呪いなのか?!
女生徒の事情を聞いてみた。
どうやら、王子が簡単に引っかかったのですぐに離れないといけないらしい。
まぁ、気に入られてるんだから、学校に居たら付きまとわれるだろう。
で、王都に帰り、父親に事情を話すそうな。
で父親は王様に話す。王子、一巻の終わり。
こういう事らしいです。
で、早く帰りたいんだけど、あまりにも急だったので護衛の用意が出来ない。
貴族だからか、狩人の知り合いも居ない。
クラスメイトには、事情が事情なのであまり話せないし。
そこで俺を発見したって訳。
いや、狩人ですけどね、レベル低いんですよ。
危険察知能力も無いですし? 今まで狩ったのって、スライムとヘビだけですよ?
しかもヘビは集まってる所に火をかけて殺しただけ。
自慢じゃないけど底辺だと思います。悲しいけど。
それにさ、俺って、単独行動は推奨されないんだよね。
だって恨みを買いまくってるから。
買いたくて買ってる訳じゃないんだけどさ! 結果的にさ!
あっ、そうか。商人さんに話せば良いのか。
「今、自分は商人と一緒に行動していまして。
そちらと一緒であれば可能かもしれませんけど」
「ではそれでお願いします」
「判りました。聞いてみます。でもすぐにはならないかもしれませんよ?」
「私が独自で帰ろうと思うと1ヶ月はかかると思っています。
それよりも早くなるのであれば、問題ありません」
「了解しました。連絡はどうしましょうか?」
「そうですね……フォックスさんをお借りしても?
私の部屋まで来ていただき、覚えて頂ければ」
「そうしましょう。タヌキ、頼んだぞ」
「判りました。助けてもらった恩がありますので、頑張ります!」
よほど怖かったのだろう。
神様を見るような目で女生徒を見ている。
この後、学長と共に授業に出て、そのまま帰った。
宿には商人さんが居たので話しておく。
出発を早めれば、3日後には可能だそうだ。
貴族と繋がりが出来るのであれば、問題無いってさ。
さすが商人。
夜にタヌキが帰ってきたので、その事を伝えてまた向かってもらった。
タヌキは翌朝帰ってきた。
朝帰りかよ。
頭にリボンが付いてるので、遊ばれたんだろうなぁ。
女生徒はOKなんだってさ。
それを商人さんに伝えておいた。
学校へ行き、学長にも出発を伝える。
「早い出発だね。籍は残しておくから、帰ってきたらまたおいでよ」
「そうさせてもらいます。まだテンプレはあると思うので」
「そうだね。
そうそう、やっぱり君が居ると精霊が集まりやすいみたいだ。
昨日も魔法を覚えた生徒が3人居たよ」
「へ~そうなんですか。その辺も検証したいですね」
「うん。付き合ってもらえると助かる」
「今回は問題無く出られるので大丈夫です」
「ん? どういう事?」
俺の事情を説明する。
「恨まれて街を出るなんて……ププッ……なかなか大変だね」
「笑い事じゃないんですよ! 命かかってますから!」
「でも今回も恨まれるんじゃないかな?」
「へ? 何でです?」
「ほら、一緒に行くのって例の女生徒だろ?
その女生徒が居なくなったと同時に用務員である君も居なくなった。
多分目撃者も居るだろう。フォックス君と一緒の所も見られてるだろうな。
そこで王子はどう思うかな?」
「も、もしかして、俺が連れ出した……と?」
「そういう事。そうじゃなくても何か関係があると思うんじゃないかな?」
「いや、雇い主と雇われた者の関係しか無いですけど」
「それはこの場に居た当事者と私しか知らない事だよ。
それに女の子はそういう恋の話とか好きだからね。妄想して盛り上がりそう。
で、それを聞いた王子は本気にするんじゃないかな?」
「風評被害!」
「だから、戻ってくるにしても、少し時間を空けてからにした方が良いと思うよ。
まだ王子は王子だしね」
くそっ! アホ王子め!
俺にまで被害が来るとは!
しかし何時になったら恨まれずに街を出られるんだろうか?
呪いじゃないかと思えてきたよ。
次話は6日の17時に投稿します。
次話から新章です。




