイヌとかの部族のかた?」


 そう聞いてみる勝盛。


「国ってなんだ?」


「さあ?」


 三人が顔を見合わせてキョトンとする。


……国を知らない?


さすがに勝盛も笑えなかった。国という言葉すら通じない。


ここはいったいどこなんだ?もしかして言葉がわからないだけかもと思い説明する。


「ああそうだな国って言うのは部族同士が合併していっておおきくまとまった土地をもったいわば大大大部族みたいなやつだよ」


 そう言うと三人が見合わせて笑い始める。


「ハハハっハー!なんだそりゃ聞いたこともないぞ。俺達の合併された部族でも珍しいのにさらに合併するなんざ聞いたこともないな」


 大笑いされなんで理解しないんだと思っていると。


「なんだいそいつは」


 ぞろぞろと人が集まり始め背の低い老婆がやってくる。というか胸丸出しだ。


「あーババアこいつよそもんで国がどうとか言っててよ」


 大男たちが説明する。その間勝盛はなんで上裸?と思いながら頭がパンクしていた。


「ん?あんた珍しい恰好だね。ちょっとその服見せてみなさい」


「あーどうぞ」


 言われるがままブレザーを脱いでみせてあげると。


「こいつは驚いた。すごい技術で作られた服だよ。あんたのところの部族は国?って部族だったかい?すごいね。こんなの初めて見たよ」


 そんなことを言われるが頭の中ではこんがらがっていた。


 なんだどうなってんだ。よく見ると皆上何も着ていないし目のやり場に困るし。もしかしてだけど友達の田中が言ってた異世界転生ってやつか?オイは死んだのか?


 そういって考えていた。


「ババアもしらないってなるとお前相当遠くから来たんだな」


「ああそうかもハハ」


 そう言って何もわからないから笑うことしかできなくなっていた。


「これだけの技術だ。あながち大大大部族の話も嘘じゃないかもしれないしね」


「信じるのかよババア」


「あああんたらこの服見てなんも思わないだろうけどこれは破こうとしても手じゃ破けないほど丈夫だよ。」


 そう言って大男に渡してやると引っ張り出す。


「おおマジだ破けねぇ」


 そういって色んな人に渡されて試されていく。


「あのちょっと流石にそんなにすると」


 そう言うも間に合わず。


「あ、破けた」


 女性二人が引っ張り合ってブレザーの腕部分が破けて女性二人のたわわな胸がブルンブルン揺れた。


「ブ!」


 鼻を抑えて見慣れない女性の胸を見てしまい動揺する。


「これ!」


 杖で叩かれる女性二人。


「ごめんね。えーとなんだっけ名前?」


「そうだ聞いてなかったな」


 そう言って全員に見られる。


 あー訳が分からん死んだのか?いや制服は着てたし竹刀もある。だけど国もない世界か。友達が言ってたのは魔法とか中世の世界って言ってたのにこれだと異世界拉致?いや異世界転移ってやつか。いや待て国がないなら作るのを手伝ってその功績で貴族になればいいのでは?薩摩藩みたくなればいい。変革こそは薩摩の見どころ明治維新みたく変えてやる。そしたらこの世界のオイの名前は決まったも当然!


 そうして決心した勝盛は言い放つ。


「よー聞いた!オイは薩摩ぁ。薩摩 勝盛。遠い場所からやって来た。薩摩の部族の男!以後よろしく」


 そうニヤリと宣言するのだった。


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